kenpou ans 1-17

⑰自民党は、国会議員の3分の2以上の賛成が憲法改正の発議に必要だと規定している憲法96条の改正を提案しています。この規定は、他の国に比べて厳しすぎるのでしょうか。

憲法96条とは、改憲のための手続を述べた条項で、衆参両院の総議員の3分の2以上で憲法の改正を国民に提案し、国民投票によって過半数の賛成を得ることを条件としている。つまり憲法改正のためには次の二重のハードルを乗り越える必要があるわけです。

①衆参両院のそれぞれの議員「3分の2」以上の賛成というハードル

②国民投票での過半数獲得というハードル

改憲派はこの条件が世界的にも厳しすぎると主張していますが、必ずしもそうとは言えません。しかし改憲を実現させた国の多くは、大統領の選出方法や連邦制の在り方などの条項を改正していますが、改憲案を国会で通過させるための条項を改正しようとする国は日本だけです。ドイツは日本と同様、敗戦国でありながら、改憲を59回も行って軍隊を保持したということで、日本も見倣うべきだとする意見もあります。しかし、ドイツはナチスの惨禍を二度と繰り返さないという強い決意で、徹底した謝罪と戦後保障も行い、民主教育を制度的に取り入れています。

万一、96条が改正された場合、安倍政権は国民の大半の合意を得たとして、それを機に改憲へと進むと思われます。