06.新聞アーカイブ
今回は、
情報を収集する手段の一つである新聞アーカイブについて課題演習を行います。
1.新聞アーカイブ
内外の大手新聞社の記事アーカイブ(archive)を使って検索する方法は、
内外の事件やニュースなどについて確定した信用度が高いニュース情報を収集したい場合に用います。
記事データーベースと呼ばれている場合もあります。
個人で使うには高額な使用料が必要ですが、
大学や行政、大手企業、研究機関などの場合は機関として契約をしているので、
所属する学生や社員・研究員などは、
それぞれの指定されたホームページからアクセスして無料で利用することが出来ます。
大手新聞社が公式に発表している社説や論説なども引用することができます。
論文やレポートなどの作成で、SNSからの伝聞ではない公式に報道されているニュース情報を引用するにはより適切な収集方法であるといえます。
アーカイブ(Archive)
小学館のデジタル大辞泉によれば、アーカイブ(archive)とは、
「1 記録すること。記録したもの。また、大量の記録や資料をまとめて保管すること。保管したものや場所についてもいう。『専門誌のアーカイブ』『過去の公演アーカイブ』
2 コンピューターで、複数のデータを一つにまとめたり、圧縮したりすること。また、そのファイル。ネットワーク上で公開されたファイルの保管庫を意味する場合もある。」
などと解説されています。
特に、「新聞アーカイブ」という特定の専門用語はありませんが、
世界中の新聞各社が自社の新聞記事を写真フィルムやpdfファイルなどのデジタルデータなどとして保存し保管して公開している物ないし場所あるいはインターネット上のサイトのことを、一般に、「新聞アーカイブ」と呼んでいます。
世界の有名新聞社
特に、日本の場合は、朝日新聞をはじめ読売新聞・毎日新聞・産経新聞の大手4大新聞と日本経済新聞などの新聞アーカイブが有名ですが、その他の中小新聞社でも普及が進んでいます。
また、世界的には、英国のThe Times(タイムズ)紙、米国のThe New York Times(ニューヨークタイムズ)・The Wall Street Journal (ウォール・ストリート・ジャーナル )などの各紙が特に有名です。
往年のベテランビジネスマン達は、早朝に出勤して、これら8社の各記事や社説を全て読破し、重要な情報については切り抜いてスクラップブックを作り、ビジネスに活用していました。
これらの情報収集作業も、現在は全てデジタル化され、ビジネス・シミュレーションなどにフィードバックされてオンタイムなビジネス戦略に活用されています。
通信社
新聞社とよく似てはいるものの業態が少し異なる情報業に通信社と呼ばれる企業があります。
通信社は、自前の新聞や放送局などは持たず、現地などで取材した記事や写真などの情報や政治・経済・金融情報などを他の新聞社や放送局、企業などに売って利益を得ている企業です。
ロイター、AP通信、フランス通信社(AFP)を世界の三大通信社といいます。
新聞やTVニュースなどでは、時折、ニュースの配信元として告知される場合があります。
SNS(Social Networking Service)上の新聞社などメディア各社の記事
FaceBookやInstagramなどの所謂SNSには時を選ばずに新聞社やメディア各社から種々の記事が投稿されていますが、2024年4月末現在のところ、その多くは校正・校閲もされず、他社からのコピペであったり、また、1年足らずの間に記事そのものが削除されています。
従って、SNS上の記事をレポートや論文などに引用することは好ましいとはいえません。
万が一、引用したい記事があった場合は、配信元の新聞アーカイブで元記事を検索し、校正・校閲済みの元記事を引用するようにします。ただし、新聞アーカイブに収録されている記事は有料なので、所属する大学の図書館のホームページから無料で閲覧するようにします。
朝日新聞クロスサーチ
著名な大手新聞社のアーカイブの一つに朝日新聞クロスサーチがあります。
朝日新聞クロスサーチの説明によれば、朝日新聞クロスサーチとは、
「過去の出来事を手軽に調べることができるオンライン記事データベースで、日本国内外の多くの大学や図書館などでご利用いただいています。1879年(明治12年)の創刊号から今日まで 約140年にわたる紙面から約1600万件の記事・広告が検索できる日本国内最大級の新聞記事データベースです。 」
と解説されています。
また、収録記事については、
「1985年以降の記事は全文検索方式で、テキスト本文を表示して読むことができます。朝日新聞デジタル(一部のコラムなど)や雑誌『AERA』『週刊朝日』の記事も収録されています。」
と説明されています。
さらに、現代用語事典 知恵蔵(ちえぞう)については、
「最新の現代用語を約8000語収録。毎年春に最新版を更新しています。」
と説明されています。
なお、利用料金は有料ですが、大学や公共の図書館ではアカデミック価格が適用されています。
従って、大東文化大学の学生の場合は、大東文化大学図書館のホームページから利用することが出来ます。
NHKアーカイブ
なお、新聞社ではありませんが、NHK(日本放送協会)は、大規模なアーカイブを設置して、自社制作のニュース番組や種々のドラマ、放送番組などをデジタル化して保存・保管・公開しているだけにとどまらず、内外の貴重な画像や映像なども広く収集してデジタル化し保存・保管・公開したり、それらをレビューする報告番組を放送したりもしています。
【注意】この事業の存在を根拠に、NHKは米国のCIAに匹敵する「情報機関」であると言う専門家もいます。
なお、最近は、見逃したTV番組や過去に放送されたドラマや番組などもNHK視聴料を支払っている視聴者は視聴が可能になっており、NHKのホームページにアクセスすることで種々の詳細な情報を得ることも可能になっています。
そこで、今回は、
大東文化大学の図書館のホームページを介して朝日新聞クロスサーチを利用し、
「剽窃」に関連する新聞記事や社説などを検索した結果を、
レポートにまとめる演習を行います。
2.今回の課題
朝日新聞クロスサーチを使って、
「剽窃」に関する記事を検索し、
情報を収集して、WordのレポートとPowerPointのスライドにまとめて下さい。
1.前回の課題で作成したWordとPowerPointのファイルを開きます。
2.Wordのレポートにページ区切りを挿入して、新しい見出し「新聞アーカイブ」を追加します。
3.PowerPointの4枚目のスライドの後ろに新しいスライド(タイトルとコンテンツ)を挿入して、
新しいスライドにタイトル「新聞アーカイブ」を入力します。
4.Edgeを起動し、
大東文化大学のトップページにアクセスし、
図書館のページにアクセスします。
5.大東文化大学の図書館のページからオンラインデータベースを選びます。
【注意】冒頭に注意事項が表示されますので、熟読し理解します。
6.下方にスクロールして、朝日新聞クロスサーチのコーナーを探します。
更に、下方にスクロールして、
説明文などを熟読します。
7.朝日新聞クロスサーチへのリンクボタンと使い方マニュアルのダウンロードボタンが見つかります。
【注意】
説明文を熟読した上で、
朝日新聞クロスサーチにアクセスする前に、
使い方マニュアルをダウンロードして、
熟読し、使い方を理解します。
8.朝日新聞クロスサーチにアクセスして、
「記事1985~」の中から「剽窃」のキーワードで関連記事を検索します。
①「朝日新聞クロスサーチ(旧「聞蔵Ⅱビジュアル」)」のリンクボタンをクリックします。
②初回だけ、下図のようなログイン画面が表示される場合があります。
「ログインへ」のボタンをクリックして、ログインします。
③「朝日新聞クロスサーチ」のトップページが開きます。
④検索Boxに「剽窃」と入力して、横断検索のボタンをクリックします。
⑤しばらく待つと、検索結果が表示されます。
【注意】検索結果として、
コンテンツ別に、1985年以降の記事が83件、1999年以前の縮刷版が35件などと表示されています。
⑥検索結果のリストから引用したい記事を探します。
⑦今回は、1例として、
「AIが書いた記事、『盗用』謝罪 ウェブメディア『The HEADLINE』 2023年10月01日朝刊1社会」
という記事を閲覧し、引用してみます。
⑧記事の全文が、新聞のイメージと共に表示されます。
文中には、検索にヒットした「剽窃」というキーワードがマーキングされています。
2023年10月01日の朝刊 社会面1 31ページに掲載された記事であることが解ります。
「印刷」ボタンをクリックすると、pdfファイルでPCにダウンロードすることも出来ます。
9.上記の検索結果をWordのレポートにまとめます。
まとめる時には、下記のポイントに留意します。
何を検索したかを文頭に明記します。
検索結果は、箇条書きでまとめると見やすく解りやすいです。
検索結果は時間と共に変化するので、検索した日時を必ず明記します。
例)Accessed 2024/4/25
pdfファイルをダウンロードして引用する場合は出典のURLも必ず明記します。
例)https://xsearch.asahi.com/kiji/detail/?1714023691652
検索して得られた情報から考察した結論を記すことも忘れないようにします。
【注意】脚注を用いた出典の表記
Wordの脚注を用いた出典の表記は下図のように操作します。
【脚注部分】
【注意】引用と参考の違い
小学館発行のデジタル大辞泉によれば、参考とは、
「何かをしようとするときに、他人の意見や他の事例・資料などを引き合わせてみて、自分の考えを決める手がかりにすること。また、そのための材料。」
と、解説されています。
一方、
小学館の精選版 日本国語大辞典によれば、引用とは、
「自分の論のよりどころなどを補足し、説明、証明するために、他人の文章や事例または古人の言を引くこと。」
と解説されています。
とすると、
参考と引用の違いは、
原文をそのまま改変せずに利用するのが引用
原文をそのまま利用せずに、その趣旨や意味するところを利用するのが参考
といえます。
ただし、
参考の場合も、参考にした情報の出典は明示します。
10.WordのレポートをPowerPointにコピペします。
コピペする時には、下記のポイントに留意します。
1枚のスライドに収まるように、Wordのレポート内容を編集します。
プレースホルダーの位置をスライドの左右中央揃えにして、見た目をスマートに整えます。
11.WordとPowerPointを、上書き保存して、閉じます。
3.課題の提出
フォルダ「ビジネスIT演習A」には、
Wordで作成したレポート「BIT演習18131999」
PowerPointで作成したプロジェクト「BIT演習18131999」
の2種類のファイルが保存されています。
出来上がった2つのファイルをメールに添付して先生に送信し、提出して下さい。
①先生のメールアドレスは、t067110@st.daito.ac.jp です。
②メールの件名は、新聞アーカイブ 学籍番号 氏名、として下さい。
【注意】
ファイルは必ず閉じてからメールに添付して下さい。開いた状態で添付し、送信すると、受信側では壊れていてファイルが開けない場合があります。
課題の提出で出席のカウントを取ります。
課題メールの受信が無い場合は「欠席」扱いになります。
課題が未完成の場合でも、出来たところまで提出して、「出席」のカウントを取って下さい。
教室外からの提出は、「出席」にはなりません。
欠席した場合も、次回に課題を提出して「課題点」はカウントを取って下さい。
この科目の課題は、順番に「続き物」になっています。欠席した単元も必ず作成して下さい。
【以上】