講座生の皆さんの

 楽しいカレッジ ライフ

講座生の皆さんに本校でのカレッジライフについてお話を伺いました。

大台常雄さん(歴史を楽しむ科・火曜コース)

コロナ前にスタート

大台さんがCITYカレッジと出会ったきっかけは、他の高齢者向けの講座でクラスメイトだった方が「総合文化科」の受講生だったこと。その方から体験講座の案内の話を聞き、参加した講座が、液体窒素を使った実験や葉脈の拓本をとる講座で大変興味を持ち、受講を決められたそうです。

2019年10月に大阪教育大学の校舎での総合文化科1年次からスタート(この頃は10月始まりでした)されたのですが、2020年に入ってコロナ禍のために休講。1年次を終えるのに1年半かかりました。2021年度に2年次を受講後、歴史を楽しむ科を続けて3期受講されています。年間講座だけではなく、総合文化科で講師をされている井上先生の水彩画教室に2年、短期講座の「世界遺産」、プレ講座の「西洋美術講座」も受講されています。

 

知的好奇心を満たせる講義

3期続けて「歴史」の講座を受講されている大台さんは、歴史がお好きで、時代小説を読むことも多いそうです。講義の中で知らなかった分野や、新しい史実に基づく説明があったりして、今までの認識が覆ることがあったり、再認識することもあったり、講義内容は大変興味深いものがあると感じておられるそうです。例えば、坂本龍馬は千葉道場で修行して剣では北辰一刀流の免許皆伝と思っていたけれど、刀でなく、なぎなたの方の免許皆伝だったと聞いてびっくりされたとか。(「史実」と「小説の中の常識」は違うもののようですね)

講義を聞いた後、特に興味が沸いた時に、大台さんは、関連した資料や本を読んだりもされているそうです。こういう事をすることで知的好奇心を十分満足させられると、大変楽しんでおられるご様子でした。

 

仲間づくりの喜び

 もう一つ大台さんが良かったと思っていらっしゃるのが「仲間づくり」です。自分の班や、他の班の方々とクラスの行事、活動、懇親会等を通して全く利害関係の無い同じジェネレーションの方々と知り合いになって仲間づくりができることが良かったと感じておられるそうです。 

 総合文化科1年次の時には副班長、2年次では班長、歴史になってからは企画委員長や班長といろいろな役割を担って下さっています。そんな中で感じておられるのが「多くの方々の協力」だそうです。

 例えば、企画委員長をされていた時に企画した研修旅行では、伏見の酒造りの工程見学で、工場側から「説明はできない」と言われたけれど、クラスの中に詳しい方が数人おられて、その方々が説明をして下さって、とても良かったこと。淡路のバス旅行では、強風のために明石大橋が通行止めになるところを皆さんの協力で行程を割愛して時間内に橋を渡ることができ、無事に帰阪できたこと。クラス行事をみんなで成し遂げる喜びを味わうことができたと話されていました。

 

修了後も続く繋がり

 総合文化科の2年間はコロナ禍でしたが、仲間づくりには最適だったそうです。クラスのほとんどの方の名前と顔が分かり、お友達もたくさんできたとおっしゃっておられました。その当時のクラスの多くのメンバーがグループラインに属していて、今でも、毎月「路地巡り」と懇親飲み会が定例化して3年近く継続しておられるそうです。 また、歴史の各年次でも、班ごとの同窓会が開催され近況を語り合い旧交を深めておられるそうです。 

 大台さんの1週間は、2日の仕事と1日のテニスで汗をかく日、習い事やカレッジで仲間意識を持って語らい学ぶ日。そして終わってからの懇親会でストレスのない楽しい時を過ごす。この生活リズムが活力の基になっているそうです。 

(2024.8.6)

廉祥子さん(歴史を楽しむ科・月曜コース1期)

3年間皆勤賞!

廉さんがシニアCITYカレッジと出会ったのは3年前。もともと歴史が好きだったそうですが、「総合文化科」が入りやすいと聞いて、最初は小手調べ的にその科に行くことにしたそうです。ところが、この科には、今まで興味の無かった幅広い世界の講座が組まれていて、毎回とても楽しみに通われ、楽しく2年間を過ごし、皆勤賞も受けられたそうです。

翌年、いよいよ自分の行きたかった「歴史」に申し込んだところ、見事に外れ。しかたなく「文学」を受講されました。あまり気が進まないままの受講だったそうですが、これがまた侮るなかれ!の充実したカリキュラムで、本箱の中に眠っていた「平家物語」などを読み返したとか。この年も見事に皆勤賞を受賞されました。

そしていよいよ今年度は、念願の「歴史」の講座を受講できることになりました。今年度も皆勤賞を目指されているそうです。

 

なんのしがらみもないお付き合い

シニアCITYカレッジは午前も午後も授業があって、「知りたい!学びたい!」と思う気持ちとピッタリ一致し、内容もとても充実していると思ってくださっています。

そして、クラスの皆さんがとても熱心で、しかも知識が豊富。そのクラスの方々からも学ぶことが多いと感じられているそうです。カレッジに行かなかったら多分出会うこともなかったような、歳も違えば環境も違う、多分考え方も違う方々と接するのも大きな魅力だそうです。

実はまだお仕事をされている廉さん。講座のある日は「中抜け」をして通っているそうです。会社の方から「よほど楽しいところなんやな。いつも楽しそうに行ってる」と言われるほどだとか。カレッジでのなんのしがらみもない仲間とのお付き合いは気楽で、その辺りが嬉々としてカレッジに通う要因かな、とおっしゃっておられました。今では、「絶対に外すことのできない大切な場所」だと思っておられるそうです。

 

念願の歴史講座

もともと歴史が大好きなので、今年度「歴史講座」を受講できてとても嬉しく思っておられる廉さん。特に、戦国武将にロマンを感じるほどのめり込んでいらっしゃるそうで、戦国武将の「明智光秀」や「高山右近」の講座は楽しみにしておられたそうです。

また、お城巡りもお好きだそうで、島根県の月山富田城や新潟県の春日山城にも行かれたそうです。城跡に佇んで当時の武将たちに勝手に思いを馳せるほどロマンチストだとか。歴史に関することならなんでも知りたいので、毎日楽しみに受講されているそうです。講師の先生方も、夫々の分野に渡ってかなり詳しい説明もしていただけ、すごく勉強した気分になるそうです。ただ、「帰る頃には忘れているけれど」と謙遜しておられました。

 

人生変わりますよ!

カレッジでは、講座を聞くだけでなく、委員会活動やクラブ活動で仲間づくりもすすめています。廉さんは、2年目と3年目に広報委員会に入って活躍されました。年度の終わりに「一年間の思い出」のスライドショーを作成するのですが、2回目はさらにバージョンアップしようとパワーポイントを勉強し直して作られたそうです。こういうことも自分には刺激になって進歩できたと喜んでおられました。

そして委員会活動だけでなく、自主的に、班の方が撮られた写真を纏めて、班のアルバムも作成されたそうです。人と人とのコミュニケーション、班の「輪」が大事だと考えておられる廉さん。アルバム作りはその「輪」作りに必要だと思って実行されたそうです。

学校に行くまでの廉さんは、「会社と家との往復だけで、心に何の潤いも余裕もなかった」そうです。「それがそのまま続いていたらきっと味気ないつまらない人生だったような気がする」とおっしゃられていました。なので、「学校に来られたことがない方にはぜひおすすめ!人生変わりますよ🎶」

(2024.8.6)

趣味でマラソンもされています。この写真はマラソン大会に出場された時の後ろ姿!正面からのお顔は、どこかでお会いした時のお楽しみにして下さい。

喜多裕子さん(総合文化科17期1年次)

シニアカレッジデビュー

 「いつかはシニア向きカレッジに行きたいな」とかねてから思っていた喜多さん。お住まいの市の公共施設に年間講座生募集のパンフレットが置いてあったのがカレッジとの出会いだそうです。そのパンフレットの中で一番興味を持ったのが総合文化科。水曜日はちょうどお仕事の定休日で通う事ができる日。幸運にも少し早くシニアカレッジデビューとなったそうです。

 

期待以上の講座内容・前向きな仲間

 興味を持って選んだ総合文化科は、歴史、文学、音楽、自然科学、健康、美術などバラエティーに富んだ講座内容です。なので、中には興味がないと思っている内容もあったそうですが、授業を受けてみれば楽しくて吸い込まれてしまい、どの講座も期待以上の内容で満足しているとか。

 そして、講座内容だけでなく、同期の受講生の皆さんが活き活きとしていて、その前向きな生き方に感銘を受けておられるそうです。姫路や吉野から2時間以上もかけて通っている同期生の方もいらっしゃるそうです。(本当に皆さんお元気です!)

委員会活動は、広報委員会に入り、修了式でお披露目するスライドショー「一年の振り返り」の作成に向けて、写真を撮り貯めておられるそうです。喜多さんも活き活きと活動されているようで、どんなスライドショーが出来上がるか楽しみですね。

 

いろんな講座を受講したい

「アンチエイジングは心と体と頭をバランスよく動かすことと思っている」とおっしゃる喜多さん。シニアCITYカレッジはまさにバッチリはまっていると感じているそうです。2024年度にカレッジデビューをされ、これからも様々な講座を受講していきたいと考えておられます。ご期待に添えるように、楽しい講座を用意して、お待ちしております。

(2024.8.6)

田中久孝さん(文学を楽しむ科4期)

文学一筋に6年

田中久孝さんは、ご友人に紹介されて、2018年からシニアCITYカレッジを受講されています。文学歴史Ⅱ、文学歴史Ⅰ、文学を楽しむ科1期~4期と文学一筋に学んでおられます。途中で短期講座のフランス文学や西洋美術史なども受講されています。これだけ継続されているので、講座についてはアシスタントよりも詳しくご存じのようです。

「文学を楽しむ科では、改めて作家やその作品の意味、また時代を再考することが出来た」と評価していただいた一方で、カレッジは単年度の前提があるとは言え、毎年同じ内容の講義を展開される講師が居られた事には失望したと苦言も呈していただいております。

 

講座生の支えに

カレッジで良かった事は、これまでの人生で出会った方とは少し違い、様々な個性ある人たちとの交流が出来たことだそうです。

講座活動では、班長などの役も気軽に引き受け、班やクラスのメンバーを引っ張っていただいております。これも「自分に与えられた仕事だと思い、その都度色々引き受けてきました」と頼もしい言葉をいただいております。

また、クラブ活動では「ブックトークの会」を立ち上げて頂いています。「ブックトークの会」とは、講座でテーマとなった作品について、参加するメンバーがどのように感じたかなどそれぞれの意見を述べたり、最近読んだ中で良かった作品を紹介したり、本の交換や提供を行う活動です。この活動も単年度ごとではありますが、何年も継続しています。今年度は、文学を楽しむ科だけではなく他の学科の方も混じったグローバルな活動になっていきそうです。


ひとこと言わせて

シニアCITYカレッジのうたい文句の一つに「講師と講座生でつくる双方向の関係」というのがあったと思いますが、逆の方向に進んでいるような気がして、残念です、とおっしゃられておられました。この事については、心して改善に努める必要があると思っております。

(2024.8.6)

写真の提供をお願いしましたら、「嫌やなぁ~。昔、スキー場で自画像を描いた作品があるので、それでエエか?」と水彩画を提供いただきました。田中さんの自画像をご覧ください!

古藤眞知子さん



「みんなでカレッジライフを楽しみたいね」

 今回は「歴史を楽しむ科」を受講されている古藤眞知子さんにご登場いただきました。古藤さんは2年制の総合文化科を修了後、「歴史を楽しむ科」(1年制)を受講され、ことし再受講されています。
 その理由をお尋ねすると、「総合文化科、歴史を楽しむ科を通じて親しい仲間たちに出会いました。『みんなでもう少しカレッジライフを楽しみたいね』という話が具体的になり、皆さんと受講日が合致するのが火曜日でした」とのこと。
  「小鳥並みの記憶量では何度受講しても新鮮かもしれない」と笑っていらっしゃいましたが、実は「講座内容が全く同じものは少なく、時代は同じでも取り上げる内容に変化があって被さっていても気になりません」と、歴史を楽しく学んでいらっしゃるご様子です。

歴史の「面白み」

 もともと歴史には興味があって、特にご両親が奈良に住まいを移されてからは、近くに薬師寺・唐招提寺・垂仁天皇陵・平城京跡を身近に感じていたそうですが、カレッジではそんな大きな歴史の話しだけでなく、みぢかな大阪の地域限定の歴史や古典芸能にも触れることができると言います。
 加えて古藤さんは、「特定の人物に焦点を合わせて細かに人物の行動を追うことで、その人物を単に聞いたことがある人から、そういう事情からこういう行動になっていったと納得し、周辺事情も理解することでより生き生きと歴史が身近に感じられます」「時代も年代を追うのではなく、このような流れ、人物の活躍が繋がって流れができていくことがよく理解できるようになりました」と言い、年代と事件と人物のみの記憶であった歴史に、「面白み」が加わるようになったそうです。

自分の生活を楽しめる年代になったとき、CITYカレッジに出会う

 そんな古藤さんがカレッジに出会ったのは、シニア自然大学校に通っていたご主人のお姉さんから、カレッジのパンフレットをもらったのがきっかけでした。仕事(現在も継続中)と家族、趣味仲間だけの世界だったものが、子育てを終え、両親を見送りそろそろ自分自身の生活を楽しめる年代になったのかな?と思った時期と、CITYカレッジを知ったことがほぼ重なったことで、スムーズに第一歩を踏み出すことができたそうです。
 通い始めた当初は、元気な同世代がこんなにたくさん集まっていることに驚いたそうですが、現在は年間講座の「歴史を楽しむ科」だけでなく、短期講座の「フランス文学講座」と「古代歴史講座」、さらにはセミナーの「水彩画教室」も受講しています。

コロナ禍で気づいた
「行く所のある日、することのある日、友と過ごす時間の大切さ」

 講座の一番最初に、ボランティアの大切さを熱心にお話しになった新崎国広先生の講義が印象に残っているそうです。「元気にいるために、今日行くところ、今日することのある事が大切だと話されていました。今日行くところには楽しい仲間がいることも、活気ある生活を楽しむために必要」だと。
 初めの頃は、環境に慣れることで精いっぱい。仲間、仲間と言われても、この歳になって新しい友達をと言われても、と引き気味で過ごした時期もあり積極的に参加もせず、目立たないように過ごしていたこともあったそうです。
 ところが、「コロナの感染でロックダウンが始まってようやく気がつきました。出かけられることの有難さ、人と語り合うことの大切さ、閉じこもることの簡単さを知って、自分から動かないと、と考え方を変えました」。
 行く所のある日、することのある日、友と過ごす時間の大切さ。古藤さんにとってカレッジライフは、日常生活の中のアクセントになっているようです。今回の取材を通じて、シニアCITYカレッジが提供する「学び」と「仲間づくり」の場を存分に活かしていらっしゃる古藤さんのカレッジライフの一端を伺うことができました。(2023.7.12.)

退職後に自由を得て、改めて「文学」に向き合える幸せを噛みしめる

現在、「文学を楽しむ科」を受講中の篠原由利子さんにお話しを伺いました。篠原さんは、昨年度に続いて今年度も受講されています。昨年はコロナのために講座の多くが休講となり不完全燃焼に終わったためとのことですが、篠原さんを惹きつける「文学講座」の魅力はなんでしょう。そこをお尋ねしますと、「読書や作文などが好きないわゆる文学少女でしたが、就職を配慮して大学での文学専攻を断念。結局その後は仕事、結婚、子育てという多忙な生活の中で文学は徐々に遠のきました。2年前にめでたく定年退職を迎え、ムクムクと湧き上がってきたのが潜伏していた文学への憧憬でした。人は思春期に心惹かれていたコト・モノこそ本来の志向なのだといいます。自由を得て好きなものに気兼ねなく向き合える幸せを噛みしめています」とお話ししてくださいました。

往復3時間の通学も苦にならない知的な「ワクワク感」

現在、往復3時間をかけて通学していらっしゃるという篠原さんにとって、講座日は一日仕事のようです。「事前予習として課題本を読み込んだり、当該作品の研究書や評論を図書館で調べたりする作業もワクワクします。その上で講師陣の熱意溢れる講義を聴く。また共通の趣味で結ばれる仲間との交流も刺激的です。この新たな習慣は知的な手ごたえ十分で、シニアライフの中心軸となっています」「また能力を問われる心配もなく、色んな意味で安心快適なトポス(場)となっています」と、文学を学ぶ楽しさを満喫されているご様子です。

同好の方々との交流、親睦の場も大事にしたい

篠原さんは今期、企画委員として7月上旬に実施した「橿原考古学研究所附属博物館と世界文化遺産法隆寺を巡る」研修に携わりました。研修の目的に沿いつつ、講座生の皆さんの年齢(知力・体力)、関心対象、参加費用、集合場所等々、企画会議では綿密に検討されたようです。「栞」の作成では、法隆寺と文学の関連等に触れ、分担執筆やバス内での解説等が好評だったようです。同好との交流をめざし、先頃動き始めたクラブ活動「ブックトークの会」にも参加されるほか、現在はご自身でもプロジェクト構想を思案中でもあります。

残されているシニア時間を前向きに生きる

篠原さんは、短期講座のドルチェ音楽講座とフランス文学講座も受講中です。「物事を楽しみ味わうには『いい話が聞けました』と受け身で満足するだけでなく、自ら能動的にかかわる姿勢が大切だと思います。シニアカレッジでは幸いさまざまなプログラムや班ごとの役割などが用意されています。アシスタントの方々の助力を得ながらアクティビティを高め、役割を担うことでかなり新鮮な経験ができます」と。また「我々に残されている時間は決して長くありません。人の眼や評価を気にせず好きな活動に参加し、自分の語りを繰り出して綴っていけば、きっとシニア時間は良質なものに変わっていくと思います。このように私は残り時間を活き活きと過ごしたいと思っています」と、これからの時間をいかに大切にするか、また物事に取り組む姿勢についても考えられているようにお見受けしました。

最後に、来期「文学を楽しむ科」を受講したいとお考えの方々へメッセージをいただきました。「講義で取り上げる本や作家については、文学好きな方々ですからすでに読んだものも多いでしょうが、令和の時代にこの年齢で生きているまさに今の自分の視点で改めて読み込んでいくことをお勧めします。講義の内容への理解も深まり、文学を味わう喜びと新たな発見に心躍る体験が得られると思います」とのこと。今回の取材では「シニア時間」を前向きに生きる篠原さんのお話しに納得することばかりでしたが、文学愛好家の皆さんも本校で存分にカレッジライフをお楽しみいただければと思います。(2022.7.20.)

篠原由利子さん