Open eBook initiativeは1998年10月に発足しました。National Institute of Standards and Technology がスポンサーとなってメリーランド州Gaithersburgで開催された世界初の electronic book conference での発表でした。今年のElectronic Book '99カンファレンスについての情報は こちら。 シカゴ会議:chicago9903 ニューヨーク会議:newyork9905
Open eBook Publication Structure 1.0 仕様書はこちら。
Open eBook initiative のひとつの目標は、Webサイトで使用されているHTMLやXMLといった言語をベースにした電子書籍用のファイルフォーマットを決めることです。 この仕様をつくる目的は、注目に値するようなコンテンツを大量に、かつすばやく作成できるようにすることにあります。 出版社は、ある出版物を一度この仕様に従ったフォーマットで作成しさえすれば、それはいろいろな種類のリーダーデバイスで使用することができます。
共通のファイル仕様について合意することができれば、出版社は出版物を各種のリーダーデバイス用に毎回作り直す手間なく、より多くの読者に提供することができるのです。
この仕様は、すでに進行中のメジャーな電子書籍関連の開発計画と互換性があるように作られています。
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支持団体
以下のように40以上の会社や組織が Open eBook initiative への支持を表明しています。
出版社:
Bertelsmann, Franklin Electronic Publishers, Golden Books, HarperCollins Publishers Inc., Macmillan Publishing, Houghton Mifflin, Langenscheidt, Microsoft Press, Penguin Putnam Inc., Simon & Schuster, Warner Books.
メーカー:
たくさんの大手家電メーカー。その支持はさらに強まりつつあります。
オンライン書籍販売:
barnesandnoble.com, Follett Corporation.
オーディオブックディストリビューター:
Audible Inc.
その他:
Adobe Systems, Association of American Publishers, Automated Graphic Systems, Collaborative Electronic Notebook Systems Association, EAST Co., Ltd., FX Palo Alto Laboratory, Inc., GlobalMentor, Inc., Lucent Technologies, Microsoft, Modern Age Books, Motorola, National Institute of Standards and Technology (NIST), netLibrary, Inc., Nokia, OverDrive Systems, R.R. Donnelley and Sons Co., Versaware Technologies.
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記事
1998年5月:
オープン電子書籍イニシアチブ:電子出版者の共通点、ケント州立大学
電子書籍が形になりつつある、Wired
マイクロソフトが電子書籍の標準を推進、PC World
1998年3月:標準運賃、Computer Shopper.com
1998年10月8日:
新たな一歩を踏み出す、Wired
MS トランペット ブックス 2.0、Wired
マイクロソフトが電子書籍推進に参入、CNET
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プレスリリース
1999年6月2日: IDG Books Worldwideが新しいオープン電子書籍標準をサポート
1999年5月25日: Open eBook Authoring Groupが新しい電子書籍出版標準のドラフト勧告を完成
1999年5月25日: マイクロソフトのオープン電子書籍標準の呼びかけは、ドラフト仕様が最終承認のために提出され、大きな節目を迎えました。
1999年3月 30日: 国際企業がオープン eBook 標準のサポートを発表
1999年2月24日: フランクリンが「eBook」業界の標準を定義するオープンeBookイニシアチブに参加
1999年1月28日: BookWorks 出版プラットフォームがオープン電子書籍標準をサポート
1998年10月13日: 最先端の電子ブックメーカー、リブリウス社がオープン電子ブック標準を称賛
1998年10月8日:
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仕様
Open eBook Publication Structure (version 1.0) の仕様書は3種類の形式で用意されています。
ブラウザーで直接仕様を読む
約 750KB.
仕様に準拠したOEB文書版。いわゆる「バージョン4ブラウザー」で読むことができます。
Microsoft Word フォーマットの仕様書をダウンロード (ZIP file)
約 100KB.
印刷に適しています。
Open eBook フォーマットの仕様書をダウンロード (ZIP file)
約 80KB.
パッケージファイルなども含めて完全なOEB出版物になった仕様書。
以下のファイルもダウンロードできます。
OEB パッケージファイル DTD (oebpkg1.dtd)
OEB 文書ファイル DTD (oebdoc1.dtd)
文字参照定義ファイル (oeb1.ent)
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電子書籍とは
スタートレックを見たことがあれば、電子書籍(eBook)がどんなものかはすぐにわかるでしょう。スタートレックの登場人物たちはいつもタブレット状のデバイスを持ち歩いています。これは軽くて持ちやすそうで、大量のデータが入ります。そして一番重要なのは今日の印刷された書籍と同じように読みやすくできているということです。
電子書籍(eBook)には印刷された書籍と比べてこんな長所があるのです。
広い選択肢と入手の手軽さ
新しいタイトルはもちろん、在庫にあるタイトルや品切れのタイトルもすぐに手に入ります。検索性
特定の用語、定義、その他の関連情報を探すことができます。カスタマイズ性
快適な読書のために、コントラスト、フォントのサイズやスタイルを調整できます。重さと大きさ
小さな筐体の中にたくさんの書籍を入れて持ち運ぶことができます。本を一冊追加しても鞄やバックが重くなることはありません。
この「電子的な読書」のもたらす利益を求めて、出版社、ベンチャー企業、再販業者、ハードウェアメーカーなど出版社、ベンチャー企業、再販業者、ハードウェアメーカーなどが参入してきています。この中の2社、SoftBook Press と NuvoMedia は既に電子書籍デバイスを販売し、そのタイトルを流通させています。 Librius や Everybook を始めとする他の会社も、電子書籍リーダーを1999年中頃までにはリリースしようと計画しています。
マイクロソフトの ClearType(TM) フォントなどの技術の進歩によって、電子書籍はさらにユーザーにとっての注目すべき選択肢になっていくでしょう。
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よくある質問とその答
Open eBook Publication Structure Specification 1.0 Q&A
Q: Open eBook 1.0 仕様とは何ですか?
A: 「Open eBook Publication Structure」は電子書籍のファイルフォーマットと構造を定めています。言い換えると、OEBに準拠したものならどんな読書システムでも同じコンテンツが読めることを保証するものです。もちろん、読書システムの所有者がそのシステムでコンテンツを読む権利を持っていると言うことが前提です。
Q: 誰が使う仕様ですか?
A: 著者、編集者、出版社などで、自分の作品を電子書籍で使えるフォーマットにし、様々な電子出版システムや読書システムで読んで欲しいと思っている人たちです。
Q: 仕様に独占的(proprietary)な部分はありますか?
A: いいえ。この仕様は、インターネットのWebで使われているHTMLやXML言語などの広く公開された仕様をベースにして作成されています。
Q: 仕様を入手したり使ったりするために費用や料金などはかかりますか?
A: いいえ。
Q: この仕様のバージョン1に準拠して文書を作成すれば、OEB準拠のデバイスでまちがいなくその文書が表示されるのでしょうか?
A: はい。
Q: どんな会社がこの仕様をサポートしているのですか?
A: Open eBook initiative には50以上の会社が参加しています。参加団体のリストは http://www.openebook.org/ に掲載されています。
Q: どんな製品やサービスがこの仕様をサポートしているのですか?
A: たくさんの会社がいろいろなファイルフォーマットをOEB 1.0に変換するツールを開発中です。ツールが入手可能になり次第、これらの会社からアナウンスがあるでしょう。OEBのWebサイトからもこれらのツールへリンクを張る予定です。
Q: この仕様では書籍の違法コピーをどのように防ぐのですか?
違法コピーの防止は電子書籍市場の発展のためには欠かせない条件です。しかし、この仕様が解決しようとしているのはそれとは別の問題で、出版社が読書システムごとにコンテンツを違うフォーマットで作り直さなくてもよいようにすることです。
Q: 今後OEBで違法コピー防止に取り組む予定はありますか?
A: まず共通ファイルフォーマットを作ることが我々のゴールでした。次に何を目指すべきかは現在議論しているところです。
Q: Digital Rights Management (DRM) に対するOEBの立場は?
A: DRM は出版社にとって重要な問題で、個別に取り組まなくてはならないし、業界全体としても取り組まなくてはなりません。しかしDRMというのは、オープンでリッチなコンテンツの符号化形式を作ろうというこの仕様とは直交する概念です。
Q: OEB 1.0 と XML、HTMLとの関係は?
A: OEB 1.0 は使い慣れたHTMLの概念を取り入れつつ、文法的にはXMLを採用しています。
Q: OEB出版物の中でQuickTimeムービーやPDFファイルといったリッチなメディアを使うことができますか?
A: はい。仕様に準拠した読書システムは、最低でも XML、CSS、JPEG、PNGファイルは必ずサポートしなくてはなりません。OEB出版物は、この他の種類のファイル(QuickTimeムービーなど)も含むことができます。ただし、これらのファイルに対しては必ず必須のフォーマット(例えばJPEG)での代替版を用意しなくてはなりません。ですから、あらゆるOEB出版物はどんな読書システムででも表示できます。そして、特定の読書システムを使ったときにだけ見えるようなものを含めることもできるのです。
Q: OEB出版物の中に既存のPDFフォーマットのコンテンツを組み込むにはどうすればいいですか?
A: 他の非Open eBook フォーマットのファイルも同じですが、PDFもOpen eBook出版物に埋め込むことができます。ただし、PDFをサポートしない読書システムの為にそのコンテンツの代替表示となるものを持たせなくてはなりません。Open eBook の読書システムは、PDFもその他の非Open eBook フォーマットもサポートを義務付けられてはいません。 PDFやその他のフォーマットからOpen eBookの文書や出版物に変換するためのツールがたくさんの会社から商用にリリースされることになるでしょう。
Q: 他の電子ファイルフォーマットについては?
A: OEBは非独占的でオープンなフォーマットです。単一の企業の所有するものではありません。PDF、Quark、PageMaker などのフォーマットからからOEBフォーマットへの変換ツールも開発されるでしょう。
Q: 読書システムの参考実装例はありますか? なければ将来は予定されていますか?
A: 参考実装例はありません。また、その計画もありません。
Q: 組織としてのOEBの今後はどうなりますか?新たな標準化団体を設立するとか、どこかの標準化組織に参加するといった計画はありますか?
A: Open eBook Authoring Group では「組織分科会」を作って、そこから挙がってきたいくつかの提案を検討しています。既にたくさんの標準化組織の情報を集めており、早急にこの件については決断するつもりです。
Q: いずれはversion 2.0 仕様というのがでるのでしょうか? それはいつ?version 1.0 とはどこが変わるのでしょう?
A: 仕様の将来のバージョンについては議論の最中です。はっきりしているのは、2.0 ではもっとXMLの長所を利用したものにしようと言うことです。
Q: Authoring Group の今後の作業に参加することはできますか?
A: 詳しいことは、 oebinfo@softbookpress.com までお問い合わせください。
Q: eBook とは何ですか?
A: いろいろな解釈があります。ある人にとっては、eBook とは読む内容のこと、紙でないデジタル版の本や記事や文書を意味します。Open eBook 仕様では、これはOEB出版物(Publication)と定義しています。 またある人にとっては、eBook とは読む物のこと、デスクトップやポータブルやパームサイズのコンピュータや電子書籍を読むために作られた専用のリーダーなどのことです。Open eBook 仕様では、これは読書デバイス(Reading Device)と定義しています。
Q: Open eBook 仕様ではアクセシビリティにはどう取り組んでいますか?
A: この仕様には障害のある人でもコンテンツが利用可能になるような機能を取り入れています。W3Cの HTML 4.0 仕様やWeb Accessibility Initiative の「Web Content Authoring Guidelines」勧告案と同等のアクセシビリティ機能がこの仕様には取り入れられています。
Q: Open eBook 仕様は、National Information Standards Organization (NISO) と Daisy コンソーシアムが開発している Digital Talking Book 標準規格とはどのような関係にありますか?
A: Open eBook 仕様は、アクセシブルなマルチメディアブックのオープン規格を作ろうという既存の国家的・国際的な活動と競合したりするつもりはありません。NISO の Digital Talking Book 標準規格のようなデジタルトーキングブックに関する標準化活動と協力し協調していくことによって、電子書籍はテキストと音声の両方のフォーマットでより広い範囲のユーザーが使えるようになるでしょう。
Q: OEBに於ける NIST と連邦政府の役割は?政府主導の標準を押しつけようとしているのでは?
A: National Institute of Standards and Technology (NIST) は商務省に属しますが、規制を行うための行政機関ではありません。NISTの使命は米国産業界と協力しながら、規格や技術標準の推進を通じて経済の発展に刺激を与えることです。NISTの役割はOpen eBook仕様の開発を中立のメンバーとして後援することと、そのMeasurement and Standards研究室による技術的な支援を行うことでした。連邦政府がNISTを使って電子書籍やその産業界に対して押しつけたような仕様は存在しません。
Q: 誰がこの仕様を実際に作ったのですか?その作業はどのように行われたのですか?
A: Open eBook Authoring Group が仕様を作りました。Authoring Group は仕様案作成のために定常的に会合を行ってきたOpen eBook のメンバーです。この春、仕様案がOEBのWebサイトに公開され、一般にフィードバックが求められました。Authoring Group はすべての意見を検討し、有効な提案は取り入れました。
最後に、Authoring Group はOpen eBookメンバーに最終案を提示して承認を求めました。メンバーは絶対多数でOEB 1.0 を承認しました。
Open eBook Authoring Group のメンバーは以下のとおり。
後援者:
Victor McCrary, National Institute of Standards and Technology, U.S. Department of Commerce
仕様作成者:
Jeff Alger, Microsoft Corporation
Garth Conboy, SoftBook Press
Horace Dediu, BCL Computers
Steve DeRose, Brown University Scholarly Technology Group
Kimmo Djupsjöbacka, Nokia
Brady Duga, SoftBook Press
Jerry Dunietz, Microsoft Corporation
David Goldstein, Versaware Inc.
Gene Golovchinsky, FX Palo Alto Laboratory, Inc
Markku Hakkinen, The Productivity Works
Günter Hille, Project Gutenberg-DE
Kate Hughes, Microsoft Corporation
George Kerscher, DAISY Consortium
Steve Kotrch, Simon & Schuster
Brian Lambert, Glassbook Inc.
Jon Noring, Exemplary Technologies
Aleksey Novicov, Softbook Press
David Ornstein, NuvoMedia, Inc.
Dhiren Patel, NuvoMedia, Inc.
Steve Potash, OverDrive Systems
Allen Renear, Brown University Scholarly Technology Group
Mike Riley, R.R. Donnelley & Sons Company
Ben Trafford, Exemplary Technologies
John Voiklis, Red Figure Publications
Garret Wilson, GlobalMentor, Inc.
その他の貢献団体:
Adobe
EAST Co., Ltd
IBM
Librius
Vadem
Q: 仕様はどこで手に入りますか?もっと詳しい情報は?
A: Webサイト http://www.openebook.org/ へどうぞ。
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電子書籍に関するさらに詳しい情報:
1999年2月8日: Gutenberg Need Not Worry - Yet, Forbes
1998年12月17日: The paperless chase, Philadelphia Inquirer
1998年12月17日: Downloading literature, CNN Interactive
1998年11月17日: Reading books online to get easier, CNN Interactive
1998年11月16日: E-Books: A library on your lap, BusinessWeek
1998年11月2日: A New Chapter for eBooks, BusinessWeek
1998年10月23日: E-books' Bash in the Big Apple, Wired
1998年9月29日: Electronic Books: The Texts of Tomorrow, CNET
1998年9月22日: An Electrifying Read: New electronic books making head-turners out of page turners, San Francisco Chronicle
1998年8月27日: Timing is Right for Books of the Future, USA Today
1998年7月号: Ex Libris, Wired
1998年6月6日: Electronic Books are Coming At Last, Fortune
1998年6月6日: Is the world ready for digital books?, InfoWorld
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9月21日、ワシントン近郊で行われた Electronic Book '99カンファレンスの初日に Open eBook の最終仕様が発表されました。
このプレスリリースは活動状況のページにあります。原文は米国本サイトの対応ページをご覧ください。
このページは、Open eBook initiative のWebページを日本からの参加メンバーであるイースト株式会社が翻訳し、公開しているものです。イーストは3月に行われたシカゴでのミーティング、 5月に行われたニューヨークでのミーティングにも参加しています。