kenpou ans 213

③漫画(p.21)には、「“敗戦国”日本のままってことなのか」とありますが、占領下で公布された憲法があると「“敗戦国”」になるのですか。

なりません。さらにいえば、いわゆる自民党改憲草案や自主憲法を制定したとしても、歴史的に敗戦国は敗戦国です。憲法を変えても、過去の歴史を書き換えたり修正したりすることは絶対にできません。

では、この漫画の中の登場人物が言う「敗戦国」が歴史的なものではなく、精神的なものだとしたらどうでしょうか。それでも答えは「(敗戦国には)なりません」です。それはたとえ占領下で交付されたとは言え、また草稿段階でアメリカ側の関与があったとはいえ、国会で承認され交付されたという歴史的事実があるからです。アメリカが公布したわけではありません。もはや、現代を生きる多くの人にとって日本は精神的には敗戦国ではないでしょう。

漫画にあるように、現行憲法が「敗戦した日本にGHQが与えた憲法」で、その憲法がある以上、「いつまで経っても日本は敗戦国」であるから改憲をするということは、その漫画で使われていることばで言えば、「国の形」を「自己否定」的な感情や一種の屈辱感で変えることになります。占領時のものが今も存在し使われているから自分たちが敗戦国のままだという主張は、それこそ自虐的で屈折していると言えるのではないでしょうか。

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