03.レポートの作成と情報倫理
今回は、レポートの作成と情報倫理について学習します。
21世紀になってPCとインターネットが世界中に普及した結果、
ビジネス界と大学での違いも無く、
欲しい情報はインターネットを利用して世界中から広く収集することが可能になりました。
収集された情報は文字や数値の違いによる処理方法の違いはあっても、
Excelを用いてグラフなどを作成し、
それらの結果をまとめてWordでレポートを作成し、
会議ではPowerPointで作成したスライドを使って報告する、
というのが、現在の世界標準なビジネススタイルになっています。
詰まり、
通常の実務では、
Excelを用いたデータ処理とWordで作るレポート、PowePointで作るスライドなどは、
ワンセットになっています。
一般的には、
Wordでレポートを作成してから、
続いて、PowerPointでプレゼンテーション・スライドを作りますが、
ベテランになれば、平行して同時に作業を進めることが出来ます。
この科目では、平行して作業を進めるノウハウも習得して貰います。
1.情報収集と情報倫理
ところで、図書館やインターネット、新聞・雑誌など情報の収集方法によらず、
情報を収集して利用する場合には必ず守らなければならないルールがあります。
【参考文献】FOM出版『情報リテラシーWindows11Office2021対応』「情報モラル&情報セキュリティ編」
このルールについては、大東文化大学でも
を設けています。
このルールの一つに著作権があります。
著作権(Copyright)
ASCII.jpデジタル用語辞典によれば、著作権とは、
「知的財産権のひとつ。コピーライトとも呼ばれる。著作物を他人に使用させる許可を与えたり、著作物を財産として所有したりすることのできる権利。ここでいう著作物には、音楽や文章などの他に、ソフトウェアも含まれる。著作権は、特に登録をしなくても、著作物を作成すると発生するが、正式な著作者であると証明したい場合は、文化庁で登録できる。個人の著作物の場合、著作権は死後50年を過ぎると適用されなくなる。 」
と解説されています。
詰まり、著作権とは、著作者が文字や絵、写真、音、プログラムなどを用いて独自に作成した物を他人に勝手に利用されないように保護されるための権利といえます。従って、著作権は著作した時点で発生しますが、どこかに登録しておく必要はありません。しかし、どこかに登録しておいて公表しておくことでトラブルを避けることも出来ます。
例えば、音楽業界では日本の場合、(社)日本音楽著作権協会(JASRAC;Japanese Society for Rights of Authors, Composers and Publishers) という組織があります。JASRACに登録されている学曲を利用する場合は、JASRACに利用申請を出して著作権料を支払えば許可シールが貰え、利用物にそのシールを添付することで許可済みであることを明示します。
なお、著作権や特許権、商標権などを合わせて知的財産権といいます。
特に、特許権や商標権などビジネス(産業)に関係する知的財産権のことを産業財産権といい、それぞれ、公に登録することで、その権利を守ることが出来ます。
ところで、現在のところ、
文章(小説・論文・新聞や雑誌の記事など)、講演、音楽、映画、写真、美術品、ソフトウエア、Webページなどが著作権の対象になると認められています。
【注意】マンガやアニメ、ゲームソフト、写真集、グッズなども著作権の対象になります。
著作権の侵害
小学館の精選版 日本国語大辞典によれば、著作権の侵害とは、
「他人の著作物を無断で出版、上演、上映、翻訳、放送したりして著作権者の利益を侵害すること。」
と解説されています。
詰まり、レポートを作成する場合に、収集した情報を無断で利用したり、内容を自分に都合が良いように改ざんしたりすると著作権の侵害にあたります。
引用
小学館の精選版 日本国語大辞典によれば、引用とは、
「自分の論のよりどころなどを補足し、説明、証明するために、他人の文章や事例または古人の言を引くこと。」
と解説されています。
また、著作権法の第32条には、
「公表された著作物は、引用して利用することができる」
と規定されています。
詰まり、レポートを作成する上で必要な情報を収集し、
著作権の侵害にならないように十分に配慮すれば、利用することが可能であるといえます。
即ち、著作権の侵害にならないように十分に配慮した利用のことを引用といいます。
【注意】著作権の侵害に配慮しない利用のことを剽窃や盗作などといいます。
【正しい引用の方法】
①出典(著作者名や著作物名、引用箇所)を明らかにする
②引用部分を「」(括弧:カッコ、引用符ともいう)などを用いて明確にする
③引用部分は誤字脱字を含めて改変を一切しない
④引用部分はレポートの大半を占めない
⑤引用部分は必要最低限にする
⑥自分の論の拠り所やきっかけになるなど引用を行う合理性があること
この科目では、上記の方法に従って、収集した情報の正しい引用のスキルを習得して貰います。
【正しい引用の例】
①出典が明らか②引用部分に「」③引用部分は改変されていない④引用であることが明らか
なお、引用の出典を明示する方法には、下記のような方法があります。
①本文中に明記する;上記の例
②同じページの下の余白に脚注を付けて明示する
③同じ段落や節、章の最後に脚注を設けて明示する
④本文の最後にまとめて出典を明示する
【注意】出典の明示方法は、それぞれ、状況に応じて、適材適所で使い分けます。
【引用方法②】同じページの下の余白に脚注を付けて明示する
・引用部分に番号を付けて、同じページの下の余白部分に脚注を付けて明示する方法です。
・Wordの脚注の挿入を使います。
【引用方法③】同じ段落や節、章の最後に脚注を設けて明示する
・引用部分に番号を付けて、同じ段落や節、章の最後に脚注を付けて明示する方法です。
・Wordの脚注の挿入で、文末脚注(セクションの最後)を使います。
【引用方法④】本文の最後にまとめて出典を明示する
・引用部分に引用文を付け、本文の最後に引用という段落を別途に設けて明示する方法です。
・Wordの参考資料のリボンにある引用文献と文献目録グループを使って作成することも出来ます。
【註】この場合は、参考文献ないし引用文献といいます。
2.今回の課題
今回は、剽窃という言葉の意味を
①インターネットを用いて調べ、
②上記の正しい引用の方法を考慮して、
③Wordでレポートにまとめ、
④PowerPointでスライドにして下さい。
3.課題の作成手順
最初に、下記の課題提出用ファイルを作成します。
1.Wordでレポートのファイルを作成;ファイル名は「BIT演習18131999」←末尾に学籍番号
2.PowerPointでプレゼンテーションファイルを作成;ファイル名は「BIT演習18131999」←末尾に学籍番号
課題提出物は、以下の2つのファイルです。
【注意】ファイル名は同一ですが、ファイルの種類が異なるので、同時に同一場所で存在が可能です。
3.1.1.Wordレポートの見出しの作成
次に、
Wordのスタイル「見出し」を使用して、
Wordレポートの見出しを作成します。
見出しに設定した項目は、ナビゲーションウィンドウに表示され、
目次として利用することが出来ます。
【操作手順】
1.PCに「ビジネスIT演習A」と名前を付けたフォルダーを作成します。
2.Wordを新規作成で起動します。
3.最初の行に
「BIT演習18131999」←末尾は自分の学籍番号
と入力し、
4.フォルダ「ビジネスIT演習A」に名前を付けて保存します。
【注意】最初の行に入力した文字列がファイル名の候補として入力されています。
5.下記のように、
レポートの見出しを
Wordの[ホーム]タブ-[スタイル]グループの[見出し1]を使って作成します。
見出しの文字列は、フォント;MSPゴシック、フォントサイズ;12ポイントに設定して下さい。
6.上書き保存
3.2.1.WordレポートをPowerPointへ変換
Wordレポートの目次項目を作成した段階で、PowerPointに変換します。
【注意】
機種によっては、この機能が無い場合があります。
その場合は、手作業で作成して下さい。
参考書FOM p40~42 Word文書の利用
Word文書からPowerPointへの挿入は下記のようなルールに従います。
従って、Wordで作成するレポートは、あらかじめ、このルールに従って作成します。
【注意】見出しと見出しの間を1行以上空けると、スライドが改ページされます。
【操作手順】
1.PowerPointを起動します。
PowerPointのタイル👉
デスクトップのタスクバーからの起動
2.新しいプレゼンテーションを選択します。
3.新しいプレゼンテーションファイルのスライド1(表紙)が開きました。
4.タイトルとサブタイトルのプレースホルダーに下記のように入力します。
「BIT演習18131999」←末尾は自分の学籍番号
5.フォルダ「ビジネスIT演習A」に、
「BIT演習18131999」←末尾は自分の学籍番号
と名前を付けて保存します。
【注意】タイトルのプレースホルダーに入力した文字列がファイル名の候補として入力されています。
【注意】
①スライドの縦横比はワイドのままでOKです。
②テーマの適用はしません。⇒背景は無地(白色)のままです。
③タイトルフォルダーに入力した文字列がファイル名の候補として自動的に表示されます。
参考書FOM p1~13
6.Wordで作成したレポートをPowerPointに挿入します。
①[ホーム]タブ-[スライド]グループ-[新しいスライド]-[アウトラインからスライド]をクリック
②フォルダ「ビジネスIT演習A」から、
Wordで作成したレポート「BIT演習18131999」の文書ファイルを選び、
挿入ボタンをクリックします。
【注意】PowerPointのスライドに変換するのに、少し時間が掛かります。
③PowerPointに変換されたスライドが、スライド2以降に表示されます。
【注意】
・機種によっては、この機能が無い場合があります。その場合は、手作業で作成して下さい。
・PowerPointのスライドに変換されない場合は、Word文書に問題が有ります。
Word文書の「見出し1」の設定を見直して下さい。
・図(写真や画像)やExcel(シートやグラフ)などは挿入されません。
・2度実行しても変換されない場合は、Word文書に「致命的な欠陥」が有ります。
その場合は、変換を諦めて、もう一度、Wordファイルを最初から作り直して下さい。
それでもダメなら、手操作で1枚づつ「コピー&貼り付け」を行って下さい。
④挿入したスライドをリセットして、Word文書に設定されていた余計な書式をリセットします。
Shiftキーを押しながら、最後のスライドまでを選択し、
[ホーム]タブ-[スライド]グループ-[リセット]をクリック。
⑤上書き保存
7.不要な2枚目のスライドを削除します。
①2枚目のスライドをクリック
②2枚目のスライド上で右クリック
③メニューから「スライドの削除」をクリック
④不要な2枚目が削除されました。
⑤上書き保存
⑥PowerPointを閉じます
フォルダ「ビジネスIT演習A」には、
Wordで作成したレポート「BIT演習18131999」
PowerPointで作成したプロジェクト「BIT演習18131999」
の2種類のファイルが保存されています。
3.3.情報の収集
インターネットを用いて「剽窃(ひょうせつ)」という言葉の意味を収集します。
今回は、特に、コトバンクを使ってみます。
【操作手順】
1.Edge(エッジ)を起動します。
2.EdgeのBingで「コトバンク」を検索します。
3.検出したコトバンクのトップページをお気に入りに追加します。
4.コトバンクで「剽窃(ひょうせつ)」という言葉の意味を検索します。
5.「剽窃(ひょうせつ)」という言葉の検索結果が多数表示されますので、その中から妥当と判断したものを選んで、その詳細を表示させます。
6.念のため、他の辞書の結果も表示し、見比べてから、最適と考えた情報を利用します。
7.引用する部分をコピーして、Wordのレポートに貼り付けます。
【注意】所謂、「コピペ」です。
【操作手順】
①コピペする部分をドラッグして選び、
②マウスを右クリックして表示されたポップアップメニューからコピーをクリックします。
③タスクバーからWordのレポート文書をクリックして、画面の前面に表示させ、
④見出し「課題1 剽窃(ひょうせつ)」の下に、
貼り付けのオプションをテキストのみ保持で貼り付けます。
貼り付けた後、念のために、貼り付けた段落を選んでスタイルを標準にセットします。
【注意】
インターネット上に表示されている文字や文章、画像、映像などの全てには、
HTML言語などのコマンドが張り付いてWebページ上で制御されています。
コマンドが付いたままWordのレポートなどに貼り付けてしまうと、
Wordのレポート上でもそのコマンドの効果が表示されてしまうので、
インターネットから文字情報をコピペする場合は、必ず、テキスト(文字)の部分だけにします。
⑤下記のように、
引用の出典や「」(カギ括弧;引用符ともいう)、引用であることを明記して
文章を整えます。
⑥上書き保存します。
【正しい引用の方法】
①出典(著作者名や著作物名、引用箇所)を明らかにする
②引用部分を「」(括弧:カッコ、引用符ともいう)などを用いて明確にする
③引用部分は誤字脱字を含めて改変を一切しない
④引用部分はレポートの大半を占めない
⑤引用部分は必要最低限にする
⑥自分の論の拠り所やきっかけになるなど引用を行う合理性があること
⑦下記のように、出来上がったWordの段落をPowerPointのスライドにコピペします。
⑧上書き保存します。
⑨WordとPowerPointを閉じます。
【注意】
WordとPowerPointは、それぞれ、上書き保存を済ませてから閉じます。
上書き保存を済ませていないと、作成した課題内容が反映されません。
フォルダ「ビジネスIT演習A」には、
Wordの「BIT演習18131999」
PowerPointの「BIT演習18131999」
の2種類のファイルが保存されています。
ファイル名の末尾の数字は、自分の学籍番号です。
4.課題の提出
出来上がった2つのファイルを大学から配布されているGmailに添付して先生に送信し、提出して下さい。
①先生のメールアドレスは、t067110@st.daito.ac.jp です。
②メールの件名は、課題1 学籍番号 氏名、として下さい。
【注意】
①課題の提出で出席のカウントを取ります。
②課題メールの受信が無い場合は「欠席」扱いになります。
③課題が未完成の場合でも、出来たところまで提出して、「出席」のカウントを取って下さい。
④教室外からの提出は、「出席」にはなりません。
⑤欠席した場合も、次回に課題を提出して「課題点」はカウントを取って下さい。
⑥この科目の課題は、順番に「続き物」になっています。欠席した単元も必ず作成して下さい。
【以上】