CASIO CASSIOPEIA
~ 小さなコンピューターでWindows CE ~
2025年06月16日 作成
2025年06月16日 作成
カシオ計算機から発売されたCASSIPEIA(カシオペア)にはいくつかの機種がありますが、ハンドヘルド・コンピューターと呼ばれるA-51、A-51V、A-60の3台を持っています。以下にA-51VとA-60の写真を載せておきます。
CASIO CASSIOPEIA A-51V
CASIO CASSIOPEIA A-60
カシオペアが発売された1997年頃は片道2.5時間という遠距離電車通勤だったので、時間を有効に活用したく、小型でキーボードおよびタッチペン、480×240ドット液晶、単三電池駆動、メモリ8MByte、OSはWindows CEという特徴を持つA-51を発売直後に購入しました。購入後は通勤で利用していた小田急ロマンスカーの中で文書作成やアイデアの構想、果てはPHS電話を接続してUNIXサーバーのメンテナンスも行っていました。
Windows CEには、Pocket Word、Pocket Excel、Pocket PowerPointが含まれており、外部記憶メディアであるCF(Compact Flash)カードを介して簡単にWindowsデスクトップPCとファイルのやりとりをすることができました。実際にはPocket Wordで入力編集した後、テキスト形式で保存していました。非常に便利でした。
当初はWindows CE Ver.1.01でしたが、後にVer.2.0のROMが出てきたのでROM交換サービスによってA-51をVer.2.0に変更しました。さらに中古でCPU速度が倍になったA-51Vを購入してROMをA-51から移し換えました。ROM交換によるWindowsのバージョンアップ、CPUの倍速によって非常に快適になりました。その後、640x240ドット液晶を持つA-60を中古で購入しましたが、使い勝手はA-51Vの方が良くて普段はA-51Vを使っていました。
CASSIOPEIA(カシオペア)は単三乾電池2本、ボタン電池CR-2032を用意することで簡単に使い始めることができます。A-51、A-51V、A-60の起動直後の画面は次のようになります。
CASSIOPEIA A-51 Ver. 1.01
CASSIOPEIA A-51V Ver. 2.0
CASSIOPEIA A-60 Ver. 2.0
パソコンではATOKを使用していましたが、ハンドヘルドPC版であるATOK Pocketが販売されていましたので、変換効率や使い勝手を考えてATOK Pocketを入れていました。
ATOK PocketをWindows CEにインストールするにはCD-ROMドライブを持つWindowsマシンとWindows CEマシンとをRS-232Cケーブルで接続してActiveSyncというソフトウェアを使ってインストールする必要があります。しかし、2025年の現在ではちょっと無理なので、CD-RM内の情報を取り出してインストールする方法について記述します。
ATOK PocketのCD-ROMから次のファイルを取り出してCFカードにコピーします。CASSIOPEIAのCPUは日立製の SH3ですので、SH3対応のファイルを選択します。
\HPC\ATOKHP.HPC_SH3.CAB
CFカードをCASSIOPEIAに挿入して、ATOKHP.HPC_SH3.CABをダブルクリックして実行します。解凍(展開)先フォルダを\WINDOWSにして「OK」をクリックします。
CFカードに「ATOK Pocket」というフォルダを作成します。
解凍後に作成された以下のファイルをCFカードのフォルダATOK Pocketに移動する。(Windowsフォルダ内から削除)
ATOKP.DIC、ATOKPTKJ.DIC、ATOKPYOU.DIC
コントロールパネルの「ATOK Pocketの設定」をクリックしてプロパティを設定する。「辞書・学習」タブをクリックして辞書セット1、辞書セット2のそれぞれの位置を次のように指定します。
\Storage Card\ATOK Pocket\xxx.DIC
以上の操作でATOKが使用できるようになります。
ATOK Pocketをバックアップから戻して使う場合には、次の手順で行います。
CFカード上に保存してあるプログラムなどを\Windowsにコピーする。AppMgrフォルダもそのまま\Windowsにコピーします。
\Storage Card\ATOK Pocket\Windows\*.*
\Storage Card\ATOK Pocket\Windows\AppMgr\*.*
注)コピーする時、すべての「ファイルを表示する」、「拡張子を表示する」に設定してから行います
コントロールパネルの「ATOK Pocketの設定」をクリックしてプロパティを設定する。「辞書・学習」タブをクリックして辞書セット1、辞書セット2のそれぞれの位置を次のように指定します。
\Storage Card\ATOK Pocket\xxx.DIC
コントロールパネルの「ATOK Pocketの設定」のプロパティ「ATOK Pocketを使用する」にチェックを入れてリセットを行うと有効になります。
Windowsフォルダに次のファイルもコピーされているので、メモリ容量確保のために削除します。
ATOKP.DIC、ATOKPTKJ.DIC、ATOKPYOU.DIC
ATOK PocketはWindows CEのバージョン2.0と2.11に対応していますが、CASSIOPEIAはCE 2.0なので\HPCフォルダ内の.CAB、CE 2.11の場合は\HPCPフォルダ内の.CABを使うものと思われます。
CASSIOPEIAの実行中の画面をキャプチャして説明に追加することがありますが、今回は、伊藤 栄一郎氏のCaptCEというソフトウェアを使用しています。
CaptCEは次のサイトにあります。
https://www.vector.co.jp/soft/other/wince/se051272.html
自由に利用できますが文書などに使用する場合は、「伊藤 栄一郎氏のCaptCEを使用しています」のコメントを付ける必要があるようです。
使い方は、取得したプログラムCaptCE.EXEをダブルクリックして常駐させます。画面をキャプチャするには、画面のシステムトレイに表示されている「カメラ」アイコンをクリックするだけです。結果は「マイハンドヘルドPC」フォルダに「CAPT0001.BMP」のような名前で作成されます。数字はキャプチャするたびに変化(増加)していきます。
CaptCEの使用
1998年頃によく使っていましたカシオペアについて、懐かしい気持ちになり、この文章を書きました。
なお、当時に使用していたソフトウェアは次の通りです。
スケジュール管理 oyajin
端末エミュレータ TeraTerm
電子メール QMail
テキストエディタ Pocket WZ Editor
以 上