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④この憲法のもとで戦後70年もの間、平和が続きました。ここで憲法改正をするということ自体に不安を感じるという市民、危険だと指摘する有識者が大勢います。それはなぜでしょうか。

現在示されている改憲草案の内容や、各種委員会・調査会などの記録にある数々の発言から、この改憲草案は大日本帝国憲法(明治憲法)のような憲法への逆戻りを目指していることがわかるからです。

現行憲法には大きな柱があります。「日本国憲法の三原則」、つまり a.人権尊重主義 b.平和主義 c.国民主権主義 の3つです。

これらが改憲によって失われるかもしれないという危機感を肌で感じる市民が多く、専門家の間でも、現在示されている改憲草案では現行憲法の三原則が崩れてしまい、近代憲法・近代国家の体をなさなくなる、との指摘が多いのです。

その不安感・危機感については、現政権に重大な責任があります。

これまでの「TPP交渉」や「集団的自衛権」をめぐる議論、「安保法」の決定といった一連の政権の動きをみると、当初国民に約束したこととは異なる方向へ進んでいるのが明らかです。こうしたことから、現政権が「立憲主義」――国家は国民との関係を守るために、憲法を守り憲法を踏み外さない、というルールを守っていくかどうか、不安に感じる(安心できない)という市民は多くなっています。安倍政権は「平和主義を守り、戦争をする国にはしない」と言っていますが、その言葉を信じられないと感じる人が増えているのです。

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