子どもの本音を一緒に見つけるために
〜「聞き出す」関係から「親子の対話」へ〜
〜「聞き出す」関係から「親子の対話」へ〜
第3回のおたよりでは、「子どもの話を聞くことの大切さ」「気持ちを否定せずに受けとめること」についてお伝えしてきました。
頭では分かっているけれど、いざ日常の場面になると、うまくいかないと感じることはありませんか。
今日はそんなときのヒントになるお話ができたらと思っています。
・同じことを何度も伝えているのに変わらない
・つい強い言い方になってしまう
・あとで「言い過ぎたかもしれない」と後悔する
こうした経験は、決して特別なことではありませんし、私自身、日常茶飯事です。親も人間です。子どものことを大切に思うからこそ、心配や不安で先回りしたくなったり、親自身の感情が動いてしまうのは当たり前のことです。
ただ、親の感情が高ぶった状態では、子どもの話を「聞く」つもりでも、知らず知らずのうちに諭す・正そうとする・決めつける関わりになってしまうことがあります。子を思うが故に、親の伝えたいことが溢れてしまうのです。
◯子ども自身も、まだまだ自分の本当の気持ちが分からない
一方で、子ども自身も「どうしてつらいのか」「何が嫌なのか」を、自分でもよく分からず混乱していたり、「いや」としか表現できないことが多くあります。
・うまく話せない
・怒られそう
・心配をかけたくない
・話したら大ごとになりそう
子どもなりにこれまでの親の振る舞いや反応を思い出し、本当の気持ちをしまい込んでしまうこともあります。
子どもが「どう思っているの?」と聞かれても、答えられないのは、話したくないからではなく、分からない・言えないのかもしれません。
親が感情的になりにくく、子どもが話しやすくなるためには、親子が直接向き合いすぎないことが助けになる場合があります。
その一つが、「気持ちカード」「子どもニーズカード」のような『ワンクッション』になるツールです。(はじめは、絵と言葉で表現されているカードが使いやすいです)
カードがあることで、親は「あなたの気持ちはこれかなぁ?それともこれかなぁ?」と、問いかける立場になれます。
子どもは「これに近いかも」「今はこれかな」と、選ぶことで気持ちを表すことができます。
出典:朝日新聞「子どもニーズカード」広まる 自分の感情や願い、向き合ってごらん
宮崎亮2025年2月11日
私は保健室でもよく使っていますが、低学年の子どもほど、自分が「感じたまま」直感的にカードを選んでくれます。高学年の子も、こちらからいくつか選んで並べてみて、待ってあげることで、自分の気持ちをじっくり感じながら表現できます。
私は家庭でも、小学生の我が子たちによく使っています。親子で向き合って言葉を投げ合うのではなく、同じものを一緒に見ながら話すことで、親が冷静になれるので、子どもが安心します。そうすることで、子どもも落ち着いて気持ちを表現することができます。
気持ちは、
・その時々で変わる
・言葉にしにくい
・自分でも分からないことがある
だからこそ、「正しく言わせる」必要はありません。
「そう感じていたんだね」
「今はその気持ちなんだね」
そんなやり取りが、子どもにとっては「分かってもらえた」「受けとめてもらえた」という安心につながります。
忙しい日も、余裕のない日もあります。うまく聞けなかった日があっても大丈夫です。
大切なのは、「ちゃんと聞かなきゃ」と頑張ることではなく、わが子の気持ちを大切にしたいと思い続けることです。その眼差しや姿勢は、子どもにも伝わります。子どもほど、親のことを見ている人はいませんから。
余裕が持てなかった時は、「さっきはちゃんと聞けなかったね、ごめんね」と伝えるだけでも、親子の信頼関係は、つながり直すことができます。
別府小学校では、子どもたちが自分の気持ちに気づき、言葉にする手がかりとして気持ちカードや子どもニーズカードを活用しています。
私自身、家庭で使ってみて良かったなと思ったので、ぜひ皆さんにも、「こういうツールがあると、こんなふうに関われるんだ」と感じていただける機会になればと思い、『子どもニーズカード体験会』を実施します。
子どもの気持ちを一緒に見つけるためのヒントとして、知っていただけたら嬉しいです。
忙しい毎日の中でも、親子の心の距離が、少し近づく。そんな関わりの一助になれば幸いです。
『子どもニーズカード体験会』
・2月18日(水)13:00〜13:30
※詳細はリーバーにて配信しております。