随時,研究室の学生を募集しています.少しでも興味があれば,下記までご連絡ください.また研究に関係なくても,単に雑談しに来るだけでも結構です.研究室訪問は飛び込みでも構いませんが,不在だったり,別件が入っている場合もありますので,事前に連絡していただいたほうが確実です.
研究室への配属は3年生後期からですが,1,2年生の人でもどんどん相談に来てください.相談に来たからと言って,研究室に入らなければいけないということはありません.むしろ,私に限らず,分野や研究室の希望調査前にいろんな先生と話してもらいたいと思います.
もちろん大学院入学,社会人入学の方も大歓迎です.大学院から所属すると,研究計画の立ち上げや研究室に慣れるまでの時間が必要となる場合が多く,学部3年後期から所属している学生に比べて研究スケジュールが過密になる傾向にあります.このような時間をできるだけ短縮するためにも,大学院入学を検討される方は是非早いうちにご相談ください.
また,他研究室,他大学に所属のまま共同研究者として指導することにもできる範囲で対応します.当然ですが,所属先の指導教員の了承は必ず取ってください.その了承が得られていれば,当方としては前向きに検討したいと思っています.
谷口智之
九州大学伊都キャンパスウエスト5号館880
電話 092-802-4611
メール:taniguchi at bpes.kyushu-u.ac.jp (atを@に変えてください)
実施中の研究テーマは本HPの「研究課題」で確認してください.研究テーマはこちらから提案することもできますし,本人がやりたいことがあれば可能な範囲で対応します(研究室の財政と相談の上).農業,農村の水に関する研究であれば,ある程度は対応できると思います.また,私が対応できないような課題であっても,関係する先生や研究者を紹介することも可能ですので,諦めずに質問に来てください.
なお,まだ開始していない構想段階の研究もありますが,これらはHP上に掲載していません.直接相談いただければ,これらの情報についてもご紹介します.
海外を対象とする研究について
私が指導する学生については,基本的に卒業研究で海外を対象とする研究は認めていません.海外での研究は頻繁に現地に行けないという研究自体の難しさに加えて,言語や文化の違いもあり,経験を積んだ研究者でもなかなか良い結果が得られないものです.海外で研究したとき,私たちが相手国に貢献できることは,
①現場で起きている問題の本質を見つけ出す力
②高度な専門知識と正確な観測技術
③結果を分析し,対策を提案する力
だと考えています.これらの技術や能力がない状態で海外に行っても,相手国に対して何も貢献できませんし,学生本人にとっても,ただの「海外旅行」になってしまいかねません.
海外で活躍したいという意欲は大いに買いますが,当研究室で必ず身につけてもらいたい技術や知識を修得し,その後(大学院や就職後)に海外で活躍してもらいたいと考えています.
「数学と物理は必要?」という質問に対して
研究室説明会などで「数学,物理ができないと駄目ですか?」とよく聞かれます.結論から言うと,「駄目ではないけど,数学や物理の発想(論理性)がないと面白みは半減する」と思います.例えば,観測機器は年々進化し続けているので,水理学を理解していなくても機械の取扱説明書に従って流量を観測できるようになってきました(良いことなのか,悪いことなのか,微妙ですが).しかし,何かの理由でその観測結果がおかしい場合,観測機器が解析・処理をすべてやってしまうので,問題に気付きにくくなっているとも言えます(言い方は悪いですが,機器に「使われている」感がいっぱいです).そのため,データを評価,分析する力は以前よりも必要になっています.この「評価,分析する力」というのが,まさに数学,物理で培われる能力です.
また,私の研究では複雑な数式を扱うことはあまりありません(「まったく無い」とは言いませんが).しかし,数式を使わなくても論理的に物事を考える力は必須です.例えば,実験室では条件をすべて管理できるため,検討する因子だけを変化させ,実験を繰り返すという研究手法(対照実験)が可能です.このような研究は作業量は膨大ですが,結果の分析は比較的シンプルです.
一方,現地観測では実験条件をこちらで管理することはほとんど不可能ですし,観測できない因子がたくさんあります.さらに,現地では何度も観測を繰り返すことはできない(同じ現象は2度と起こらない)ため,1回の観測でできるかぎり正確,かつ,効率的に観測することが求められます.このような研究では,観測する因子を絞り込むこと,また,観測しない(できない)因子は観測可能な因子で推定・推察することが必要であり,因子間の関係を論理的に整理する能力が不可欠です.
最後に,研究では「観察力」「想像力」「粘り強さ」が大変重要です.「観察力」や「想像力」は物理,「粘り強さ」は数学を通して身につく力ですので,諦めずに数学と物理は勉強してもらいたいと思います.実験科目はこれらの能力を総動員する教科ですので,是非,積極的に取り組んでください.レポート作成等の労力の割に単位が少ないという学生からの意見には賛同しますが,得られるものは講義科目よりも多いと思います.