逆襲のシャア 両軍の戦力比

1988年の公開時に映画館で観た後も、TV放映やらVHSやらDVDやらBlu-rayやらAmazonPrimeやらで、何度観たかわからない逆襲のシャアですが、時は流れて令和元年、31年ぶりに再度映画館で鑑賞することとなりました。4DXで。正直期待外れでしたが・・・。

それにしても逆襲のシャア、名作ではありますが、突っ込みどころが非常に多く、観るたびに新しい発見があります。

機会があったら思いつく限り突っ込みまくりたいと思っているのですが、今回は、突っ込みどころのうちの一つ、ロンド・ベルとネオジオンの戦力比について考えたいと思います。

何となく映画を見ていると、ロンド・ベルが圧倒的に不利に見えるのですが、互角以上に戦っているので、おかしくないこれ?と常々思っておりました。今回、きっちり数字で考えたいと思います。

対象は、アクシズをめぐる攻防戦。5thルナ戦は除外。


    • 艦艇数


      • ネオ・ジオン

旗艦レウルーラが1艦なのはよいとして、問題はムサカの数。建造されたのは13艦、そのうち出撃したのは11艦、というのが定説のようです。

また、11艦すべてがアクシズ戦に参加していないのもポイントで、ルナツー組とアクシズ組に分かれているため、艦数の振り分けが問題になります。

映像を見る限り、スウィートウォーターの出撃シーンや、アクシズの戦闘シーンでは、レウルーラとムサカ3艦でアクシズを攻撃しているように見えます。画面外にまだムサカがいる可能性はあるものの、ルナツーの大軍を相手にするためにはアクシズにはそれほど戦力を割くことができないでしょうから、割と妥当な数だと思います。

そのあと、ルナツーで核を奪取したナナイ達がアクシズに合流します。映像からは確認できるのは2艦のみ。


      • ロンド・ベル

旗艦ラー・カイラムが1艦、随伴するクラップ級の数については、4艦という説もあるのですが、映像を見る限り、3艦までしか確認できませんでした。ここでは3で考えます。


    • モビルスーツ数

ニコニコ大百科の各項が、各艦のモビルスーツの搭載数に関して丁寧に説明してあって、それによると、下記の通りです。

レウルーラ 不明

ムサカ 不明

ラー・カイラム 16

クラップ級 6

レウルーラについては、ガンダムUCにて、ギラ・ズールが10機搭載されていることが確認できるそうなので、キリよく4個小隊12機+サザビー+α・アジール、としておきます。

ムサカは、ナナイのいる艦に、レズンの小隊3機と、ギュネイ・クエスがいることが確認できるので、最低5機は運用できると考えられます。

また、ガンダムUCでは6機が確認されているそうです。ここでは、クラップ級と同じく2個小隊6機、ナナイの艦はヤクト・ドーガが場所をとるので5機、ということにしておきます。

ラー・カイラムについては、ロンデニオン出航時、艦外にジェガンを係留してある映像があり、キャパシティを超えたジェガンを強引に搭載している、と考えることもできるのですが、その後の巡行時の映像では、艦外のジェガンは確認できないため、出航時の警戒のために艦外にいただけ、ということにして、モビルスーツはスペック通りの搭載数と考えます。


    • 戦力比まとめ

以上の前提でまとめたのが、下記の表です。

思ったほど戦力に大差はないですが、ただ、アクシズ戦は、ネオ・ジオン側が防衛する拠点を、ロンド・ベルが攻撃する構図であることを考慮する必要があります。通常、拠点防衛する敵を攻略する場合、攻撃側は倍以上の戦力が必要であるとされますので(「攻撃三倍の法則」等)、やはりロンド・ベル側はかなり不利であったと考えるべきでしょう。

にもかかわらず、作戦目標のアクシズ分断は達成したのですから、ロンド・ベルの大金星と言ってよいのではないでしょうか。逆に言うと、ネオ・ジオン側にかなり問題があったと言うこともできます。

    • 状況を覆したかもしれない要因

      • カムランが横流しした15発の核ミサイル。アクシズ破壊までには至らなかったが、ムサカ1艦を沈め、ギュネイの足止めにもなった。シャアもプレッシャーに感じて行動が制限されたかもしれない。

      • シャアがアムロとの勝負にこだわりすぎ。上陸したガンダムとラー・カイラムなんて簡単に破壊できたでしょうに。

      • ギュネイはアムロとクエスに気を取られすぎ。

      • クエスは民間人をかばって死亡。

      • ナナイが男同士の間に入った。

      • チェーン所持のサイコフレーム。エースパイロットのレズンを対空砲で撃破し、アムロに敵の攻撃を予知して知らせる。

      • ネオ・ジオン側に、アクシズの押し出しに協力したパイロットがいたということは、地球潰しに全面的に賛同していないパイロットが他にもいた可能性が。軍の士気は必ずしも高くなかったのかもしれない。