活動の記録

活動の記録 since July 2015

「安保法制」に反対する北海道宗教者連絡会は、憲法に違反する「安保法制」の成立を阻止するために、宗教・宗派を超えて連携・連帯する宗教者の集まりとして結成されました。

2015年7月27日に、道内の仏教界、キリスト教界の宗教者15人が呼びかけを発して、活動を始めました。同時に、アピールへの賛同署名をホームページ上で始めました。市民団体、平和団体などが主催する集会・デモにも参加しました。

「安保法制」の国会審議(参院)が最終局面に入った9月には、10日に会員が初めて一堂に結集する集会を開催しました。14日から18日までは、「戦争をさせない北海道委員会」が提起した総がかり行動に参加し、集会・デモに加わりました。さらに16日から19日まで4日間にわたって、「リレー座り込み」行動を実施し、のべ600人が戦争法案成立阻止を訴え、安倍政権に対する抗議の意思表示を行いました。

法案は9月19日未明、参院本会議で強行可決され、成立しましたが、「19の日」を忘れない、との思いを共有しながら、毎月19日正午から1時間、座り込み行動を行うことにしました。座り込みは11月に開始し、2016年5月まで計6回行いました(5月は会場の都合で室内集会と屋外スタンディングに変更)。また、この間に2回の集会を開催し、宗教・教派を超えて宗教者が集まり、「安保法制」反対を訴えました。

********************** 活動の記録 2015年8月~2016年5月 *******************************

2015年8月29日 北海道集会デモ

私たちは、「8.29戦争をさせない北海道集会」に参加しました。

8月29日(土)午後1時から札幌・大通公園で開かれた集会と駅前まで行進したデモの様子です。当会の会員は黄色のポスターを掲げました。厚沢部町や伊達市、夕張市からかけつけた宗教者もいました。全体の参加者は3500人(主催者発表)でした。


2015年9月 結成集会

結成集会「9.10講演とリレートークの会」を開催しました。

会場の東本願寺会館(札幌市中央区)には120人が集まり、折からの台風のなか京都からかけつけた野田正彰氏の講演と8人の宗教者によるリレートークに、熱心に耳を傾けました。(9月10日、午後6時半~9時半)

国会での審議は大詰めを迎え、状況は緊迫しています。集会では、これからの行動提起として①これまでに集まったアピール賛同署名者名簿を道選出国会議員に送付する②アピールと賛同者名簿のポスターを道内の寺院・教会に発送する③9月14日以降の集会デモに積極的に参加する、またハンスト、座り込みなどの行動も検討する、との報告がありました。

集会の最後に、北海道宗教者平和協議会の相馬述之事務局長は、「北海道で宗教者が教団教派を超えてこのような集まりを開いたのは、紀元節復活反対、靖国国営化法案反対に次いで3度目です」と語り、「安保法制」成立阻止のため、さらなる結束と連帯を呼びかけました。

リレートークの発言者は、つぎの9人です。(発言順)

石橋大輔(札幌キリスト教会連合会委員長、札幌バプテスト教会牧師)▼植松誠(日本聖公会北海道教区主教)▼金石潤導(真宗大谷派北海道教化委員会本部長、黒松内町・開正寺住職)▼久世そらち(日本基督教団北海道教区議長)▼古賀清敬(日本キリスト教会宣教牧師)▼中村道生(カトリック釧路地区協同司祭)▼忍関崇(浄土真宗本願寺派崇徳寺住職、新日高町)▼日笠山吉之(日本福音ルーテル教会札幌教会牧師)▼池田昭寿(曹洞宗円明寺僧侶、厚沢部町=メッセージ参加)

発言者=左から、金石、久世、忍関、石橋、中村、植松、古賀、日笠山の各氏 photo: Nishi



2015年9月16~19日、北光教会前で座り込み

「安保法制に反対する北海道宗教者連絡会」が呼びかけ主体となって、日本基督教団北光教会(大通西1)の玄関前で実施。4日間、朝7時30分から午後6時まで(17日は徹夜)、宗教者のほか一般市民も参加し、「安保法制」反対・抗議の意思をリレー式の座り込みでつなぎました。参加者は4日間でのべ600人に達しました。

座り込み参加者の言葉 こちら

写真左=9月16日午前8時、右=18日午後5時撮影

YouTubeに画像をアップしました。 こちら

旭川でも座り込み16日(水)~18日(金)の午前10時から午後6時まで、市役所前のルーテル教会前敷地で。

2015年9月14~18日、集会とデモ「戦争をさせない北海道委員会」総がかり行動に加わりました。▼写真=集会とデモに参加した宗教者と市民(14日夜、札幌大通公園で)

■朝日新聞(9月3日付、道内面)が、当会の活動と集会開催を報じました。こちら

■北海道新聞(9月5日付、夕刊1面)が、当会の活動と集会開催を報じました。 こちら

■北海道新聞(9月11日付)と毎日新聞(同)が、当会の結成集会を報じました。 こちら

■北海道新聞(9月16、17日付)と朝日新聞(18日付)が、当会の座り込み行動を報じました。 こちら

2015年11月座り込み

「19の日」座り込みが11月19日にスタートしました。札幌はもう晩秋から初冬へと移る季節。この日、好天ながら気温は6度でしたが、肌を刺すような寒気の中、熱いメッセージと静かなアピール、力強い決意表明が次々に語られました。そして最後に、「守り抜くぞ平和憲法! 許さないぞ安保法制!」の合唱とコールで締めくくり、「戦争法反対」の行動をつづけることを確認しました。参加者は32人でした。次回は12月19日(土)です。写真=11月19日、北光教会前

朝日新聞と北海道新聞が20日付朝刊で報じています。こちら

2015年12月座り込み

「19の日」座り込み2回目の12月19日。朝から粉雪が舞い散り、気温は氷点下1度、体感温度はマイナス9度!。文字通り「戦争したくなくて」震えるような寒さです。ところが参加者数は前回を大きく上回る41人! 初めての参加者もいました。そして道行く人の中には、歩を止めてチラシを受け取る人も増えてきました。「安保法制」反対の運動はしっかりと根づいていることを実感しました。

参加者全員が順にマイクを握って簡潔なスピーチをするリレートーク。きょうは、たくさんの人から異口同音に安倍批判が語られました。それは、安倍政権の政策だけでなく、安倍首相その人の資質と人格、知性と品格を厳しく問うものでした。ある女性は「キリスト教信者として人の悪口は言うまいと思って生きてきましたが、この人だけは許せません」と、柔らかな声を震わせました。次回は年明けの1月19日(火曜日)です。重装備の防寒具をお忘れなきように。

2015年12月

講演集会「安保法制の今後を考える」を開催

2015年12月26日(土)午後2時から、北海道クリスチャンセンター2階大ホールで講演集会を開催しました。

講演と報告に先立って、当会の活動を記録した映像(結成集会、デモ参加、座り込み)を上映し、その後、結城洋一郎小樽商大名誉教授(憲法学)と大町信也牧師(日本聖公会札幌キリスト教会、当会事務局長)の講演と報告がありました。

結城氏は、「戦争法案の成立によって、戦争開始のボタンを安倍首相がひとりで握ってしまった。こんな政権はなんとしても引きずりおろさなければならない」と訴えました。また、明治期から戦前、戦後、現在に至る立憲主義、民主主義の流れと最近の国際情勢を概説し、戦後右翼の源流はヤクザ・暴力団であり、それが自民党に受け継がれていること、メディアによる悪質なプロパガンダ、世論誘導が進んでいること、などをスライドを使いながら語りました。

大町牧師は、当会の活動発足の経緯と成果を報告し、「道義なき安倍政権」に対抗するために「つづけること、つながること」のたいせつさを力説しました。

参加者は61人でした。クリスマスの翌日、しかも道路がツルツルの「真冬日」でしたが、道内各地(旭川、帯広、新ひだか町など)からも宗教者の方々がかけつけていました。

2016年1月座り込み

日本列島が大雪となった1月19日、3回目の「19の日」座り込みには前回とほぼ同じ40人が参加しました。大通りの向かいに立つテレビ塔も雪化粧し、目の前の道路は排雪運搬車が行き交っていました。寒気が少しゆるんだせいで、教会階段の3メートル上の庇に積もった雪が時折崩れ落ちて、あわや落雪事故! のハプニングもありましたが、ひとりのケガ人も急病人もなく、無事に終了しました。今回の終了は午後1時15分。参加者全員がマイクを握るリレートークで熱弁をふるう人が多かったため、きょうは15分のオーバーとなりました。

リレートークでは、きょうも安倍政権批判がたくさんの人から語られました。そのいくつかを紹介します。

▼慰安婦問題の日韓合意で「不可逆的」とか「最終」という言葉が強調されていたが、慰安婦とされた人たちの苦痛はいつまでも消えず、「不可逆」などあり得ない。強い憤りを覚える。首相は、苦痛にいつまでも向き合い、寄り添う、と言うべきだ。

▼安保法制には、これからもいつまでも、反対していきたい。そのさい、戦争は最大の人権侵害なのだという視点を失わないようにしたい。

▼私はあの戦争で家も親も兄弟もすべて失った。2歳の時だった。戦争は2度と繰り返してはならない。

▼息を吐くようにウソをつく人がまだ首相をやっている。最近、若い人たちの間で「アベる」「アベ過ぎる」という言葉が使われているそうだ。わが家でも時々使っている(笑)。

▼パリのテロ事件の後、シリアが犯人の出身地とされて空爆を受けているが、出身地はじつはベルギーだ。どうしてベルギーを空爆しないのか、と中東のある国のクシーの運転手がこう皮肉った、という新聞記事を読んだ。まさにこれが差別なのだ、差別こそが戦争の根っこにあるのだ、と思った。

▼昨年10月、家人が入っている特養(特別養護老人ホーム)の負担金が月当たり4万5000円も増えた。4500円じゃないですよ、月に4万5000円ですよ。上がった分はどこに行ったのか。

▼座り込みに参加して、みなさんの言葉から勇気をもらっている。

▼3.11直後に茨城から札幌に避難移住してきたが、泊原発のことが気にかかる。皆さん、福島の野菜や魚を買ってますか。泊で事故があったら、北海道の農産物も魚も誰も買わなくなる、農業と漁業は全滅する、そうなると北海道も全滅する。原発の再稼働は絶対に許さない。

2016年2月座り込み

4回目の「19の日」座り込み。雪まつりの雪像はとっくに消え、春の訪れを感じさせる穏やかな日和のなか、初参加の方も含め40人が参加しました。前回からこの1カ月の間に安倍政権と自民党は、スキャンダルや妄言暴言を連発しています。安倍首相の前のめり9条改憲発言、甘利TPP相の黒い金銭疑惑、高市総務相の言論介入発言、島尻北方相の不勉強会見、そして丸川環境相の無知妄言、さらには育休不倫や黒人差別のスキャンダル議員などなど、呆れるばかり。この日の参加者スピーチでは、ますます劣化するアベ政治への批判や憤りが次々に語られていました。

2016年3月座り込み

「安保法制」が成立して6カ月。「19の日」座り込みは5回目となりました。春風はまだ冷たく、曇り空の下、参加者は35人。同じ時間帯にすぐ近くの大通公園で開催された「3.19総がかり行動」(戦争をさせない北海道委員会主催)の集会デモに参加した人もいて、参加数は前回を下回りました。しかし、リレースピーチは途切れることなく40分も続きました。「核使用は憲法で禁止されていない」という内閣法制局長官の驚愕の発言への批判に始まり、「保育所落ちた日本死ね!」に対する言動に象徴される不遜で不誠実なアベへの怒り、そして、5区補選につづく参院選と野党共闘の動きにもっと関心をもとうという呼びかけが続きました。最近、沖縄・辺野古で座り込みをしてきたという女性は、大通公園に向かう途中にたまたま通りがかって参加しました。「巨大な弾薬庫のそばに巨大な海上基地が作られようとしている。抵抗している人たちは肋骨を折られても屈しない。そんな沖縄の現実を視野に入れない闘いは真の民主主義の闘いではない」と訴えました。スピーチの中で、改憲の動きを警戒する声は回を重ねるごとに強くなっています。今回のしめくくりに、当会事務局長の大町信也牧師は、ドイツの政治学者カール・シュミットの学説を引いて、自民党憲法草案にある「緊急事態条項」新設の動きに強い危機感を表明しました。ナチスは、シュミットの『例外条項』理論を利用して、代議制民主主義における『主権』を、ひとりの独裁者に委ねてしまった。それがヒトラーの独裁を可能にした。ナチスの手口というのは、じつはこういうことなのです、と。

2016年3月29日 「戦争法」発動に抗議

「安保法制」が施行された2016年3月29日夜、札幌・大通公園で「戦争をさせない北海道委員会・総がかり行動」が開催されました。私たちは、日本を戦争に巻き込む「戦争法」の施行に強く抗議し、晩春の寒風の中、毅然としてプラカードを掲げました。

2016年4月座り込み

6回目となった「19の日」座り込み。春とは名のみの季節、冷たい小雨が降る中、43人が「安保法制」反対の意志表示をしました。今回は座り込みの列に、いつもの参加者に加えて多彩な顔ぶれがありました。アメリカ人のヨセフ・エアハルト神父と釧路から来られた中村道生神父。沖縄・辺野古で昨年1年間ボート隊とカヌー隊の活動を続けてきたふたりの学生。そして、慰安婦報道をめぐって名誉棄損裁判を闘っている植村隆さん(元朝日新聞記者)でした。第1回口頭弁論(22日、札幌地裁)を3日後に控えている植村さんは、自身が受けた激しいバッシングの背景には安倍首相の考えに通じる危険な動きがある、と訴えていました。いつものリレースピーチは閉会の1時直前まで途切れることなく続きました。今回は、衆院5区補選と熊本地震、原発について語る人が多く、「次回(5月の座り込み)は勝利のお祝い会としましょう」「テレビの地震警報音は、戦前を知ってい人には空襲警報に聞こえるのではないか」「川内原発を停めないと言った環境大臣の顔は死んだような表情だった」「日本はいま地殻変動を起こし、地割れが始まっている」との発言が印象的でした。

「座り込み」ノートに書かれた言葉