「旅ごころとフランス文学」と題する春季フランス文学講座(講師:井上直子・大阪教育大学教授)が4月28日、ホテルプリムローズ大阪の高砂の間で開講しました。第1回目のテーマは「パリ:ゾラ『パリの胃袋』」。
井上先生から、気軽に質問できるslidoアプリの使い方について説明があったあと、エミール・ゾラ(1840-1902)のこと、ルーゴン・マッカール家系樹のこと、フランス革命以降の時代背景のことについてお話しいただき、さらに当時のパリの時代状況を映像(DVD)を交えてご紹介いただきました。その後、小説読解のポイントとして「パリの中央市場の描写」「革命後の市民の思想」「まっとう(honnête)ということの意味」の3点をお示しになり、16の引用文に沿って具体的に読み進んでいきました。
10回目を数えるフランス文学講座ですが、継続して受講されている方、今回初めて受講される方それぞれに「旅ごころ」をお感じいただいたようで、中には近くフランスを旅行される予定の方もいらっしゃいました。(2023.4.28.)
春季フランス文学講座の第2回講座が5月26日、アルル:ドーデ「アルルの女」をテーマに開かれました。井上先生からは、ドーデの交友関係についてお話しいただいたあと、小説「アルルの女」と戯曲「アルルの女」について引用文を交えて解説していただき、アルルに関わる芸術家としてゴッホとゴーギャン、さらにはドーデの他の作品「最後の授業」についても触れていただきました。
講座では、事前に配付されていた12頁におよぶレジュメに加えて、ビゼー作曲の「アルルの女」の第1組曲から「前奏曲」と「カリヨン」、第2組曲から「メヌエット」「ファランドール」をご紹介いただいたほか、現在のアルルの風景、ゴッホやゴーギャンの作品などもお示しいただき、「旅ごころ」をくすぐる楽しい講座となりました。(2023.5.26.)
春季フランス文学講座5回目の講座が8月25日午前、開かれました。今回は地中海に浮かぶコルシカ島を舞台に繰り広げられた、メリメの作品「コロンバ」と「マテオ・ファルコネ」がテーマです。まずはコルシカ島のマキ(地名)について動画を交えて紹介いただき、さらにコルシカの歴史について触れていただいたあと、個々の作品について引用文を交えて読み解いていただきました。
「コロンバ」は、裏切り者は許さないというコルシカ人気質に沿ったお話し、「マテオ・ファルコネ」は、血族の結束が固く一族に加えられた恥辱は必ず晴らさなければならないというコルシカ人気質に沿ったお話しでしたが、映画でも見ているかのような臨場感溢れるご講義に、あっと言う間に2時間が過ぎていきました。
「旅ごころとフランス文学」をテーマにした春季短期講座も、いよいよ来月は最終回を迎えます。(2023.8.26.)
「旅ごころとフランス文学」がテーマの第10回春季フランス文学講座の最終講座が9月22日に開かれ、井上直子先生(大阪教育大学教授)から「インド:ボードレール『悪の華』についてご講義いただきました。
ボードレールはインドには行っていませんが、「異国」と愛人を重ねた詩、「彼方」に向かおうとする詩を書いています。この日は、ボードレールの「旅」に関する詩篇について、『悪の華』から「信天翁」「万物照応」「異なる香り」「香り」「髪」「旅への誘い」「旅」を、『パリの憂鬱』から「髪の中の半球」「旅への誘い」「早くも!」を取りあげて、ボードレールにとっての「旅」とは何なのかを読み解いていただきました。
井上先生はフランス語学研修の引率からお帰りになったばかりでしたが、受講生の皆さんには、世界最古といわれる百貨店「ボンマルシェ」でお求めになったクッキーが配られるなど、旅ごころを誘う最終講座となりました。(2023.9.23.)