kenpou ans 1-14

⑭日米同盟は現行憲法の枠内でのみ有効でしょうか。

残念ながら、日米同盟に関わるさまざまな条約や密約が現行憲法を超えているという実態があります。

一般市民には隠されたまま、現行憲法に掲げられた3つの大原則、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義がさまざまな日米間の条約、密約の中で崩されていった事実が、アメリカの公文書公開などによりだんだん明らかになってきました。その最たるものが、1951年に下された最高裁における砂川判決で、これにより日米安保条約のような、高度の政治性を有する問題については、憲法判断をしない、ということになりました。しかも、その裁判は、アメリカ政府が日本政府および最高裁判官に向けた政治工作、つまり、内部干渉をした結果の判決です。

日本には、表向きの憲法体系とは別に、一般市民には隠された日米安保法体系があり、日米安保体系が憲法体系を超えるという現状があるのです。いわゆる対米従属の歴史を市民それぞれが本気で議論する時期を迎えているのではないでしょうか。自民党の改憲案では、その議論の場も失われ、集団的自衛権により対米従属がますます進むでしょう。

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