パージは防具のない頭を中心になんどもソードブレイカーの尖りを振り下ろす。皮膚を割き、目玉が抉られ、どんどんと面影が消えていくシドにさらに力を強める。
「(痛みがもうない、死んだのか?いや、だがまだ考えられる)」
顔が熱く、燃えているような感覚はあるものの痛みも分からなくなっている状態は、せめてもの救いだったのかもしれない。
そして先程から止まない海に漂うような感覚。
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きっと人間は、彼は、自分よりもさらに複雑に入り組んだ感情を持ち、それに耐えられなくなったのだろうと合点がいく。
そのまま、自身も海に沈んでいく感覚に身を任せ意識を手放した。