2021年06月07日 作成
2026年03月23日 修正
Windows 上では NEC PC-9800シリーズのエミュレータによって MS-DOS を動作させることができるようになっています。ここでは、シングルボードコンピュータとしてよく使われている Raspberry Pi 5を使って NEC PC-9800シリーズの MS-DOS を動作させてみます。
Raspberry Pi 5について、OS として 最近はRaspberry Pi OS(RPi OS)上でKDE Plasmaというデスクトップ環境を使っています。したがって、この環境での説明になります。
以前に説明していたUbuntu MATE24.04上でのPC-9800シリーズのエミュレータについては、以下のサイトで説明しています。
Raspberry Pi 5(KDE Plasma)で「Neko Project II (NP2) 改変」を動かしているところ
導入するエミュレータは、「Neko Project 21/W」や「Xnp2(X Window System)」の成果を取り込み、Linux 上で動作できるようにした「Neko Project II (NP2) 改変」を使います。しかし、このエミュレータは Rasoberry Pi 5 用の実行形式プログラムが提供されていませんので、各自でコンパイルして導入する必要があります。
Neko Project II (NP2) 改変 http://domisan.sakura.ne.jp/article/np2kai/np2kai.html
Neko Project 21/W https://simk98.github.io/np21w/
Neko Project II http://www.yui.ne.jp/np2/
Xnp2(X Window System) https://nonakap.org/np2/
RPi OSの導入方法については、ここでは説明しません。詳細については、次のサイトを参照してください。
Raspberry Pi サイト https://www.raspberrypi.com/software/
また、RPi OSにKDE Plasmaを導入する方法については、「Raspberry Pi 5で KDE Plasma」を参照してください。
マイクロSDカードなどにRPi OSを導入して起動できるようにしてください。
RPi OSを最新の状態にするために、次のコマンドを実行します。
$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade
「Neko Project II (NP2) 改変」のソースプログラムは、git で管理されています。ダウンロードでも git を使いますので、git をインストールします。また、コンパイル時に autoconf というパッケージが必要になりますので、一緒にインストールしておきます。
$ sudo apt install git cmake autoconf ninja-build build-essential
その後、適当なディレクトリを用意して、そこにダウンロードします。ここでは、例として prog というディレクトリに git の clone コマンドを使用してソースプログラムをダウンロードします。ダウンロード後は、prog ディレクトリの中に NP2kai というディレクトリが作成され、その中にソースプログラムが展開されます。
$ mkdir prog
$ cd prog
$ git clone https://github.com/AZO234/NP2kai
ダウンロードしたソースプログラムの中の README.md にコンパイル方法が記述されていますので、参照してください。ここでは、Linux で使われているXウインドウシステム上で動作するプログラムを作成する方法を示します。
コンパイルする前にいくつかのライブラリが必要になりますので、次のコマンドでインストールします。
$ sudo apt install libx11-dev
$ sudo apt install libglib2.0-dev
$ sudo apt install libgtk2.0-dev
$ sudo apt install libsdl2-dev libsdl2-mixer-dev libsdl2-ttf-dev
$ sudo apt install libsdl1.2-dev libsdl-mixer1.2-dev libsdl-ttf2.0-dev
$ sudo apt install libusb-1.0-0-dev
$ sudo apt install libfreetype-dev libfontconfig1-dev
$ sudo apt install libssl-dev
$ sudo apt install sdl3-dev sdl3-ttf-dev
Ubuntu 26.04(開発版)でも確認しましたが、sdl3関係のライブラリの名前が異なっているのとcdio関係のライブラリが必要ですので、次のように指定してください。
$ sudo apt install libsdl3-dev libsdl3-ttf-dev
$ sudo apt install libcdio-dev
その後、次のコマンドでコンパイルを行い、実行形式プログラムを作成するようにgithubには説明されています。
$ cd NP2kai
$ mkdir build
$ cd build
$ cmake .. -D BUILD_X=ON
$ make -j2
しかし、2026年2月時点ではcmakeコマンドは正常に終了しますが、以後のmakeコマンドでエラーが出て実行形式プログラムは作成できません。ソースプログラムの修正が必要です。
この修正patchは、コンパイル時に表示されたエラーメッセージを一個ずつ修正したものをまとめたものです。エラーが出ないようにキャストによる型変換などを行うように修正しています。正しい修正方法かは分かりませんが、コンパイルエラーがなくなり、実行もできています。約40年前のC言語とUNIXの知識でpatchファイルを作成していますので、自信はありません。不具合がありましたらご容赦のほどを。
ソースプログラムを修正するために、次のところからpatchファイルを取得してください。gzipで圧縮しています。
ダウンロードしたら次のコマンドでNP2kaiのソースプログラムを修正してください。
$ cd ~/prog
$ cp ~/Downloads/NP2kai.patch.gz .
$ gunzip NP2kai.patch.gz
$ patch -u -p0 < NP2kai.patch
その後、次のコマンドで実行形式プログラムを作成します。
$ cd NP2kai
$ mkdir build
$ cd build
$ NP2KAI_VERSION="ver.0.86" NP2KAI_HASH="rev.98" cmake .. -D BUILD_X=ON
$ make -j2
このpatchには以下の問題を解決する修正も施しています。
「Screen option」における「Enable PEGC plane mode」の設定がconfigファイルに反映されない
メニューにデバッグ用の「DebugSS」メニューが表示される
最近の「Neko Project II(NP2)改変」では、フォントROMを置く場所が変更になっており、FONT.ROMやBIOS.ROM、各種wavファイルは次のディレクトリに置きます。
~/.config/xnp21kai/
PC-9800 シリーズの MS-DOS プログラム(ハードディスク・イメージ)は、Windows の「 Neko Project 21/w 」で使っているものと同じものを使うことができますので、Windowsからコピーして使っています。
作成した xnp21kai をホームディレクトリ直下のディレクトリ ~/pc98/bin にコピーします。その後、次のコマンドでエミュレータを実行します。
$ cd ~/pc98/bin
$ ./xnp21kai
最初に起動したときは HDD のイメージファイルが指定されていませんので、メニューの「HardDisk 」をクリックして設定する必要があります。正常に起動すると、次のような画面になります。
また、エミュレータ内でマウスを使う場合は、「 F12 」キーを使うことにより ON/OFF することができます。
かな漢字変換を行うときは場合によって使い分ける必要があります。通常のDOS画面では「Ctrl + 変換」キーを使い、JUSTSYSTEMのアプリ(一太郎など)内では「変換」キーを使います。
xnp21kaiを実行したときのAboutの表示は以下のようになっています。
Linux版xnp21kai
Windows版NP21/W
以 上