kenpou ans 1-19

⑲安保法案の際にもすでに解釈改憲ということで成立させました。これが認められるのなら、今の憲法を変える必要はないのではないでしょうか。

安保関連法は、2014年7月の集団的自衛権行使に関する内閣の憲法解釈の変更と2015年4月の日米新ガイドラインの改定を受けて強行採決されました。憲法解釈の変更によって憲法の規範的意味をまったく変えてしまい、憲法改正が行われたのと同様な結果をもたらした違憲の法律が制定されました。多くの市民によって厳しく批判され、廃止を求める世論が継続しています。ではなぜいま、解釈改憲にとどまらず、明文改憲が求められているのでしょうか。その理由は三つあります。

第一は、自衛隊を米軍と行動させるところまでは、解釈改憲で可能であっても、いざ日本が戦争に参加するとなれば、日本国憲法の全体系がそれに立ちはだかるからです。

第二は、安倍政権が望んでいる軍事大国としての完成には、非常事態規定をはじめとした憲法の全面的改変が不可避だからです。

第三は、政府がすすめている解釈改憲に対する強い異論の下では、集団的自衛権行使をはじめとして、当初政府が想定していた憲法の全面改変ができなくなりつつあり、再び解釈改憲の限界に悩まされるからです。

ですから、安倍政権は、アメリカや財界が必ずしも望んでいない明文改憲に突き進もうとしているのです。

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