大多数のガンダムファンが好きな、「宇宙世紀モノ」を概観してみましょう。
まずは、「宇宙世紀」という用語について解説します。
ガンダムは、未来の世界を描いた物語ですが、具体的に何年後の世界なのか、西暦で言うと何年になるのか、を明示せず、あえてぼやかしています。そして、西暦の代わりに物語中で使用されるのが、「宇宙世紀」という「年号」です。
ガンダムの世界では、人口増加・環境破壊の対策として、スペースコロニーと呼ばれる巨大な建造物を宇宙空間に建造し、そこに市民を移住させています。これを「宇宙移民」と呼ぶのですが、この宇宙移民が開始されたことを記念し、「西暦」の使用をやめ、「宇宙世紀(ユニバーサル・センチュリー 略して U.C.)」に移行した、という設定になっています。
もっともらしい設定ですが、既述したように、西暦でいうところの何年にあたるのか?というのをぼやかすことが主な目的だったと言われています。当然ながら、西暦何年に宇宙世紀に移行したのかは、劇中では明示されていません。
人類が宇宙世紀に移行してから時は流れ、宇宙世紀0079(ダブルオーセブンティーナイン、と読みます。要は「宇宙世紀79年」です)、人類は初めて、地球・宇宙空間すべてを戦場とした大戦争に突入します。記念すべきガンダムの第一作、「機動戦士ガンダム」は、この宇宙世紀0079の戦争を描いた作品です。
以降、他のガンダム作品は、宇宙世紀でいうところの何年の話なのか、明確に定義されるようになりました。宇宙世紀という年号の「発明」により、今から何年後の話なのかは誤魔化されていますが、劇中の作品間同士で、相対的に時系列を把握する場合には、「宇宙世紀」は非常に便利な道具となります。
まとめ:
・ガンダムは、未来の世界の話だが、西暦で何年にあたるのかは、あえてぼやかしてある。
・西暦の代わりに、「宇宙世紀」という年号を用いている。
<補足>
既述した「宇宙世紀モノ以外のガンダム」は、別世界のお話なので、当然ながら宇宙世紀でいうところの何年なのかは定義できません。それぞれのガンダムで、西暦でも宇宙世紀でもない、独自の年号を用いています。SEEDならコズミック・イラ、といった具合です。
ガンダム00だけは例外で、西暦を用いて、今から何年先の話なのかをはっきり明示しています。
西暦との関係を絶つために宇宙世紀を用いた、と述べましたが、機動戦士ガンダムの放映は1979年、劇中では宇宙世紀0079で、実は一致していたりします。この一致は最初のガンダムだけ。
宇宙世紀0079(または、U.C.0079) と書くのが正しい。決して後ろに「年」はつけないこと。