一年戦争終結からZガンダムまでの経緯

U.C.0080の1月1日、ジオンは地球連邦に降伏を申し入れ、一年戦争は終結しました。しかし、すべてのジオン兵が連邦に投降したわけではなく、降伏をよしとしないジオン軍残党が各地へ散り、その後も地球連邦軍への抵抗を続けていくことになります。

大半のジオン軍残党は、ザビ家唯一の生き残りであるミネバ・ラオ・ザビとともに、地球から遠く離れた位置にある小惑星アクシズに逃亡し、再起を期すことになりましたが、一部残党は地球圏に留まり、地球連邦軍に対しゲリラ活動を展開します。

U.C.0083、ジオン軍残党の一派「デラーズ・フリート」が、オーストラリアにある連邦軍トリントン基地を襲撃し、開発中のガンダムタイプのモビルスーツを搭載されていた核兵器ごと奪取し、これをコンペイトウ(旧ソロモン)基地で使用、多数の連邦軍艦艇を撃沈するとともに、スペースコロニー1基を北米大陸に落下させるという大事件が発生しました。これを機に、ジオン軍残党への対策強化が叫ばれるようになり、連邦軍は、残党狩りを目的とするエリート部隊「ティターンズ」を組織します。創設者はジャミトフ・ハイマンで、そのまま総司令官の座につくことになります。

当初は連邦軍内の一組織でしかなかったティターンズですが、総人口の半数を死に至らしめたスペースノイドの蛮行の記憶が根強く残る中、スペースノイドへの恐怖・差別意識を利用して勢力を拡大し、次第に連邦軍を実効支配するまでになっていきます。そして、その活動は、ジオン残党狩りの域を超え、スペースノイドそのものへの弾圧に発展していきます。

その弾圧の最たるものが、U.C.0085 7月31日に発生した「30バンチ事件」です。反地球連邦政府デモを決起したスペースコロニーの住民1500万人全員を、ティターンズは毒ガスを使用し虐殺しました。事実は報道規制により隠蔽され、伝染病による死亡とされました。

一方、このようなティターンズの勢力拡大と強硬策に危機感を覚えた、スペースノイドの連邦軍人・民間人などが、反ティターンズ勢力「エゥーゴ」を結成します。地球連邦軍所属の正規軍であるティターンズと違い、エゥーゴは、「秘密結社」あるいは「草の根活動」のような存在で、正規軍ではありませんが、連邦軍のブレックス・フォーラー准将をはじめとする多数の連邦軍人が名を連ね、またモビルスーツ製造を一手に引き受けている超巨大企業、アナハイム・エレクトロニクスが支援しているため、艦艇・モビルスーツなども保有し、その組織力・軍事力はティターンズに対抗しうるものとなっています。

また、宇宙を主な活動範囲とするエゥーゴとは別に、地球で反ティターンズ活動を行っている「カラバ」という組織もあり、ルオ商会という企業がこれをサポートしています。エゥーゴとカラバは協力関係にあります。

Zガンダムの第一話(U.C.0087 3月2日)で、エゥーゴがティターンズの新型モビルスーツを強奪するという事件が発生し、やがてエゥーゴとティターンズの全面対決に発展していきます。開戦後、さらにこの争いに加わる勢力が現れますが、それについては別項にて説明します。

まとめ:

・一年戦争は終結しても、抵抗を続けるジオン軍残党がいたため、残党狩り部隊「ティターンズ」が発足。

・やがてティターンズは暴走し、スペースノイド弾圧を始める。スペースノイド達は対抗するために「エゥーゴ」を組織した。

<補足>

    • デラーズ・フリートによって引き起こされた一連の事件は、OVA「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」でアニメ化されています。人気の高いOVAですので、マニアならずとも一見の価値ありです。