第10回仲裁ADR法学会大会実施報告

第10回大会は、2014年7月12日(土)12:30~17:30、同志社大学を開催校として、同大学今出川キャンパス良心館107教室において開催された。

一 個別報告およびシンポジウム

1.個別報告(12:30~14:20)

(1)林 真貴子 会員(近畿大学)

「歴史から見た日本のADRの諸相」

(2)仁木 恒夫 会員(大阪大学)

「対話型調停の事例分析」

2.シンポジウム(15:00~17:30)

「法専門職とADR−<法>と<法外>、そして<自律>と<他律>の狭間で」

_司会 : 大澤 恒夫 会員(同志社大学)

報告者 : 泉__房穂 会員(明石市長)

_________ 大倉 健司 会員(東京土地家屋調査士会)

_________ 小原 正敏 会員(大阪弁護士会)

神坪 浩喜 会員(民事調停官)

茶谷 幸彦 会員(原子力賠償ADR調査官)

コメンテーター:_ 棚瀬 孝雄 会員(京都大学名誉教授)

二 総会議事

個別報告終了後、同志社大学今出川キャンパス良心館107教室において総会が開催され、以下の議事が上程された。

(1)2013年度会計報告について

大澤恒夫・会計担当理事より、配布資料(会計報告書)に基づき、2013年度収支決算報告がなされた。続いて、伊藤眞監事より収支決算報告が適正であると認める旨の監査報告がされた。いずれも異議なく承認された。

(2)理事の新任について

草野芳郎理事長より、理事の転任、会長職の変更に伴い、1名の理事の交代について、金田修理事に代わり、全国社会保険労務士会連合会会長大西健造氏を理事(大西氏の任期は金田理事の残任期間)とすること、役員会にてご了承を得た旨を述べ、異議なく承認された。

(3)学会誌について

草野芳郎理事長より、学会誌『仲裁とADR』第9号が2014年6月9日に刊行され、各会員に宛てて郵送された旨の報告がなされた。

また、第10号については、雑誌担当理事を中心として編集方針を決定し、準備中である旨の報告がなされ、異議なく了承された。

(4)第11回仲裁ADR法学会大会について

草野芳郎理事長より、次回大会(2015年度)については、2015年7月11日に学習院大学を開催校とすること、シンポジウムのテーマは「倒産ADR」であることが報告され、異議なく了承された。

Ⅱ 仲裁とADR

2014年6月9日、学会誌『仲裁とADR』第9号を刊行した。掲載内容は以下のとおりである。

【論 説】

高齢消費者の被害救済のための地域的ネットワークの必要性 守屋明

仲裁合意の分離独立性について 中野俊一郞

【実務の潮流】

家事調停事件の現状と課題

――東京家庭裁判所における家事調停実務を中心として 秋吉仁美

法律実務家が自主交渉援助型調停を学ぶ意義 權田光洋

【ケース研究】

札幌司法書士会 ADRセンターの特徴と事例から見る課題 橋本健二郎

【海外文献紹介】

Harold I. Abramson, Mediation representation second edition (Oxford University Inc. 2011), XXIX+436pp. 田中圭子

古嘉諄・.世芳・林怡芳・陳希佳・鄭曉如、民事調解理論與技巧:100個重要問題(台湾本土法学雑誌有限公司,2011),223pp. 韓 寧

【ADR機関便り】

住宅紛争処理支援センターの業務 工藤忠良

自転車関連団体による自転車ADRセンター 田中栄作

【個別報告】

家事調停の解決構造とその特徴

――自主交渉援助型調停との比較の視点から 飯田邦男

立教大学観光ADRセンターの試み 川添利賢

【シンポジウム】

ADR法の改正課題

〔司 会〕徳田和幸

〔報告者〕山田 文・和田直人・渡部美由紀・垣内秀介・濵田陽子

【投 稿】

<実務の潮流>「事業再生特定調停」に関する一試論 濱田芳貴

<資 料>フェリックス・シュテフェック、ハンネス・ウンベラートほか

「紛争解決の規律のためのガイド」 垣内秀介