kenpou 22101

① 日本のように経済的に自立した独立国家は、普通は軍隊を持っています。日本が軍隊を持っていないのはおかしいのではないでしょうか。

国家はそれぞれ独立国家としての主権を持っており、独自の選択をすることができます。人道に反すること、国益の追求のために他国を侵略することは国際条約で禁止されていますが、そのために軍隊を持たないという決断は、平和主義の方向から見てむしろ自らに厳しい進歩的な方向ですから、「おかしい」ということはありません。むしろ「おかしい」と言われない国、信頼される国であるためには、多数に合わせる「普通」よりも、この国自身がとっている方針を守ること、ブレないことのほうが重要です。

また、日本の防衛費(海外から見れば軍事費)は、NATO方式で計算すると1980年代にはアメリカに次いで世界第2位から3位になっていました。実質的には十分すぎるほど普通の国になってしまっています。

第二次世界大戦前には、軍隊・軍備は国家にとって欠かせないものと考えられてきましたが、現在では世界中に軍隊のない国が多く実在します。リヒテンシュタインのように経済面から軍隊を廃止する現実的選択をした国、バチカンのように宗教的信念から軍備を持たない国、その他、アイスランドやコスタリカやモナコ公国などが、軍隊を持たずにそれぞれの工夫をしています。

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