第6回 世界の文字が表示できる 2000年3月15日
第6回 世界の文字が表示できる 2000年3月15日
前回はド派手なWindows2000の進水式の模様をお伝えした。では中身はどうなのか? 結論としては、よりインターネットになったのである。つまりインターネットでは世界中のマシンが(電話)回線を通じてつながっているのだが、文字の互換性はなく、それぞれのフォントを捜してインストールしなければならなかった。Windows2000ではUnicodeに含まれる各国の文字すべてを簡単に表示でき、扱うことも出来るようになったのである。 WebGendai
日本語フォントをダウンロードしますか?
昨年9月、サンフランシスコのシーボルトというDTP(デスクトップ・パブリシング)の展示会に参加した際、プレスセンターに入り浸っていた。英会話が得意ではないので、展示会はそこそこにして、プレスセンターでプレス資料を見るのが恒例になっている。
プレス資料は、出展社のプレス発表文や会社紹介、製品紹介など10から50ページほどの資料が入ったフォルダーで、プレスセンターにはこれが出展社の数だけ並べられており、関係者は自由に持ち帰ることができる。中にはCD-ROMや製品のポジ・フィルムなども入っており、新製品の紹介などをこの資料からピックアップして、記者たちがレポートするわけである。
プレスセンターのとなりには、プレスのワーキングルームが作られており、ここにはダイヤルアップ用の電話線が用意されている。ここで、持参したノートパソコンをインターネットに繋いだり、設置されているパソコンでインターネットを見たりすることができる。
プレス資料を眺めた後、必ず、ワーキングルームのパソコンで、その会社のホームページを拝見している。9月のシーボルトの際、ホームページを見た後、いつもの癖で、gooに検索に行った。インターネット・エクスプローラ5.0の画面で、www.goo.ne.jpと入力したら、「日本語フォントをダウンロードしますか」とダイアログが表示された。「ハイ」と答えたら、10秒後にはお馴染みの画面が表示された。
これには驚いた。米国で、米国版のWindows 98に米国版のインターネット・エクスプローラという環境で、瞬く間に3メガバイト以上の漢字フォントが自動的にダウンロードされて、日本のホームページが漢字で表示されたのである。
もし、今あなたがインターネット・エクスプローラ5.0を使われているのであれば、次のURLをクリックして欲しい。http://www.microsoft.com/china/
このように『簡体字中国語文字表示サポート2.7MB』とダイアログが表示されるので、ここではひとまず「キャンセル」を押すことにしよう。「ダウンロード」ボタンを押すと、社内ネットワークなどで太い線に繋がっている人なら数十秒、ダイヤルアップの遅い線の人なら約30分後に中国の文字が表示される。
これは、インターネット・エクスプローラが、HTMLのMETAタグを理解し、そこに、meta charset=x-euc-jpとかcharset=x-sjisなどと書いてあれば、このホームページは日本語で書いてあることを理解して、自動的にマイクロソフト社のサイトから漢字フォントを取ってくる仕組みである。
Windows2000は世界の文字が表示可能
前回ご報告した、Windows 2000発表会では、プレス・ワーキングルームにWindows 2000 Professionalパソコンが50台以上も置かれていた。ここで、日本のサイトを覗いてみたら、今度は、サッと日本語が画面に現れた。
Windows 2000では、Unicodeに含まれる各国の文字がすべて、CD-ROMで提供されており、使用したいフォントが簡単にインストールできるようになっている。9月のシーボルトの場合は、インターネット・エクスプローラ5.0でしか使えないフォントがダウンロードされたが、Windows 2000では、OSとして各国語をサポートしているので、ワードやエクセルでも、世界の文字が扱える。
しかし、表示された画面を見ると、何となく読みづらい。フォントのデザインが悪いだけでなく、先頭の「拝」など、明らかに間違っている。ひらがなもバランスが悪いし、全体的に素人がデザインしたようなフォントである。
インターネットには世界のコンピュータが接続されているので、ドイツでもチェコでも、世界中のサーバーにアクセスできる。Windows 2000で、世界の文字が標準提供されたことにより、これらの国の言葉が瞬時に表示可能となった。文字デザインの問題は時間が解決してくれるだろう。
インターネットを使った出版が、様々な方法で行われるが、世界中のパソコンで日本語が表示できるという、島国に生まれ育った日本人には発想すらできなかった出版環境が、現実のものとなりつつある。
米国版Windows 2000の文字
日本語版 Windows 98の文字