2024年、最高気温がセ氏35度を超える「猛暑日」の連続日数がついに1か月を超えた。40度を超える「酷暑日」も2024年7月末現在で76回。8月19日現在まだ8月の記録はまとまっていないようじゃが、最高気温が歴代最高の41.1℃(浜松市・熊谷市)を超えるのも時間の問題ではないかな。
熱中症の緊急搬送も後を絶たない。統計を見ると驚くが、場所は「住居」が4割を占め、死者も出ている。よく「室内でも熱中症になることがあります」みたいなことをラジオでも聞くが、そんなもんじゃない。「室内が一番危ないです。用事はなくても近所の涼しい施設に避難してください」くらい言ってもいいほどじゃ。特に高齢者の搬送が6割を占める。電気代が高くてエアコンをつけられないというケースも多いと聞くが、暑くならないうちに逃げ込めるような場所がないか、そういう場所を作れないものか、探究してみるのもよいのではないかな。
以前医療用アプリの話でも書いたが、「室内でできる工夫」を考えて「呼びかける」だけでは意味がない。「呼びかけを聞かない、呼びかけても動いてくれない人」を「どう動かすか」を考えることが大事じゃぞ。
気象庁の気温一覧を2024年8月19日現在で見ると、過去30日で「平均気温が前年度を下回った」場所は、日本の最北端、宗谷地方の宗谷岬・礼文・声問だけで、あとは全ての地域で前年度より上昇しておる。2023年に年平均で1.29℃上昇したのが歴代群を抜いて1位だと述べたが、この夏の期間、特に太平洋側のほとんど全ての観測地点で前年度比2℃以上上昇しているというのだから大変なものじゃ。場所によっては3℃以上、3.8℃上昇した地点もある。
何度も言うが、CO2がこの2年で爆発的に増えたなどということはあり得ない、というのは「二酸化炭素」の時に言ったとおりじゃ。個人的な意見で確証はないが、熱中症対策でエアコンの使用が推奨されていることは無関係ではないのではないかな、と思っておる。エアコンがCO2を出しているということではない。エアコンは室内と室外で「熱の交換」をするための機械じゃ。暑い割には暑い思いをしていない、そのせいでそれ以外の場所がさらに暑くなっているのではないかな?
というか、もはや専門家と大企業以外「温暖化の原因」を探って何か対策をすることは意味がないのかもしれない。もう気温が下がることはないのかもしれない。「あつはなつい」という前提で過ごせるように、私たちが体を順応させていく方法を探らなければならないのではないだろうか。
むしろ、無理のない範囲で自分たちが「暑い場所に慣れる」方法はないものかの。以前、探究学習で「のどの渇きを緩和するために飴をなめて唾液でのどを潤せるか」みたいな探究をしているグループもあった。筋トレすると熱中症に強くなるという説もある。ある程度エアコンなどで室温の調整をしつつ、暑さに強い体を作ることも必要ではないかな。
ちなみに、雑草を育てるという試みを始めたところじゃ。緑は心を落ち着かせてくれる。猛暑でも健気に育つ草を見ていると励まされるよ。
二酸化炭素の回でも言ったが、猛暑だと日照り…ではない。意外と大雨が多くなるものじゃ。
例年西日本が大雨に見舞われることが多いが、2023~2024年にかけて、北東北地方が大雨の被害を受けている。2023年は秋田県が大雨の被害を受けたが、最近も特に岩手県と秋田県がひどく、2024年8月19日現在、過去30日間で降雨量が前年比の2倍を超える地点がたくさんある。特に台風5号の被害に見舞われた過去10日間で見ると、岩手県の下戸鎖で前年比約10倍の降雨量を記録し、5倍や6倍の地点もざらにある。ちなみに西日本ではこの10日間まるで雨が降っていないのが意外じゃが。
関東地方も台風7号の影響で大雨が降った。地震もあったし、猛暑に台風となにかと大変なお盆だったのではないかな。
大雨や大雪のような気象災害のときに、いかに身を守るか、というのも大切な探究課題じゃ。地震も最近多いから津波への備えも改めて大事じゃな。
ハザードマップを作ってみるのもよい。じゃが、何度も言うように、「呼びかけても耳を傾けてくれない人」をどうやって守っていくかということを考えるのが実は大事なのじゃ。「何かあったら自分たちがここに逃げる!」というハザードマップだけではなく、「助けを必要とする人」がどこにいるか、そしてそういう人たちを誰が、どこに、どのように連れて行ったらいいかという「共助マップ」を作ってみるのはどうじゃろうかな。
日本は昔から地震や台風の被害が多いが、「気象バグ」によりいよいよ「災害大国」の様相が極まってきたように思う。探究学習で頑丈な建築物を作るわけにはいくまいが、「人とのつながり」「人同士のかかわり」を探究して構築することで、高校生としての「まちづくり」をしていくことは十分可能じゃと思う。意外と大学の研究では着目しきれていないこともあると思うので、一度取り組んでみてはいかがかな。