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農業(特に水田)の「水」に関わる様々な研究を実施しています.

「水」は農業生産に欠かせない重要な要素の一つです.
また,農業用水は生活用水や工業用水よりも使用水量が多いため,
その管理が河川流量や河川環境に大きな影響を与えます.
そこで,農業用水の管理・利用・調整などの観点から,
水資源の有効利用を検討することを通して,持続可能な水利用のあり方を検討しています.

また,今後,日本では,食料生産ならびに環境保全の観点から,
農地や農村環境の維持・管理がますます重要になると予想されます.
しかし,その一方で,農家の高齢化や農産物価格の低下,
その結果生じる農家人口の減少によって,耕作放棄地が増加し,
農村環境の維持管理が困難になっているという現状があります.
農地・農村が果たしている役割を明らかにし,さらに,その効果を積極的に発揮させることで,
農地・農村環境の持続的な発展に貢献したいと考えています.


主な手法は,水位計や流速計等を用いた現地観測です.
また,農家や土地改良区,行政機関への聞き取り調査も頻繁に行います.
必要に応じて数値シミュレーションやGIS解析などの手法も用いていますが,
研究のネタや課題は「現場から拾ってくる」というのが基本的なスタンスです.
このようにして得られた観測結果をもとに,農村地域内での水管理や水配分の実態を把握します.
研究内容によっては,対象を流域まで広げて,流域水循環の将来予測を行ったりもします.

前職の筑波大学では,茨城県,栃木県,香川県,エジプトなどを対象に研究を行ってきました.
2015年10月から九州大学大学院農学研究院に着任し,現在は新たな研究サイトを探しております.
もし私で力になれそうな面白い研究のネタがございましたら,是非お声かけください.




      水位計の設置                 香川県のため池(三郎池)        エジプトの水田地域(2014年度までの対象地)



農業の水利用・水管理の実態把握とそのモデル化
近年,人口増加、それに伴う食糧増産、さらには気候変動の影響も加わり、水資源の評価とその有効利用が国際的な課題となっています。
水循環モデルは、それらを実現するための有効な手段の一つと期待されており、世界各地で様々なモデルが開発されています。
しかし、最大の水利用者である農業、特に水田水利用を考慮したモデルはまだまだ少ない状況です。水田水利用は「用水を水田内に貯める」、
「貯まった水の一部は排水路を通って,河川に戻る」、「河川に戻った水はさらに下流で再利用される」といった畑地灌漑とは異なる特徴があります。
水稲を主要作物とする国や地域における水資源を正確に評価・予測するためには、水田地帯における取水、湛水、排水、還元,排水再利用を統一的に
考慮した水循環モデルが必要です。しかしその一方で、水田水管理には国や流域による利用可能水量の差、流域上下流による用水確保の有利・不利、
水利権等に基づく取水可能量の制限、用水条件や用水施設に伴う農家行動の違いなど,様々な要因が相互に影響しているため、すべてを統一的なモデルで
表現することは現実的には不可能です。 

 そこで、現地での詳細な観測が重要となります。現地観測を行い、各地域の水利用・水管理の実態を明らかにすることによって、

①国や地域によらず統一的にモデル化できる要因と地域特性が強い要因を明らかにし、②さらに、地位特性が強い要因の中で、将来の水循環予測に

決定的に影響しうる要因と考慮しなくても予測結果に大きな影響を及ぼさない要因を判別したいと考えています。これらを明らかにすることで、

水田地帯を含む流域に対して適用可能な水循環モデルを開発できるとともに、モデルでは再現できない要因の影響(現実の値と予測値の差)を

逆説的に示すことができます。また、モデル化できない要因については、他の手法で評価しなくてはいけません。その観測方法と評価方法を

合わせて検討することによって、水田地帯を含む世界各地の流域に適用可能な水循環予測手法の構築を目指しています。