このページは騒音公害の訴訟2の続きです。
西鉄サンカルナ福岡城南の騒音公害は国の公害等調整委員会で健康被害原因裁定嘱託事件として扱われることになりました。
驕れる地方の悪徳企業に正義の鉄槌が下ることを期待します。
公害等調整委員会のは非公開らしいのですが、資料はすべて被告により裁判所に証拠として提出されましたので、公開します。
2017年12月14日 健康被害の証拠提出
健康診断で心臓に異常があったので福岡大学病院で見てもらっていたのですが、パセドウ病と診断されました。
若い女性に多い病気で、私のような高齢の男性が患うのは珍しく、ちょっと前なら学会報告ものだそうです、
ストレスや過労によって発症するそうなので診断書を添えて裁判所に健康被害の証として提出しました。
西鉄サンカルナのエアコンの騒音は、今年の冬も容赦ない酷さで、自宅の外に居るとみるみる気分が悪くなるので庭の落ち葉も放置状態です。自宅2階の自室でも低周波音は容赦なく、しばらく居ると気分が悪くなり1階東側奥の居間に避難しています。
パセドウ病の薬を貰い、当分2週間毎に通院することになりましたが、こんな状態で良くなることやら。
裁判所に提出した原告準備書面(4)、原告証拠説明書(5)
2018年2月5日 健康被害の証拠提出2
裁判所から連絡が有り、公害調停委員会から西鉄サンカルナの騒音公害が始まったころの健康被害の証拠を出すように言われたので、当時、心臓痛で診察してもらった循環器科医院にお願いして診療明細を出してもらい提出しました。頭痛や吐き気の証拠も無いかと聞かれたのですが、サンカルナの騒音が原因で、そこを離れれば治るので病気とは考えず受診しておらず、診療記録はありません。
2018年3月2日 原因裁嘱託の通知
公害等調整委員会から、福岡地裁からの原因裁定嘱託を受け付けたとの連絡がありました。
公調委平成30年(ゲ)第1号
福岡市におけるマンション屋外機からの騒音による健康被害原因裁定嘱託事件
福岡地裁からの嘱託書も添えてありました。嘱託事項は、前回の弁論時に裁判官から説明されていた内容でした。
その他、書面の作り方の案内書や業務案内のパンフレットも入っていました。
とりあえず、今すぐ何か提出する必要は無さそうです。
2018年3月30日 専門委員任命通知
公害等調整委員会から、早稲田大学の倉片憲治教授を専門委員に任命すると連絡がありました。
これから暖かくなって西鉄サンカルナの空調の騒音が減ることを期待していますが、ここの職員は開き直った様で、以前は停止していた深夜も平気で運転しています。変圧器も経年劣化のためか唸り音が大きくなっていますが放置されています。私は実家に避難して寝ているので良いのですが、家族は自宅で寝ているので私の様に病気にならないか心配です。
2018年4月2日 公調委からの求釈明
公害等調整委員会の事務局から図面などの資料の提出を求められましたので回答しました。
2018年5月23日 現地調査の予告
公害等調整委員会の事務局の方から連絡があり、7月2日に現地に来るので空けとくように電話がありました。
詳しいことは追って連絡するそうです。
2018年7月2日 現地調査
公害等調整委員会の現地調査がありました。
専門委員の先生や、事務局の方など大勢で、現場の撮影や防音壁の高さの計測などをしてもらいました。
今回は、以前、裁判所から来ていただいた時には見ることができなかった場所にもは入ることができました。
騒音の正式な測定は今回は無しとのことでしたが、専門委員の先生は騒音計持参で測定していました。
今回も西鉄はエアコンの運転音が低くなるように調整していて、ほとんど空運転でした。
いつのことながら姑息な連中です。従業員は良心の呵責を感じていることと思います。
空調屋外機の現場を回った時もほとんど運転音はしていませんでした。
ただし、東側正面玄関前の屋外機だけはかなり大きな運転音がしていました。
我が家にも来ていただき、いろいろ話を聞いていただきました。
西鉄が空調の運転を低く調整しているのであまり騒音は聞こえておらず、この点を説明すると、
西鉄の代理人の弁護士は「これが通常です。いい加減なことを言わないでください」などと言っていました。
公害調整委員会の調査において、弁護士が虚偽の説明をすることは弁護士倫理的に問題ないのでしょうか?
空調の操作盤で調整すれば通常の大きな運転音にすることは簡単であり、
警察もそうして調べていたことも説明しました。
裁判所に来ていただいた時は、裁判所の事務官に操作盤の前で監視して頂いたことも説明しました。
公の場で、簡単にバレる嘘をつくというのは、正常な思考では無いと思うのですが
最近のニュースではそんな話ばかりで、世界からの嘲笑に恥ずかしい限りです。
2018年8月13日 現地調査報告書
公害等調整委員会から、先日の現地調査の事実調査報告書が送られてきました。
内容について特段の意見がある場合には意見書を出す様に書いてありました。
原告(私)の説明として記載されている内容に誤解があったり、現地の状態の説明に補足しておいたほうが良さそうな点がありましたので、上申書を送りました。
また、現地調査時に西鉄側の掘田弁護士が前述の虚偽の説明をしていたので、現地で騒音測定を行う際には、裁判所に提出した空調の設定に関する原告上申書や被告報告書を考慮した空調設定および、監視員の配置のお願いを記載しました。
2018年9月14日 騒音測定の仕様書
公害等調整委員会から、職権調査に関する説明資料が送られてきました。
騒音測定の詳細な仕様書案も添付されていました。
1月中旬に、午後6時から夕刻から翌日午前10時まで行うそうです。仕様書案は10ページもある詳細なもので、低周波もしっかり測定して頂ける様で、測定時の天候についても、強風や雨天の場合は延期するとされていました。
今回も特段の意見がある場合には、意見書を出すように書いてありましたが、特に意見は無かったので、出しませんでした。
2018年12月11日 騒音測定の下見
公害等調整委員会から職権調査の下見に来ました。今回も大勢で、委員・職員の皆さんと測定を行う業者さん(日立系らしい)と西鉄側の掘田弁護士が自宅来て、測定場所を決め、手順を説明してくれました。測定場所は、私が動画を撮影しているのと同じ玄関前と、自室(二階西側)です。私からは、先日、測定時の空調設定のリマインダーとして、上申書に書いた、裁判所に提出した空調の設定に関する原告上申書と被告報告書のコピーを配りました。また、当日は西鉄サンカルナの空調の操作パネル前に監視員を置いていただくように再度お願いしました。
その後、皆さんは西鉄サンカルナの現地を見に行きましたが、私は呼ばなかったので同行しませんでした。これは失敗でした。私も同行して、打合せ内容を知るべきでした。被告側と公害等調整委員会が原告抜きで打合せしているのは不自然であり、怪しいです。
2019年1月8日 騒音測定の連絡
公害等調整委員会から職権調査(騒音・低周波音測定及び分析調査)に関する連絡が来ました。テレビや洗濯機など音のする家電は止めることになります。私は自室に居て体感調査として測定中に感じたことを記録することになっています。何人かは隣室で測定器の操作や私へのサポートをして頂ける様です。
2019年1月24日〜25日 騒音測定
2日間に渡って公害等調整委員会の職権調査(騒音・低周波音測定及び分析調査)が行われました。測定業者は実名を書くと差し障りがあると思いますので「測定業者」とだけしておきますが、さすが国からの発注だけあって大手のちゃんとした会社でした。
騒音計の測定場所は、いつも私が騒音測定をしている自宅玄関前の他、自宅2階の私の寝室(いまは実家で寝ているので物置状態)、西鉄サンカルナの敷地内など数カ所でした。測定は午後から始まり、翌日の午前中まで行われました。1日目はやや温かい日でしたが、2日目はしっかり冬らしく寒くなり気温も10℃を下回っていたので、ちゃんとした測定ができたと思いますが、やはり通常よりは運転音が静かだった様に思います。
夜と朝の2回、体感調査というのが行われ、自宅2階の寝室で公害調整委員会の方が立ち会う中で、私が不快度を「感じない」から「大いに感じる」までの4段階で1分毎に記録を取りながら、西鉄サンカルナ側の空調を入れたり切ったりしていました。これについては失敗がありました。後述の「2019年7月25日 専門委員の意見書に対する意見」の所に書いていますが、この失敗が後々裁判の行方に大きな影響を与えることになりました。
大人数で大規模に行われた調査だったので、測定業者の指揮者に「今回は、大規模な調査ですか?」と聞いたのですが、「普通です」との答えでした。寒い中、皆様ご苦労さまでした。
失敗したことがあります。家族かだれかにサンカルナ川の操作パネルの前に立ち会わせるべきでした。原告上申書の設定条件は守られておらず、西鉄は姑息にも風量などを低設定にしたらしく、騒音は概して通常より低いものでした。その事実は、測定の報告書で確認できました。
2019年4月15日 騒音測定の結果
公害等調整委員会の職権調査(騒音・低周波音測定及び分析調査)の調査報告書が届きました。委員による見解などは示されず、純粋に測定業者による報告書でした。説明や測定記録のデータが、実に370ページにびっしりと書かれた報告書です。
自宅玄関前での測定結果には、環境基準を超える騒音がしっかりと記録されていました。夜は基準の45デシベルを超える47デシベル。昼も環境基準の50デシベルを超える52デシベルを記録していました。測定業者による空調屋外機の運転状態や機毎の負荷電流なども記録されており、やはりかなり絞った運転をしていたことが判りますが、それでも環境基準を超えているので、とりあえず満足すべき成果だと思います。逆に、ごまかして運転を絞っても超えるのだから、通常はもっと酷いだろうということが判りますので良かったかもしれません。これまで西鉄が裁判所に提出した測定報告が嘘だったことがしっかり証明されました。寒い中、作業をしていただいた委員会や測定業者の皆様に感謝いたします。
低周波測定も行われており、レポートの説明とは見解が異なりますが、環境省が示す「心身に係る苦情に関する参照値」と比較しても、超えていることが確認できました。裁判に戻ったら低周波音による健康被害も訴状に加えることができるかもしれません。委員会から報告書に対する意見書を求められましたので、天賜の大連休にしっかり読み込んで意見書をまとめたいと思います。
2019年5月12日 騒音測定結果に対する意見書
公害等調整委員会の職権調査(騒音・低周波音測定及び分析調査)の調査報告書に対する意見書を郵送しました。西鉄の弁護士からも意見書が届きましたが「特段の意見はない」としていました。
騒音測定時に西鉄が空調の設定を作為的に抑制したいたことが判りました。次の通りです。
1.測定時の条件として全ての部屋の温度を25℃に設定したとの証は示されていない。
2.運転条件に大きく影響する風量設定については記載が無い。
3.部屋毎にON/OFFの設定も可能であるが、これについても記載が無い。
4.定格電流で稼働していた室外機は②(EHP-1-9)のみであり、他の室外機は概して低負荷もしくは全く稼働していなかったことが判る。
5.多くの室外機が停止している状況は不自然であり、被告が高い騒音値の測定を免れるために空調装置の運転を作為的に抑制していたことが判る。
それでも騒音の基準値は超えていました。
1.朝・夕・夜間の基準値45デシベルを超える49デシベルが持続的に記録されている。
2.昼間の基準値50デシベルを超える52デシベルが持続的に記録されている。
2019年5月20日 測定結果の訂正を受領
公害等調整委員会の職権調査(騒音・低周波音測定及び分析調査)の調査報告書の訂正資料が送られてきました。Z特性のグラフで、特に問題ありませんでしたので「特段の意見はない」と回答しました。西鉄の弁護士からも「特段の意見はない」との回答が届きました。
2019年6月25日 専門委員の意見書
専門委員の倉片教授の意見書が届きました。今回の職権調査だけではなく、過去の私の測定記録なども丹念に見て整理してありました。有り難いことです。職権調査時の体感調査についても、統計的に解析してありました。私が、自宅2階の寝室で西鉄サンカルナの騒音を感じていたことは証明された様です。また、西鉄が簡単な防音工事をする前までは、現在より大きな騒音が私の自宅に届いていたこと、これにより心理的な「構え」が形成され、ストレスになったとも述べられていました。
2019年7月25日 専門委員の意見書に対する意見
専門委員の倉片教授の意見書に対する意見を郵送しました。教授の意見書を参考に私も統計的な解析をしてみました。今回も、自分の意見を公開するのは自由なはずですので載せておきます。
今回の職権調査では体感調査というのが行われました。1分毎に不快度(不快と感じた度合いを(感じない)から(大いに感じる)の4段階で示す)や特記事項などを記録するのですが、何を記録するのか判らず、自動車の通過音などをこまめに記録していました。しかし、大事なのは、公害施設(西鉄サンカルナ)から聞こえる音による不快度と公害施設の運転状況を比較し、その関連性を検証するであり、その他は、測定スタッフも記録しているので、特に必要ないものでした。公害施設からのいつもの騒音のみに集中すべきです。また、体感測定の期間中は騒音元を止めたり動かしたりしているので、聞こえるか聞こえないか微妙なときは「感じない」にし、いつもの騒音が明確に聞こえる時だけ「感じる」にすべきでした。そうすれば、もっと良い相関が出たと思います。今後、同様の調査を受ける人は参考にしてください。
2019年8月2日 被告からの意見書
専門委員の倉片教授の意見書に対する西鉄の弁護士からの意見書が届きました。だいぶ形勢が悪くなって焦ったか、今回はいろいろ書いてきました。私の騒音測定の値を参考にした意見が気に入らないらしく、「削除するように求める」と書いてありました。また、騒音が環境基準を超えていたことも「顕著な騒音」ではないと開き直っています。更に、私のホームページの記事を証拠として「敵対心」から苦情を申し立てていると述べていました。そりゃまあい、これだけ酷いことされれば、敵対心もありますが、起訴したの理由は、快適で安全な住環境を取り戻ためです。原因裁定は科学的な調査に基づくのであり、情状など関係無いことも解っておらず、見苦しい限りです。
2019年10月15日 期日(弁論)
公害等調整委員会でのだた1度の期日(弁論)がありました。裁判と同じでこれまでの弁論の確認のみですぐに終わりました。裁定委員は3名で、元裁判官、弁護士、医師だそうです。しかし、医師からは何もなく、当然健康状態の問診の様なこともありませんでした。
2019年12月23日 裁定
裁定書が来ました。内容は不服なものでした。職権調査による騒音測定で、西鉄からの騒音が福岡市が定める騒音の規制基準を超えていることを認めながら、なんだかんだと理由を付けて、健康被害との関係を認めないとするものでした。確かに、診察もせずに健康被害との関連を認めることはできないでしょうし、嘱託された裁定の内容が健康被害の原因裁定なのでしかたないかもしれません。
2020年1月2日 裁定に対する不服申し立て
裁定書には誤りが多かったので、公害紛争処理法の下記により不服申し立てをしました。
(中央委員会等がした処分に対する不服申立てに関する経過措置)第十二条
(不服申立てに関する経過措置)第百六十一条
しかし、公害等調整委員会の事務局から、断りの電話があり、上記の経過措置は失効しているそうで、不服申し立てはできないそうです。公害等調整委員会のサイトの事例を見ても、原告側の訴えが認められることはほとんどなく、国民を公害から守るという役割は果たしていないと思いますが、多額の国費を費やして、被告が基準値を超える騒音を発生させていることは証明されたのですから良しとしたいと思います。