20210118 研究室と大学入学共通テストの新型コロナウイルスの感染防止対応について

 当研究室では,新型コロナウイルスの感染防止対策を徹底しています.所属学生の研究テーマは,数名が実験や研究室のPCでないと解析できない数値解析のためにどうしても学内で作業しなくてはなりませんが,それ以外の多くの学生はフィールドワークや自分のコンピューターで解析です.そのため,仮に感染が拡大して大学への入構が制限されたとしても,比較的影響(被害)は小さい研究分野です.しかし,そうであるからこそなおさら,学内でしか研究できない実験系や栽培系の研究室には絶対に迷惑をかけないという意識で徹底した対応をとっています.

 過去の研究室のSlackをみると,以下のように対応していたようです.国内初の感染者(神奈川県)が公表されたのが1月16日なので早い対応だと思います.また,近冬の感染者数の増加に対しても,研究室として早めの対応をとりました.

2020年

1月28日 ゼミを中止.学生の自宅作業を推奨.以降の打ち合わせは基本的にSlack.

~2月20日 卒論発表会の練習のため,何度か対面でゼミを実施)

2月20日 研究室への入室を制限(学生間で入室時間を調整し,対面を避ける)

3月末 研究室を閉鎖(特別な事情がない限り,研究室への入室を禁止)

4月6日 Zoomでゼミ再開

4月7日 緊急事態宣言)

5月18日 緊急事態制限解除)

緊急事態制限解除後 研究室への入室制限(学生間で入室時間を調整し,対面を避ける)を継続

(全国的に感染者数が増加)

11月19~30日 研究室を閉鎖(特別な事情がない限り,研究室への入室を禁止)

12月~現在 論文生のみ研究室での作業を許可(学生間で入室時間を調整し,対面を避ける)

 SlackやZoomで打ち合わせやゼミができるとはいえ,研究室の学生には精神的・肉体的に非常に大きな負担をかけています.それでもこのような対応をとっているのは,前述のとおり,比較的学外でも作業しやすい研究テーマであることに加えて,「他の研究室や同じ研究室のメンバーに絶対に迷惑をかけない」という認識を研究室全体で共有しているからです.ちなみに,こののような制約を受けるなかで,所属学生が学術雑誌に論文等をしっかり発表してくれたことはちょっとした自慢です.

 このように約1年間,感染防止を徹底してきた私ですが,先日の大学入試共通テストの監督補助で気になる点がいくつかありました.もし来年度も担当が回ってきた場合に備え,改善を要望する点を書き留めておこうと思います(あくまでも私の担当教室のことなので,他の試験会場がどうであったかはわかりません).

1.(おそらく事情があるのだと思うが)休憩時間に教室の廊下側の窓だけを開けて「換気」していたが,空気が流れなければ換気にならない.是非「流体力学」を勉強して,適切な換気を行ってもらいたい.

2.試験時間中は無言とはいえ,最大2時間近くも扉と窓を閉めた状態で試験を行うのはリスクが高いのではないか.逆に試験時間中はすべての試験会場で静穏な環境が維持されているのだから,それこそ廊下側の窓を開けても問題ないと思うけど.

3.リスニングの機器本体とイヤホンを監督員が素手で回収するのは,いくらなんでも...機器本体を回収するのは仕方がないとして,せめて受験生本人に回収箱に入れてもらえば良いのではないか.あと,受験生が長時間装着したイヤホンをわざわざ回収する意味がわからない.持ち帰らせましょうよ.

 来年の今頃はこんなことを心配しないような状況に落ち着いていれば一番良いのですが...そして何より,オンライン受験システムの導入を切に願いします.日本のすべての最高学府の教育・研究が毎年2日間(1年間の0.5%)も停止するのは本気で笑えません.

とにもかくにも,受験生の皆さん,監督員の先生方をはじめ関係者の皆さん,本当にお疲れ様でした.