コラム②素敵な心温まる学級文庫のご紹介

~生きづらさを感じる子どもたち、そして、

生きづらさを感じたことのある大人にも伝えたい大切なこと~

1.大人も子どもも、「自分らしく生きること」

 さて、皆さんは、生きづらさを感じたことはありませんか?


 私(ふくちゃん)はあります。男兄弟の中で育ったせいか、女の子たちから、一緒に行動することを強要されたり、同じ遊びをするよう強く誘われることに違和感を感じていました。他にも、日本での常識に縛られることに生きづらさを覚えたことがたくさんあります。


 クラスのルール、学校のルール、    社会のルール。。。いろいろありますよね。


 日本では、「和をもって貴しとなす」ということわざにもあるように、「何事をやるにも、みんなが仲良くやり、いさかいを起こさないのが良い」とされ、協調性が重んじられ、社会性を養い、ルールを守って行動することが求められます。


 もちろん、ルールは大切です。特にまだ自律心を持って行動することが未熟な子どもたちにとっては、意図せず相手を傷つけてしまうことが多いため、相手の立場に立って物事を考えることができるよう教えてあげる必要があると思います。


 ただ、そうした社会で当たり前とされるルール以外にも、大切なことがあります。そんなことに気づかせてくれる絵本を、学級文庫として各クラスに置かせていただいています。


 大人なら自分にとっての常識や固定概念をちょっと横に置いて、読んでみてほしい絵本の一つです。セクシャルマイノリティの方が書かれた絵本ですが、決してそうした視点だけでなく、誰もが自分らしく生きていけるようにという思いが込められていることがわかると思います。

ippoさんのじぶんをいきるためのるーる。』解放出版社、2015年)です。

以下、簡単な内容のご紹介。

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世間が求める自分を演じ続けた日々。

過去、生きづらくて苦しんだ自分に。

今、悩んでいる子どもたちに。仲間に。

自分らしく生きるための、大切な6つのルールを伝えたい。

小学校低学年~大人まで

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 作者であるippoさんこと、にじいろi-Ru (アイル)さんのHPの載せておきますので、ご興味のわいた方はぜひ覗いてみてください。

URL:https://nijiiroi-ru.jimdofree.com


 そのほか、セクシャルマイノリティについての法務省のHPの資料もご参考になるかと思いますので、興味のある方はご覧ください。

URL:https://www.moj.go.jp/JINKEN/LGBT/index.html

 もう一つ、学級文庫として、各クラスに置いていただいている絵本についてご紹介します。


「うちに帰りたくないときによむ本」

 監修:川崎 二三彦  絵:北原 明日香

 

 私はこの絵本を読んでみて、子どもだけでなく、大人にも読んでみてほしいなと思いました。特に、子育てで辛い思いやしんどさを感じたことのある人に、ぜひ読んでみてほしいです。  

 親ならば、子どもを大切に思う気持ちはきっとある。でも、それを最優先できない経済的あるいは精神的、身体的な辛さを抱えている人は案外多いんじゃないだろうかと思います。


 私自身、新型コロナウイルスの感染が初めて拡大して緊急事態宣言が出た時、まだ育児休業中だったため、家庭保育要請がかかりました。3人の子どもと対峙する毎日が続き、本当に苦しい思いをしました。

 そして、そんな自分の苦しさから、ついつい子どもたちにきつく当たってしまい、自己嫌悪に陥ることが増え、悪循環に陥ったことがあります。

 そんな経験はきっとたくさんの方が今もなお、抱えているのではないかと思います。

そんな時にこそ、親も自分で抱え込まず、頼っていいんだよ、相談していいんだよとお伝えしたいです。

 

 子育ての経験をしてから親になる人なんて、ほとんどいません。赤ちゃんを抱っこしたことはあったとしても、まさか夜中まで起きて授乳したりミルクを作ったり、オムツ交換をしたり寝かしつける経験をしてきた人はいないでしょう。


 そんな未経験の子育て、分からないことだらけの不安だらけの子育てをしてきた人もいると思います。そんな大変さや辛さを理解してくれる人、サポートしてくれる人、相談できる人がいなかった人は、きっともっと辛い思いを重ねてきたことと思います。

 本校には、毎週木曜日と金曜日にSSW(スクールソーシャルワーカー)の先生、毎週木曜日にSC(スクールカウンセラー)の先生が来ています。

 SCのカウンセリングは子どもだけでなく、子どもに関する困りごとや悩みごとについて、保護者とも一緒に考えていけるものです。「友達と上手くいっていないかもしれない。」「学校に行きにくく感じているように思える。」「眠れていないかもしれない。」「食欲が落ちていて心配。」「なんだか頻繁にトイレ行っている。」「幼い頃のようにべったり甘えるようになっている。」などなど、気になることを何でも話せます。

 SSWというのは、教職員や関係機関と連携しながら子どもたちが生活の中で抱えているいろいろな問題の解決を図る福祉の専門職です。

 たとえば、不登校を改善するために、家庭内の環境を調整する相談、子どもたちが通学しやすいような学級の整備のお手伝い、地域の支援の活用(地域の子ども食堂の利用推進や居場所支援)なども行います。


 このように、SSWは、学校、家庭、地域で暮らしやすい生活の支援や福祉制度の活用などを通し、子どもたちの支援を行っています。そして、子どもたちの生活基盤となる家庭の困りごとについても、一緒に考え、必要があれば福祉サービスや適切な相談先に繋いでくれます。


 辛い思いを抱えている保護者の方、どうか一人で抱え込まず、背負いすぎないでください。きっと一緒に考えれば、何か良いアイデアや方法が見つかるはずです。

 最後に、最近受講した講演の中で、印象的だった方である辻 由起子さんをご紹介したいと思います。辻さんは、大阪府こども家庭サポーターとして、全ての人が子育てを楽しめる社会を目指して活動されています。


辻さんのHPのURL:https://tsuji-yukiko.jimdofree.com/プロフィール/


 辻さんが副理事長を務めるママふぁん関西の方々が尽力されて作ってらっしゃる冊子もご紹介したいと思います。


ママふぁん関西のURL:https://mamafunkansai.jimdofree.com/ 

 次に、冊子の一部を抜粋して載せています。全部のページをご覧になりたい方は次のトラブルを防ぐ!ハッピーを増やす!「こころ」と「からだ」のしあわせブックの表紙をクリックしてください。

しあわせブック改訂版_202105.pdf

2. 余談コーナー「学校が面白くない」という長男・1年生、4月の巻

 まだ学校が始まって1ヶ月も経っていないというのに、「学校面白くない!勉強面白くない!宿題もいや!つまんない!」と不満炸裂の長男。


 どうやら、1年生みんなで足並み揃えましょうという流れで、学習一つ一つのステップごとに分からない子の対応をしている間の待ち時間が長いこと、ひらがなばっかり書かされること、宿題もいつも同じパターンでひたすらにひらがな練習か数字練習、という毎日が嫌になったようです。


 親からすると、そりゃあ1年生なんだから、ひらがなからやるのが普通なんだろうけどなぁと思いつつも、保育園ではたまたま入れたところがモンテッソーリ教育の環境だったため、自分で好きなお仕事(遊びのようなものですが)を選んで、各自自由に取り組むスタイルだったため、興味のないことをひたすらにやらなけばならないことが苦痛なのは分かる気もする。


 うむむと悩んだ結果、「もういっそ、ひらがながめーっちゃ綺麗に書けるように極めてみたら?それかぁ〜、待ち時間に、習ったひらがなで思いつく動物や虫の名前を頭の中で挙げまくるとかどう?そのまましりとりしちゃうとか!」という、なんとも気の抜けたアドバイスをしてみた私です。。。みなさんは、お子さんからのこんな質問にどう答えていらっしゃるのでしょうか?


 別府小では、どんな子にとっても楽しめる工夫を先生方が日々本当に尽力されているので、このような思いすら不要かもしれませんが、多種多様な感じ方、考え方の子どもがいるのが当たり前なので、別府小のみんなも、学校のどんな授業も自分なりに楽しめる工夫ができる子になれたらいいなぁ、と思うふくちゃんでした。