今井健之さん(ふれあいサロン・千現カフェ 代表)インタビュー
ふれあいサロン・千現カフェ代表の今井健之と言います。
1.支援活動の経緯について
以前、千現一丁目という町には何もありませんでした。近所の人と挨拶 をするにしても、顔は知っているけれど言葉は交わしたことがない、という感じでした。ですから、何か集まりがあったらいいなということで作ったのがこの千現カフェです。そしてそこで絆が生まれてくれば、当然町の中で会っても挨拶ができます。
そうこうしているうちに、千現一丁目にデイリーインというホテルがあるんですが、そこに福島の方が避難されて来たのです。せっかく千現に避難して来てくださっているので、私たちも歓迎しようという話が持ち上がりました。
当時震災の年の8月に、それじゃ元気づけようか、千現一丁目から元気を発信しようと、フラメンコや大正琴、クラリネットの演奏をしたり、その後そうめんを作ってふるまって、みんなで仲良くしよう、ということが始まりです。
その後、並木の方に双葉の方たちが大勢避難して来ている、という話を聞きました。その人たちは集まりはあるけれど、竹園にいる方たちには集まりがない。それでは、竹園の避難者の人たちにも声を掛けて、私たちのグループで応援しようという話になりました。私はもう一つ、シニアサロンぶらりという活動をやっております。これは吾妻の交流センターで行っているので、竹園から歩いて行けます。チラシを持って一軒一軒尋ね、「こういう会です。ぜひ遊びにきてください」という声掛けをやりました。千現カフェもぶらりもあるよと、避難者の方に来ていただいたのが最初です。
2.支援活動について
千現カフェは毎月一回行っております。この時期ですと、そうめんを食べようとか、そうめんを食べるには天ぷらを揚げたらおいしいということで、交流センターの場所を借りたりしています。あるいはカツオの刺身を食べたら元気が出る、と言ってカツオの刺身を食べたり。また、つくば市には食生活改善推進委員会というのがありまして、そういった人たちに応援を頂き、一緒に福島の人たちとお料理を作って食べるという活動をしました。それからお出掛けなどもあります。7月には、霞ヶ浦ダックツアーを行います。皆さんに声掛けして一緒にバスを貸し切り、霞ヶ浦を(水陸両用の)バスで泳ぐというツアーを募集しています。春には芝桜公園を見に、栃木の茂木から道の駅、ツインリンクなどに一緒に行きました。他には洞峰公園や赤塚公園を散歩に行く街あるきツアーなど、いっぱいあります。毎月のことですから、数えきれないくらいです。
3.支援活動での工夫
みんなで一緒になってお話ができる、行動ができる、活動ができる、ということを目指しています。福島の人たちはどうしても福島の人同士で集まってしまう。そうすると福島の人たちだけの中の話になってしまいます。それじゃいけないということで、千現カフェのグループで色々なお話をしています。午前中に活動をして、お昼にお弁当を食べて解散です。お昼を食べるのも皆さんからお弁当代をいただいています。食事を共にするというのは、寝食の食です。寝食を共にすることが一つのつながりの基なので、この食の方で頑張ってやっていきたいといつも思っています。
4.支援活動での課題
今のこのままの状態で良いのだろうかと、いつも考えて活動しています。福島の人たちからは参加すると楽しい、という声が聞かれます。しかし、いつもそのままでいいのか、もうちょっと寄り添う方法、形が別にあるのではないかと模索しています。なかなかその辺が難しいです。また、最近は参加する人がだんだん少なくなってきました。例えば阿見や美浦の方に家を買って引っ越した方たちに、つくばに来た時はまたおいで、という方法がありません。そういうことも一つの課題です。せっかく仲良くなったのだから、ずっとつくばで楽しみを一緒に共有できたらいいなと思っているのですが、(つながりを持続させること)その辺が課題かなと思っています。