kenpou ans 1-12

⑫万一、憲法が改正されたら、国民の生活はどのように変わるのでしょうか。

万一、2016年7月に行われる予定の参院選で与党が勝利した場合、改憲が具体的になる可能性はあります。ただし、一気に進むのではなく自民党が言っているように「お試し改憲」が行われるかもしれません。まず、改憲のために必要な手続きを規定した96条を改正し、次に「緊急事態条項」を創設すると思われます。

これは、東日本大震災クラスの大災害が起こった場合、一時的に首相にすべての権限を集中させるというものです。予想される「東南海大地震」が起こらない限り、すぐに発動されることはないかもしれませんが、それを機に、次々と条項が改変される可能性があります。

しかし、それ以前に、多くの国民が気づかないうちにすでにかなりの条項が政権の意図通りに変わってきています。たとえば「夫婦同姓を合憲」とした最高裁判決。これこそ今の時代に逆行するような判決ですが、家族制度の復活を目指し男女共同参画を壊そうとする「自民党改憲草案」の主旨と合致しています。

そのほか、学校行事での国歌斉唱を義務付けた教育委員会の通達や政府見解を書かせる教科書検定制度など、大きな世論の反対が起こる前に変わってしまったものも多くあります。

目次に戻る