第11回仲裁ADR法学会大会実施報告

第11回大会は、2015年7月11日(土)12:30~17:30、学習院大学を開催校として、同大学目白キャンパス西2号館201号教室において開催された。

一 個別報告およびシンポジウム

1.個別報告(12:30~14:20)

(1)「紛争解決の第一段階(一応の解決)と第二段階(真の解決)」 廣田 尚久 会員(弁護士)

(2)「専門家社会におけるコミュニケーションの位相」 石崎 雅人 会員(東京大学)

2.シンポジウム(15:00~17:30)

「事業再生のツールとしての倒産ADR——挑戦するADR」

司会 中島 弘雅 会員(慶應義塾大学)

報告者 富永 浩明 会員(事業再生実務家協会理事,弁護士)

加藤 寛史 会員(中小企業再生支援全国本部プロジェクトマネージャー,弁護士)

濱田 芳貴 会員(弁護士)

コメンテーター 山本 和彦 会員(一橋大学)

二 総会議事

個別報告終了後、学習院大学目白キャンパス西2号館201号教室において総会が開催され、以下の議事が上程された。

(1)2014年度会計報告について

大澤恒夫・会計担当理事より、配布資料(会計報告書)に基づき、2014年度収支決算報告がなされた。続いて、伊藤眞監事より収支決算報告が適正であると認める旨の監査報告がされた。いずれも異議なく承認された。

(2)理事の新任について

草野芳郎理事長より、理事の転任、会長職の変更等に伴い、6名の理事の交代について、秋吉仁美理事に代わり、東京家庭裁判所裁判官森邦明氏を理事(森氏の任期は秋吉理事の残任期間)とすること、植垣勝裕理事に代わり、東京地方裁判所裁判官齋藤繁道氏を理事(齋藤氏の任期は植垣理事の残任期間)とすること、古谷史旺理事に代わり、日本弁理士会会長伊丹勝氏を理事(伊丹氏の任期は古谷理事の残任期間)とすること、北山孝次理事に代わり、日本行政書士会連合会会長遠田和夫氏を理事(遠田氏の任期は北山理事の残任期間)とすること、齋木賢二理事に代わり、日本司法書士会連合会会長三河尻和夫氏を理事(三河尻氏の任期は齋木理事の残任期間)とすること、横川浩理事に代わり、一般社団法人日本商事仲裁協会理事長青木宏道氏を理事(青木氏の任期は横川理事の残任期間)とすること、役員会にてご了承を得た旨を述べ、異議なく承認された。

(3)学会誌について

草野芳郎理事長より、学会誌『仲裁とADR』第10号が2015年6月10日に刊行され、各会員に宛てて郵送された旨の報告がなされた。

また、第11号については、雑誌担当理事を中心として編集方針を決定し、準備中である旨の報告がなされ、異議なく了承された。

(4)第12回仲裁ADR法学会大会について

草野芳郎理事長より、次回大会(2016年度)については、2016年7月9日に東洋大学を開催校とすること、シンポジウムのテーマは「仲裁」であることが報告され、異議なく了承された。

Ⅱ 仲裁とADR

2015年6月10日、学会誌『仲裁とADR』第10号を刊行した。掲載内容は以下のとおりである。

【論 説】

_倒産手続における仲裁合意_______________杉山悦子

_ADRの専門性――労働審判制度を素材として――_____佐藤岩夫

【実務の潮流】

_JCAAの商事仲裁規則の改正とその意義と影響 大貫雅晴

_日本人から見た原子力発電所事故の損害賠償 太田勝造

【ケース研究】

_社労士会労働紛争解決センターの運営について______全国社会保険労務士会連合会

_「医療紛争相談センター」の活動実績と今後の展望 ____山口祐輔

【海外文献紹介】

Gero von Jhering, Die Wirkung von Schiedsvereinbarungen, Schiedsklauseln und Schiedssprüchen im Gesellschaftrecht 酒井 一

Catherine A. Rogers, Ethics in International Arbitration (Oxford University Press, 2014), xxii+386 森下哲朗

【ADR機関便り】

電気通信紛争処理委員会による紛争処理の概要 総務省電気通信紛争処理委員会事務局

証券・金融商品あっせん相談センターの業務 松川忠晴

【個別報告】

歴史から見た日本のADRの諸相――1930年代の金銭債務臨時調停を中心に―― 林真貴子

対話調停による紛争処理 仁木恒夫

【シンポジウム】

法専門職とADR――〈法〉と〈法外〉、そして〈自律〉と〈他律〉の狭間で

〔司会〕大澤恒夫

〔報告者〕大倉健司・茶谷幸彦・神坪浩喜・小原正敏・泉 房穂

〔コメンテーター〕棚瀬孝雄

【紹 介】

インターカレッジ・ネゴシエーション・コンペティション 森下哲朗