(実施)秋期 A2『源氏物語』全巻を読む -「宿木」- 浮舟の登場~薫の執拗な接近に困惑する中の君、異母妹の存在を打ち明ける~


【講座目標】

『源氏物語』の原文を音読し、丁寧に味読することで、そのおもしろさや楽しさを実感するとともに、作者紫式部の深い思索に耳を傾けます。

【講座趣旨】

  「宿木」という巻名には、自分一人の力では生きてゆくことができない中の君のはかない女のさだめが込められています。匂宮の妻として二条院に引き取られたとはいえ、その匂宮は、堂々たる右大臣家の姫君の婿となり、懐妊している中の君の将来には暗雲が漂 います。そういう中の君に、薫の未練は尋常ならざるものへと変貌し、中の君は、さらなる危機的な状況に直面することになったのです。中の君は、大い君の面影を求め続ける薫に、その情熱を逸らすべく異母妹の存在を告げました。この女君こそ、『源氏物語』最後のヒロインである「浮舟」でありました。物語は、ついに、「宇治十帖」後半のハイライトを迎えます。作者紫式部のメッセージ性のより高い世界に、ついに私どもも足を踏み入れる時が来たのです。 前回を承けて、テキストの215ページから開始しますが、初めて参加される方にも対応します。基本的にテキストに基づきつつ読解しますが、講師作成の「原文・随訳」のプリント資料も配布いたします。

【講座期間】

第1回 10月19日(月)  

第2回 10月26日(月)

第3回 11月 9 日(月)

第4回 11月16日(月)

第5回 11月30日(月)

第6回 12月 7 日(月)

第7回 12月14日(月)

第8回 12月21日(月)

【受講者からの感想】

・物語の背景、周辺のことも含めて教えていただき、大変興味深い内容でした.
・コロナ禍でも対面式の講義を開催して下さり、感謝しております。先生のお話で、ただ現代語訳を読んでいるだけでは分からなかった、細部まで理解が出来るようになりました。講義中先生が投げかける様々な問いかけであれこれ考えるきっかけを頂き、脳ミソの活性化にもなり刺激にもなりました。
・前の週の講座の内容をその都度説明があり、複雑な源氏も楽しく学べました。ありがとうございました。

【講座の様子】