コラム④「1クラスに1人はいると言われている色覚特性のこと、正しく知ってほしいです」 

〜色覚の特性について、間違った誤解や差別のない子どもたちに育てたい〜

1. 「色覚特性」について、誤解や差別のない子どもたちに育てたい

 さて皆さん、そもそも色覚ってなんでしょう?

 

 色覚とは、色を感じて見分ける力のことを言います。世界中の多くの人が持っている色を感じる受容体のような部分が、多くの人とは異なることを色弱、あるいは色覚特性、色覚多様性と言います。

 

 色弱と言うと、なんだか色が全然わからないのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、色の見え方が異なるだけで、ほとんどの色弱の人は色を感じ取ることができます。色を明暗でしか感じ取れない人もいますが、その割合は10万人に1人以下の割合です。

 

 ただ、この世の中は、多数派の色覚の人に合わせて様々な標識や商品などが作られているため、色弱(=色覚特性)の人にとっては色の情報を見分けにくいことがあります。したがって、色の情報弱者となることがあるということです。


 下に示した絵は、各々左側が多数派の色覚の持ち主の見え方、右側が色覚特性のある方の見え方です。

 ところで、色覚特性がある方の割合をご存知でしょうか?

 

 標題でも書かせていただきましたが、実は日本人男性の5%の方に色覚特性があります。また、欧米ではその割合は8〜10%です。つまり、日本では男性の20人に1人、欧米では男性の10人に1人が色覚特性を持っているということです。日本の女性の割合は、数百人に1人です。もちろんその特性の程度は一人ひとり異なりますが、クラスに1人はいると言われている理由がわかっていただけたかと思います。

 

 そのため、子どもたちだけでなく、保護者の皆様にもぜひ正しい知識を知っておいていただきたいのです。

 

 世界中でカラーユニバーサルデザインという考え方も広がり始めており、日本においても標識や注意喚起の表示方法などを、どんな方にとっても見やすくわかりやすい表現となるよう工夫され始めました。職業差別なども改善され、ほとんどの職種につけるようになっています。

 

 本校においても、ユニバーサルな学校づくりの中で、カラーユニバーサルデザインも進めているところです。こちらでは、6月の保健委員活動の取り組み内容をご紹介させていただきます。

 

 保健委員会(5・6年生)において、色覚についてのスライドで説明を行い、その後、色のシュミレーターアプリ(後でもご紹介します!)を活用して、校内の教室や廊下の掲示物などを自分たちで見て回り、気になったものの写真を撮り、「色の見え方が異なることへの理解を深める」「どの色の組み合わせがカラーユニバーサルデザインなのかを考える」機会にしました。


 保健委員の子どもたちは、次のような感想を書いてくれました!

「思ったよりも色のちがいが大きくてびっくりしました。ときどき、自分の教室の中で、この色は本当に見やすいかどうか考えてみたいと思いました。」

 

「掲示物を作ったりするときは、わかりやすい色を確かめてみんながわかりやすく、見やすくなったらどんな人も気持ちよくすごせて見やすくなると思いました。」

 

「自分には黄色に見えていても、違う人は他の色に見えていることがわかった。」

 

「これはこんな色になるんだなぁと考えたことがなかったからびっくりしました。」

 

「見え方がちがうのは、その人の、一つのいいところともいえるから、とてもすてきなことだということがわかった。」

 

「黄色が白に見えたら、大事なところがわかりにくいと思った。」

 

「別府小はユニバーサルデザインになっているところとなっていないところがある。」

 子どもたちの素晴らしい気づきに感心しました。別府小学校全体が誰にとっても安心できて楽しく笑顔ですごせる場所であるために、これからもこうした取り組みを推進していきたいと思います。

 保健委員会での指導内容について詳しく知りたいという方は、スライドの内容を載せていますのでご覧ください。

<保健委員会活動での説明スライド>

https://drive.google.com/file/d/1Aafq9bRb4W-rKdNwmkUQ1PzQLnLxZCo9/view?usp=sharing

 また、1年生の各クラスでも色覚特性に関するお話をさせていただきました。「色の見え方が違う」ということを理解することが難しかった子もいたかもしれませんが、たくさんの子どもたちが「困っていたら助けてあげる!」「(色覚の人が塗った塗り絵などを見て)とってもすてきに塗れていると思う!」など、頼もしい意見や心温まる意見を発表してくれていました。

 

 1年生への指導内容について、詳しく知りたいという方は、子どもたちに見せたスライドの内容を載せていますのでご覧ください。

<1年生への説明スライド>

 https://drive.google.com/file/d/1d7Z6EJL-LdbYaBJcw_7eZapGlguv1yMq/view?usp=sharing

 これを読んでくださり、「もしかして、うちの子もそうかも!でもどうしたらいいんだろう?」と思われた方や「受診できる病院を教えてほしい。」と思われた方は、お気軽に保健室までご相談ください。学校医であるふくい眼科の先生のところでも、色覚の種類やその程度に関する検査を受けることができます。ただし、その検査が正確に受けられるかは、お子さんの検査に対する理解度にもよりますので、一度相談してみてください。

 

 また、色シュミレーターのアプリは、子どもたちみんなのタブレットにも入れてもらっているので、ぜひ使ってみてください。もちろんご自身の携帯でも簡単につかうことができます。お家でもお子さんと一緒に使ってみてもらえるととっても嬉しいです。

 

色のシュミレータURL:https://asada.website/cvsimulator/j/

色のシュミレーターアプリ

 下記は、北海道カラーユニバーサルデザイン機構という色覚の人でも暮らしやすい世界を目指して活動されている団体のリンクです。ご興味を持たれた方はのぞいてみてください。

 北海道以外の地域においても、もちろん大阪府でもカラーユニバーサルの取り組みが進められています。

URL:https://www.color.or.jp

 CUDのマークは、色覚の個人差を問わずできるだけ多くの方に見やすいようカラーユニバーサルデザインに配慮して作られていると、NPO法人CUDOまたは北海道CUDO(※)によって認定された施設・製品に対してのみ発行・表示されるマークです。

大阪府のユニバーサルデザイン推進指針については、こちらをご覧ください。

URL:https://www.pref.osaka.lg.jp/fukushisomu/oosaka_ud/index.html

2. 余談コーナー「我が家のちょっと笑えるほっこりエピソード」

エピソード1:桃太郎の歌を覚えた長男2歳の巻

 

 桃太郎の絵本や歌絵本を通して、桃太郎の歌を覚えた長男。早速歌ってるな〜と思ってよくよく聞いてみると。。。

 

 「モモタロ、モモタロ、ちょっとつ〜めて〜♪」って、お弁当につめてもうてるやないかーい!とついついツッコミたくなりましたとさ。

 

 せめて、きび団子ぐらいにしてほしかったですね、詰めるにしても。

 

エピソード2:3歳の誕生日が待ちきれない長男

 

 誕生日プレゼントを早く手に入れたくて(当時は動物マニアだったのでトラのフィギュア)、「誕生日まだー?」と毎日聞いてくる日々。

 

 いよいよあと1週間を切った頃からは、寝る前にも同じ質問を重ねてくるので、「あと6回寝たら誕生日だよ!楽しみだねー!」と言ったところ、

 

 「もう今日6回寝るわ!」って。

 

 いやいや、そうゆうの無理なんですよーすみませんが。

 

 そして、そんな動物マニアだった当初、父親と公園に行った後、「お友達誰かいたー?」と聞いたら、

 

 「うん、一頭だけいたよ。」って、おーい!そっち先覚えたのね!となりました。


 毎日大変な子育ても、振り返るとなんだかじんわりあったまることもありますよね。そんなささやかなほっこりエピソードを書き留めておけば、ふと思い出して振り返った時に、ささやかな幸せを2度も3度も味わえるのでオススメです。