「借りるよ」
カクマルは自身の腹にその向けられた刃を差し込む。体重をかけてどんどん腹の中へ。
彼を護れなかった。なら、せめて武士の誇りを持って華々しく、格好よく散ろうではないか!
「ハラキリは介錯も必要なんだけどね〜さすがに望めなさそうだわな」
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ユエが泣き出しそうになっていると、カクマルの長い髪が宙を舞う。カッターナイフにかかっていた重みが今度は下に向かう。
奇しくも、彼女が望んだ“切腹”を果たす結果となった。