Post date: Oct 29, 2011 8:41:49 PM
文部科学省が来年から修士論文を書かずに、修士となるコースを始めることを決めた。博士課程に進むことが前提であるが、これまでのような徒弟制度による博士ではなく、より幅の広い人材が博士に入り、様々な社会のセグメントに活用されることを期待した措置らしい。
企業にとって博士とは研究しかできない人材ですこぶる使いにくいらしい。
文科省が、人材育成を頑張った結果、このような行き場のないポスドクが、大学を中心として大量に溜まっている。大学とて、研究予算がこれから伸びないとするとこの人材を抱えられなくなってくる。
そのため、つぶしのきく博士の育成が求められるわけだが、これも本末転倒。せっかくの高度専門家をもっと活かせるような社会が求められる。
もう一つ考えられるのは、博士にいかない修士の質の低下。 今のように研究一辺倒で評価されるシステムでは、研究に役に立たない修士の教育には、教官のインセンティブが働かないだろう。大学院重点化で起こったことは、残念ながら学部教育軽視である。それが、修士でも起こる可能性がある。