『映画的思考の冒険』(2006)
書誌情報
箭内匡編『映画的思考の冒険——生・映画・可能性』(世界思想社、2006年6月26日刊行)
A5・238ページ 本体1,900円+税 ISBN 9784790711940
表紙イメージ アッバス・キアロスタミ『風が吹くまま』(1999)より
※この本は、天理大学地域文化研究センターにおける共同研究に基づくもので、大平陽一、足立ラーベ加代、ヌリア・ロペス、前田茂の諸氏との共著です。
内容紹介文
「映画を見る」とはどういう経験か、それは現実の生とどのように共鳴し、まだ見ぬ可能性の世界へと私たちを誘うのか。小津、ドライヤー、キアロスタミ、イオセリアーニ…すぐれた映画作家の作品に通底する響きに耳をすませば、そこから新しい思考の冒険がはじまる——
目次
1 映画の対象 ― 映画における直接的なもの[箭内匡] [断章]
2 映画の手法 ― パラドックスの「罠」[足立ラーベ加代]
3 映画を観ること ― 意図性と非意図性[大平陽一]
4 映画を感じること ― 映画における存在論的ユーモア[ヌリア・ロペス]
5 映画を生きること ― 「住まうこと」と「さすらうこと」[箭内匡] [断章]
6 映画という装置 ― その倫理と美学[前田茂]
*各章の論考のあと、スチール写真と小文を交えつつ、理論的論述を映画的イメージとともに辿りなおす構成になっています(6章を除く)。
出版社ページ
http://sekaishisosha.jp/book/b354193.html
その他
この本の出版後、岩波書店から雑誌『思想』への寄稿のお誘いをいただき、この本の制作の中で考えたことをさらに発展させる形で、「映像・光・スピノザ―「内在性の映画」の示すもの―」という論考を書きました(『思想』999号(2007年7月号)143-165頁)。合わせてお読みいただければ幸いです。