フランス革命から新しい時代へ
~文学・絵画・音楽・時代を彩る芸術家たちの絆~
第2回 写実主義 ゾラ、クールべ、マネと社会主義
第2回 フランス文学講座報告:「写実主義」の誕生とその光と影
秋日和の11月7日(金)、「写実主義」をテーマにフランス文学講座の第2回が実施されました。前回の「ロマン主義」の振り返りから始まった講義は、文学と芸術の転換期を鮮やかに描き出しました。
感情から「観察と実験」へ
講義はまず、第1回で扱った「ロマン主義」の再確認からスタート。伝統的な規範よりも個人の内面や「感情」を重視したロマン主義に対し、19世紀の激動のフランス社会(帝政、王政の興亡を経て1848年の二月革命に至る時代)が新たな潮流を育てます。
それこそが「写実主義(レアリスム)」です。
エミール・ゾラ『美術論集』の引用を通して、写実主義の本質が深く掘り下げられました。ロマン主義の小説が「単なる想像力」から生まれたのに対し、写実主義は「観察と実験」に裏付けられた科学的なアプローチを取ります。
井上先生からは、受講生に向けて『皆さんは「思いつきで書く(ロマン主義の)人」と「科学的根拠にもとづいて書く(写実主義の)人」のどちら派ですか?』という文学観を問う興味深い問いかけがありました。受講生の方々が、この二つの創作哲学の対立にどのように向き合ったのか、会場の熱気が伝わります。
スタンダールやバルザックといった馴染み深い作家・作品が多数登場し、受講生の皆様は熱心に聞き入られ、時には深く頷かれていました。
名画が語る「現実」:美術史との交差
文学のみならず、ミレー、コロー、クールベといった写実主義の旗手たちの名画も多数紹介されました。先生が現地フランスの美術館に足を運ばれ、実際に鑑賞されたからこその貴重なエピソードも披露され、受講生は絵画の背景にある物語に引き込まれました。
特に興味深かったのは、ミレーとゴッホの「種まく人」の比較です。先生はゴッホの表現を高く評価されているそうで、受講生の皆様の好みがどちらにあったのかも気になるところです。また、現実の風景を描く風景画の地位向上に、戸外での写生を可能にしたチューブ入り絵の具の開発が寄与したという、技術と芸術の関係性についての話も、新たな視点を与えてくれました。
ゾラとマネの複雑な関係
講義後半は、画壇の異端児であったエドゥアール・マネに対するゾラの評価の変遷をなぞる、文学史・美術史上も重要なテーマでした。
ゾラは、現実を写す写実主義を、安易に「社会批判」といった道徳的意味づけで捉えることに反対していました。「草上の昼食」や「オランピア」などで世間から激しい批判を浴びたマネ(の自由な気質)を一貫して擁護していたゾラでしたが、最後にはマネの芸術を批判するに至ったという、二人の知られざる複雑な関係性とその背景が詳細に解説されました。
井上先生のいつもながらのテンポの良い語り口と、たくさんの視覚資料が繰り広げられ、あっという間に過ぎた二時間は大満足の充実した内容となりました。
次回予告
次回、第3回は12月5日(金)に「マラルメの火曜会」をテーマとして行われます。マネ、ベルト・モリゾ、ヴァレリー、ルドンといった豪華な顔ぶれを中心に、象徴主義の世界へと足を踏み入れます。どうぞご期待ください。
(2025.11.09)
第1回 ロマン主義 ユゴー、ドラクロア、ショパン、ジョルジョ・サンド
10月3日、秋季フランス文学講座「フランス革命から新しい時代へ〜文学・絵画・音楽、時代を彩る芸術家たちの絆〜」(全6回)の第1回講座が開講しました。
当日は、初回にあたり開講式が行われ、木村理事より開講の挨拶をいただきました。
第一回のテーマは「ロマン主義」です。井上先生は、フランス革命(1789年)以降の激動する社会情勢を背景に、文学・絵画・音楽の有名な作品がどのように生まれたかを、わかりやすく解説されました。
従来の古典主義が規則遵守や先人への敬意を重んじたのに対し、ロマン主義は「今(自分)を重んじ、感じたままに表現する」という、価値観の大転換をもたらしました。先生からの「皆さんはどう思われますか?」「どちらがいいですか?」といった問いかけやクイズ形式のお話に、教室内は盛り上がり、受講者一人ひとりが芸術の潮流の変化を深く考える機会となりました。
講義は、このロマン主義の時代を象徴するユゴー、ドラクロワ、ショパン、ジョルジュ・サンドの四人の芸術家を軸に進められました。
特に中心となったのが作家のジョルジュ・サンドです。彼女が男性名(ジョルジュ)を筆名とし、男装していたのは、当時の男性優位社会への明確な反発の表れであったとのこと。彼女を中心とした四人の芸術家たちのさまざまな交友関係が、多くの作品を生み出す土壌となったことがよく理解できました。
講座では、夏の研修旅行で訪問されたリヨン美術館や旧市街(世界遺産)、サン・テグジュペリにまつわる興味深いスライドやお話も紹介されました。
今回もまた、思わず引き込まれるような「こぼれ話」が盛りだくさんでした。
画家ドラクロワが描いた有名な「ショパンの肖像」と「サンドの肖像」が、実は元々一枚の絵であったという驚きの事実。
マヨルカ島東のメノルカ島のマオンで作られたソースが「マヨネーズ」の語源であるという話。
多くのスライドと盛りだくさんの作品紹介、そして先生の素晴らしいフランス詩の朗読もたっぷりと聴かせていただけて、あっという間に時間が経つ、楽しく実り多い講座となりました。作品を「もっと調べよう、読もう」という意欲が湧く、素晴らしい講義内容でした。
次回予告
今後も、たくさんの芸術家の作品と交流を教えていただけるのが待ち遠しいです。
次回:第2回講座
日時: 11月7日(木)午前10時より
テーマ: 「写実主義:ゾラ、クールベ、マネと社会思想」
(2025.10.04)
フランス文学における
ノーベル賞受賞作品Ⅰ
第6回 アニー・エルノー『シンプルな情熱』
9月26日金曜日、第六回フランス文学講座が開催されました。
春季講座の最終回は、アニー・エルノーの「シンプルな情熱」を読み解きました。
2022年にノーベル文学賞を受賞したエルノー(1940年生まれ)は、今期取り上げた作家で唯一の存命者です。
モンサンミッシェルで名高いノルマンディー生まれで、同郷には音楽家エリック・サティがいます。また、ノルマンディーはリンゴの名産地としても知られています。
「シンプルな情熱」は、主人公である「私」が、外国人かつ妻帯者である「A」との1年間の激しい恋愛を赤裸々に語る作品です。
講座で示された作品のポイントは「自伝的作品における"私"と一般性」でした。自分という個人(単一性)が社会的に一般化され、普遍性に達することの重要性が解説されました。
作品発表当時、女性評論家からの圧倒的な支持を得たばかりか、男性からも多くの賛辞が寄せられたそうです。
また、エルノーのノーベル賞受賞スピーチやエルノー研究家(森千夏さん)の言葉の紹介もあり、彼女の受賞がフランスでいかに喜ばれたのかがよく理解できました。
1991年発表の本作品には、アラン・ドロン、サンローランといった有名な名前が登場します。大島渚の「愛のコリーダ」、ベルリンの壁崩壊後、チャウシェスク政権、湾岸戦争など、記憶に新しい社会情勢も散りばめられており、実感を持って作品世界に浸りました。
井上先生が留学中に経験された現地の日常生活(交通・郵便のストライキなど)のお話も、作品の理解を深めてくれました。
ラストシーンでは、1年間の恋愛を経ての主人公の変化〜①待つ女から待たない女へ、②「今」がない女から「今」を生きる女へ〜が一般化され、物語は完結します。作品名の通りシンプルで読み解きやすく、共感しやすい作品でした。
講座の最後には、井上先生のリヨン語学研修のお話もありました。
リヨンからニース、コルシカ島、ボルドー、パリと巡った各地での作家・作品にまつわる研修の様子、風景、美術、食卓など…「もっとたくさん聴きたい!」と名残を惜しみつつ、充実した講座を終えることができました。
(2025.09.26)
新たなる時代への扉を開いた芸術家たちの情熱と絆を、ご一緒に探りましょう。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。どうぞ、お楽しみに!
フランス文学における
ノーベル賞受賞作品Ⅰ
第5回 アルベール・カミュ『転落』
フランス文学講座第5回が、8月1日金曜日に開催されました。今回のテーマは、アルベール・カミュの『転落』です。
『異邦人』(1942年)、『ペスト』(1947年)などで知られるカミュ(1913-1960)は、若くして不慮の交通事故で亡くなりました。7歳頃から結核を患い生涯苦しめられながらも、1957年にはノーベル文学賞を受賞しています。
井上先生からは、端正な顔立ちの作者写真を紹介しながら「さらに多くの素晴らしい作品を世に出せたはずなのに、事故死はとても残念!」というお話から講義が始まりました。
『異邦人』がフランス語における最初の口語体作品であり、日本文学で言えば二葉亭四迷の『浮雲』に当たると教えていただきました。また、1951年にはサルトルと絶交した「カミュ・サルトル論争」も有名で、まさに文壇の寵児であったとのことです。
『転落(La chute)』(1956年)は、「わたし」がフランス人の聞き手に対して一方的に語り続ける形式の作品です。作中に散りばめられたキーワードや多くの伏線が巧みに仕掛けられ、様々な「種まき」がなされた後、最後に全てが繋がり明らかになります。聞き手の正体も、物語の終盤で判明します。
作品名の「転落」には、人生における転落と、河への実際の転落という二重の意味が重なり合っています。
先生がポイントとして挙げられた「裁き手にして改悛者」という言葉は、他人を糾弾することは自分自身を裁くことに繋がるという深い意味を示唆していました。さらに、高みを目指して生き、やがて闇に落ちていく「わたし」の転落など、本当に深みのある難解な内容でした。
視覚資料として、作品に大きく関わる多くの絵画も紹介されました。アンドレア・ベル・デロッキの『キリストの洗礼』、レオナルド・ダ・ヴィンチの『洗礼者ヨハネ』、ギュスターヴ・モローの『出現』、ファン・アイクの『神秘の子羊』などが挙げられ、作品の理解を深める一助となりました。
講義は、いつもながらの分かりやすく軽妙な先生の語り口で進み、作品を丁寧に読み解いていただきました。暑さ厳しい8月最初の開催日でしたが、受講生の皆さんの前向きな姿勢がひしひしと伝わる講座でした。
秋季講座の受講申し込みが8月18日から始まります。先生からそのテーマについても説明がありました。『フランス革命から新しい時代へ』と題し、文学史、絵画史、音楽史の流れの中で、芸術家たちの交流がクロスオーバーして紹介されるとのことです。
毎回、参考文献の予告紹介もあるため、楽しみにされている受講生の方の声も聞かれました。
次回の第6回は、アニー・エルノーの『シンプルな情熱』がテーマです。
次回に限り、開催曜日と時間が変更となりますのでご注意ください。
開催日:9月26日金曜日(第四金曜日)
時間:午後1時~3時
受講生の皆さんは、くれぐれもお間違えのないようご参集ください。
(2025.08.01)
フランス文学における
ノーベル賞受賞作品Ⅰ
第4回 クロード・シモン『フランドルへの道』
7月4日、春季フランス文学講座の第4回が開催され、クロード・シモンの「フランドルへの道」をテーマに講義が行われました。
シモンは1913年マダガスカル生まれの作家で、1985年にノーベル文学賞を受賞しました。2005年に亡くなる数年前まで精力的に執筆活動を続け、彼の作品は従来の小説の形を打ち破るものとして、文壇に大きな衝撃を与えました。
講義は19世紀以降の小説の歴史から始まりました。19世紀は、ヴィクトル・ユゴーやオノレ・ド・バルザックに代表される、いわゆる「読めばわかる小説」の時代でした。しかし、20世紀に入ると、ジャン=ポール・サルトルを皮切りに「ヌーヴォー・ロマン(新しい小説)」が登場します。この運動の作家たちは、前世紀的な伝統に「ノー!」を突きつけ、それぞれ独自の方法でこれまでの小説の形を意識的に破壊していきました。
井上先生は、フランス語の「新しい」という言葉について、男性名詞に付く「ヌーヴォー」と女性名詞に付く「ヌーベル」の例を挙げられました。例えば、「ボジョレ・ヌーヴォー」「ヌーヴォー・ロマン」、そして「ヌーベル・バーグ」「ヌーベル・キュイジーヌ」などです。
本作品「フランドルへの道」では、第一次世界大戦後に恋人と過ごす主人公ジョルジュの「回想」が描かれます。この回想は、戦前・戦中・戦後を自由かつ脈絡なく行き来し、記憶が次々と転換するため、非常に難解な内容となっています。
作品名の「フランドル」は、ベルギー西部、オランダ南西部、フランス北東部にまたがる地域を指し、英語では「フランダース」と表記されます。使用されているフラマン語はゲルマン語系で、ドイツ語と英語が混ざったような言語だそうです。先生は例として、「ありがとう」が「ダンキュー(ダンケシェーン+サンキュー)」であると教えてくださいました。
井上先生は、作者のインタビュー記事や様々なエピソードを交えながら、難解な作品を丁寧に解説してくださいました。受講された皆さんは、時間を忘れて作品の世界に引き込まれているようでした。
また、井上先生からは10月に開講する秋季講座の内容についてもご紹介がありました。来季の講座を心待ちにしている皆さんは、和やかな笑顔で聴き入っておられました。本当に秋が楽しみです。
次回の講座は8月1日に開催予定で、第5回としてアルベール・カミュの「転落」がテーマとなります。
(2025.07.04)
フランス文学における
ノーベル賞受賞作品Ⅰ
第3回 フランソワ・モーリヤック 『テレーズ・デスケルウ 』
春季フランス文学講座の第3回が6月6日に開かれ、フランソワ・モーリヤックの『テレーズ・デスケルウ』が取り上げられました。
モーリヤックは、1952年のノーベル文学賞受賞やレジオン・ドヌール勲章受章など数々の栄誉に輝き、その葬儀はノートルダム寺院で盛大に執り行われました。出身はワインの名産地として名高いボルドーです。講義では、講師の井上先生からフランスの地図と共に、ボルドー産とブルゴーニュ産ワインの写真が示され、瓶の形状の違いや見分け方についても解説がありました。
作品は、夫を毒殺しようとした妻テレーズの回想から、夫への告解を経て家を出るまでを描いています。講義では、小説を貫くテーマである「告解」が丁寧に読み解かれ、夫に許しを請うも心が通い合わず、幸せになれなかったテレーズの心情が深く掘り下げられました。
また、日本文学への影響の大きさも本講座の重要なポイントでした。三島由紀夫が東京大学の討論会で本作に言及したエピソードや、遠藤周作の翻訳に主人公テレーズへの強い共感が如実に表れていることなど、興味深いお話に引き込まれました。
井上先生の軽妙な語り口は健在で、日常生活に結びついたエピソードや作品の映画化の話など、時折ブレイクタイムを挟みながら、今回も大変分かりやすく楽しい講義でした。
(2025.06.06)
フランス文学における
ノーベル賞受賞作品Ⅰ
第2回 アンドレ・ジッド『地の糧』
春季フランス文学講座の第2回講座が5月2日、アンドレ・ジッド『地の糧』をテーマに開かれました。
講座は、アンドレ・ジッドの『地の糧』と続編として構想された『背徳者』を比較しながらの読み解きでした。
「書を捨てよ、町へ出よう」という鮮烈なメッセージは、机上の学問から解放され、生の体験を通して「今ここ」を生きるという、ジッドの思想の中核をなすものです。
井上先生は、自分の中にいる神と共に「新しい存在」として生きることであると、分かり易く丁寧な言葉で説明してくださいました。
『背徳者』のキーワードが「所有」であり、「人は既に神を所有している=神を見ている」という視点は、『地の糧』で語られた「自分の中にいる神」という考えと深く共鳴しているのです。
二つの作品が根底で同じことを語っているという井上先生の解説は、ジッドの思想をより深く理解する上で重要なポイントだったと思います。
地図や絵画など多くの写真が映し出されて、クイズやフランス語のこぼれ話も交えられた講義は、まさに五感を刺激するような、あっという間の充実した時間でした。
文学作品の世界が、より身近に感じられたのではないでしょうか。
次回の講座も楽しみです。次のテーマでは、どのような新しい発見があるのか、興味津々です。(2025.05.02)
フランス文学におけるノーベル賞受賞作品Ⅰ
春季フランス文学講座の第1回講座が4月4日、ロマン・ロランの「魅せられたる魂」をテーマに開かれました。
当日は春季講座の初回にあたり、石原田節子担当理事より開講の挨拶をいただきました。
講座は、今季のテーマである「フランス文学におけるノーベル賞受賞作品」についての説明とフランス語圏からの受賞者19名についての解説から始まりました。
今回の作品である『魅せられたる魂』は、ロマン・ロラン代表作の一つで「ジャン・クリストフ」とは共通点が多く双子のような関係にあります。
第一次世界大戦前後に愛と自由に生きたアンネット、異母妹シルヴィ、息子マルクの関係を中心に読み解いていきました。
2024年度秋季講座のスライド資料
秋季フランス文学講座の第5回講座が3月28日、『失われた時を求めて』より『スワン家のほうへ』のジルベルトと『消え去ったアルベルチーヌ』をテーマに開かれました。
『失われた時を求めて』は、マルセル・プルースト(1871~1922)の畢生(ひっせい)の大作です。
主人公でありながら、その名前を誰も呼ばない、そして文字にも表されない「私」とジルベルトとアルベルチーヌとの関わりが長い物語全体を通して描かれています。
「私」と二人のヒロインの恋心が生き違ってばかりで、決して重なることなく移り変わっていく様子を読み解いていただく講義でした。
(2025.03.28)
秋季講座は今回が最終回となりました。
来たる4月から開始される春季講座は『フランス文学におけるノーベル賞受賞作品Ⅰ』と題し、毎月第1金曜日に実施します。
第1回講座は、4月4日にロマン・ロラン『魅せられたる魂』をテーマに開講します。
講師の井上先生の意気込みも大きく、内容が楽しみです。ご期待ください!
秋季フランス文学講座の第5回講座が2月28日、『狭き門』と『チボー家の人々』をテーマに開かれました。
今回テーマとなるヒロインは『狭き門』のアリサと『チボー家の人々』のラシェルです。
『狭き門』は、アンドレ・ジッド(1869~1951)が1909年に発表した作品です。1947年にはノーベル文学書を受賞します。
『チボー家の人々』は、ロジェ・マルタン=デュ=ガール(1881~1958)による8作からなる作品です。今回は、「美しい季節Ⅰ、Ⅱ」と「エピローグⅠ、Ⅱ」を紹介します。
(2025.02.28)
秋季フランス文学講座の第1回講座が10月25日、『マノン・レスコー』『椿姫』をテーマに開かれました。
当日は、秋季講座の初回にあたり、石原田節子担当理事より開講のご挨拶をいただきました。
講義は、フランス文学の代表的なヒロインである『マノン・レスコー』と『マノン・レスコー』に影響を受けた作品『椿姫』を読み解いていただきました。
この2作品に共通しているポイントは、主人公のマノンもマルグリットも低い身分の出身の娼婦(プロスティテュエ)です。マノンは常に高貴な雰囲気を漂わせた女性として描かれ、マルグリットも貴族を相手にしており、二人はあくまでも高級娼婦(クルチザンヌ)として示されています。(2024.10.25.)