リピドミクス

胆汁酸の一斉分析に関して→質問事項(内部標準は、何を使用しているか?)

答:胆汁酸は安定同位体の入手が可能であることがから,安定同位体を使用する.スクリーニングの段階であれば内部標準を用いずにトータル面積で標準化でも可能.(馬場)

ヒドロキシ脂肪酸の分析を行いたいと考えておりますが、標準試薬が高価すぎて容易に購入できません。先生方、みなさまどうされているのでしょうか。

答:現状は買うしかないです・・・。どうしても購入が難しい場合は、自分でMS/MSで同定するしかないでしょう。需要が高いものであれば、将来的にコンソーシアムを作って、共同購入を進めるのも良いと思います。(池田)

リピドミクスは脂肪酸構成まで含めた詳細な情報が得られるようになってきましたが、代謝物を中心としたメタボロミクスに比べると、せっかく得られたデータの解析メソッドがまだまだ追いついていないように感じています。リピドミクスデータの解析メソッドについて展望があればご紹介いただけたらと思います。

答:生物種によっても構成脂質が変わり、それらの生合成過程も複雑なので脂質代謝マップ上での表記が難しく、解析や理解を現状難しくしていると思います。今ちょうど、脂質の代謝マップ作りの取り組みも始まっているので、将来的にもう少し分かりやすい解析メソッドができる可能性があります。(池田)

リピドミクスに関して、分子種一つ一つの定量はどのようにするべきか(現状どこまでで手を打ったらよいか)

答:着目する脂質分子を本気で定量したいのであれば、その標品を使って進めるべきである。ただ、脂質の場合はそもそも標品がなく、合成・精製が難しいので、構造的に近いクラスや脂肪酸組成の標品で代用して、数値化するのが現状である・・・。(池田)

短鎖脂肪酸の(LC/MS/MS)一斉分析法に関して酢酸のみ、測定できない。→質問事項(どんなやり方でもだめか?)

答:シースガスを下げると測定できたので、事前に解決した(笑)(池田)

イオン化などのメソッドをある程度考慮するために、ステロール、トリグリ、脂肪酸、リン脂質、糖脂質など様々な脂質をわけたいと考えたとき、どのような前処理が行われるのでしょうか。

答:脂質を分ける場合は、固相抽出カラムを用いることが多いです。各種成分に応じた溶出曲線を作成し、固相抽出に用いるWashing液とElution液を工夫することで、選択的に脂質を精製することができます。また、特にリン脂質のみを除去したい場合は、某メーカーからリン脂質除去用の固相抽出カラムも販売されています。(三枝)

リピドミクス解析の誤同定を減らす方法があればご教示ください。現在、アノテーション付けにはLipidSearchをメインに使用していますが、必ずしも正しい結果を返してくれるわけではないので必ず目視で各脂質クラスに特徴的なフラグメントイオンが出ているか確認しています。しかし、側鎖についての情報は本当に合っているのか自信が持てないこともしばしばです。良いツール、判定に使えるイオンなど同定精度を高める方法があればご教示いただけたらと思います。

答:クロマト頑張って分離する。とはいえ目視は必要なのが現状(及川)