仲裁ADR法学会の設立について

司法制度改革がわが国の各方面で急速に進行するなか,新しい「仲裁法」が2004年3月1日に施行されました。同法は,UNCITRAL仲裁モデル法を可能な限り忠実に採用したものであり,わが国は,これによって,国内的には,明治23年制定の民事訴訟法第8編「仲裁手続」を超克するとともに,国際的には,45番目のモデル法採用国として認知されるに至りました。他方,ADRについても,2004年第161回臨時国会において「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」が成立しました。

このような情勢に鑑み,かねて唱えられておりました仲裁法やADR法に関する学会を作ってはどうかという多くの声に応えるべく,広く仲裁法・ADR法の研究者や実務家,その他これに関心を有する方々のご賛同・ご参加をいただき,2004年10月23日に「仲裁ADR法学会」が設立されました。

わが国における仲裁やADRの実務が今後いっそう活性化し,国民にとって「裁判と並ぶ魅力的な選択肢」(司法制度改革審議会意見)となるためには,国際的評価にも耐えうる確乎とした理論的裏づけが必要であることは言うまでもありません。しかし,日本における仲裁法やADR法に関する研究は,たとえば民事訴訟法の領域と比べてみれば明らかなように,これまで必ずしも十分であったとは申せません。そこで,この分野の研究をより向上発展させるためには,仲裁法やADR法に関する研究者・実務家が,互いに切磋琢磨してその研究成果を競い合う共通のフォーラムを設けることが必須でありましょう。学会の設立は,そのようなニーズに応える有効な手段であると考えます。

仲裁ADR法学会は,仲裁法・ADR法に関する研究発表や情報交換の場を提供することを通じ,仲裁法・ADR法に関する研究や実務の発展に寄与することを目的としております。また,仲裁法の研究者・実務家はもとより,ADR(民事調停・家事調停,行政型・民間型ADRを含む。)に関する法律の研究者やその実務に携わる方,その他これに関心を有する人々に広く門戸を開いた学会です。

このような学会設立の趣旨にご賛同いただき,さらに多くの方々のご参加が得られれば幸いに存じます。 

仲裁ADR法学会

理事長 青山善充

【入会等の問い合わせ先】

仲裁ADR法学会 事務局( 商事法務 内   )

Fax 03-6262-6791

E-mail adr@shojihomu.or.jp