『シネ・アンスロポロジー』刊行(2014.5.23)
投稿日: 2014/05/16 13:19:27
村尾静二・箭内匡・久保正敏編『映像人類学(シネ・アンスロポロジー)ー人類学の新たな実践へ』(せりか書房、定価2800円+税)が、2014年5月21日ごろから書店(オンライン書店を含む)で発売されます。
私は本書全体の編集に関わり、序章とジャン・ルーシュについての二つの章(一章は小河原あやさんとの共同執筆)ほか、作品解説なども多数書きました。目次は下の通りです。
本書で私は当初、ルーシュの文章の翻訳をするだけのつもりでしたが、結局、二章にまたがった本格的なルーシュ論を書くことになり、さらには、人類学者=映画作家ルーシュを通して見えてくる、新しい人類学のヴィジョンを描くことになりました(序章)。
本書には、付録民族誌映画DVD(内容はこちら)の引換券も付いています。DVDは無料ですが、入手するためには、本についている引換券を120円切手を添えてせりか書房に送っていただく必要があります。
—目次—
序章 人類学から映像−人類学(シネ・アンスロポロジー)へ 箭内 匡
第Ⅰ部 原点
映画を撮ること、観ること、共有すること―ロバート・フラハティの「人類学的」映像制作 村尾静二
紀行文と旅映画―渋沢フィルム《飛島》を事例として 木村裕樹
文化を写しとることは可能か―ベイトソンとミードの映像人類学から 宮坂敬造
第Ⅱ部 シネ・アンスロポロジーの創造
共有する映像制作―ジャン・ルーシュから学んだこと 大森康宏
ジャン・ルーシュの思想―「他者になる」ことの映画−人類学 箭内匡
映画作家ルーシュ――ヌーヴェルヴァーグ映画を鏡として考える 小河原あや・箭内匡
第Ⅲ部 映像の共有人類学
「子ども」と映像―カメラへの関心と変化の共有 南出和余
技術映像の可能性―モノづくりの映像がかたるもの 中村真里絵
映画をめぐる生の交差―時間と空間の共有がもたらすもの 清水郁郎
第Ⅳ部 民族誌映像の発信・保存・再利用
共有のためのメディア―戦後マスメディア史からみた映像人類学の可能性 飯田卓
映像アーカイブズから映像の共有を考える―国立民族学博物館での経験から 久保正敏
共有から引用へ―生成と創造のマトリクスの構築に向けて 大村敬一
第Ⅴ部 作品解説
1 民族誌映像の創出 リュミエール兄弟から一九六〇年代まで
2 新しい民族誌映像のために 一九七〇年代〜現在
3 本書関連民族誌映画DVD収録作品 解説
終章 新たな課題――方法論から認識論へ 村尾静二
あとがき 編者
映像視聴ガイド
付録DVDのイメージはこちらです(クリックすると大きくなります)。