2020年05月 作成
2022年09月19日 更新
NEC PC-9800シリーズのエミュレータによって Raspberry Pi 上で MS-DOS を動作させることができました。ここでは、さらに Raspberry Pi 上で DOS/V( IBM PC )用の MS-DOS を動作させてみます。
MS-DOS は IBM が発売していた「 PC DOS 2000 」を使用します。
Raspberry Pi は普段から OS としては Ubuntu MATE を使用していますので、この環境で MS-DOS を利用できるようにします。
2022年7月にUbuntu MATE 22.04がリリースされましたので、qemuのインストールコマンドを修正しました。
導入する DOS/V( IBM PC )用エミュレータは、Linux 上で昔からよく使われている「 QEMU 」を使用します。詳細については以下のページを参照してください。
QEMU https://www.qemu.org
Raspberry Pi では、QEMU は次のコマンドにより簡単に導入することができます。
$ sudo apt-get install qemu-system-x86
QENU を実行する前に DOS/V のハードディスクやフロッピーディスクのイメージファイルが必要になりますが、ここでは Windows 上で動作していた VirtualBox 用のハードディスクイメージを QEMU 用にフォーマット変換をして使用しています。適当なディレクトリに格納して、以下のコマンドを実行します。
$ qemu-system-i386 -m 7M -hda pcdos.qcow2 -boot c
昔から MS-DOS は正常に動作させることが難しいところがありました。原因は MS-DOS を起動するときの設定ファイル CONFIG.SYS と AUTOEXEC.BAT にありました。ここでは、QEM で動作している MS-DOS の CONFIG.SYS と AUTOEXEC.BAT を示します。
Webブラウザによっては以下のコマンド内の文字が「\(逆スラッシュ)」で表示される場合があります。「¥(円記号)」で置き換えてください。
CONFIG.SYS で注意するところは、EMM386.EXE の設定です。
BUFFERS=20
FILES=30
DOS=HIGH,UMB
DOSDATA=UMB
COUNTRY=081,932,C:\DOS\COUNTRY.SYS
SHELL=C:\DOS\COMMAND.COM /P /E:384 /H
DEVICE=C:\DOS\HIMEM.SYS
DEVICE=C:\DOS\EMM386.EXE RAM
DEVICEHIGH=C:\DOS\$FONT.SYS /P=C:\DOS /MSG=OFF
DEVICEHIGH=C:\DOS\$DISP.SYS /MSG=OFF
DEVICEHIGH=C:\DOS\ANSI.SYS /X
rem DEVICEHIGH=C:\DOS\$IAS.SYS /MSG=OFF
rem DEVICEHIGH=C:\DOS\RAMDRIVE.SYS
rem INSTALL=C:\DOS\IBMMKKV.EXE /M=S /Z=4 /C /L /J=90 /S=C:\DOS\MULTDICT.PRO /U=C:\$USRDICT.DCT
DEVICEHIGH=C:\DOS\SETVER.EXE
rem DEVICEHIGH=C:\DOS\OAKCDROM.SYS /D:MSCD001
rem ATOK8
rem DEVICE = C:\JSW\ATK8\ATOK8KC.SYS
DEVICEHIGH = C:\JSW\ATK8\ATOK8A.SYS /D=C:\JSW\ATK8\ATOK8.dic /UCF=C:\JSW\ATK8\ATOK8.UCF
DEVICEHIGH = C:\JSW\ATK8\ATOK8B.SYS
rem DEVICE=C:\JSW\ATK8\ATOK8IAE.SYS /P=2
rem $IAS.SYS を使用すると、ATOK8 で「変換」キーがきかない
@ECHO OFF
SET COMSPEC=C:\DOS\COMMAND.COM
PROMPT $P$G
PATH C:\MIFES;C:\DOS;C:\TCC;C:\BIN\VZ;C:\JXD;C:\UTY
SET TEMP=C:\DOS
LH C:\DOS\KEYB.COM JP,932,C:\DOS\KEYBOARD.SYS
LH C:\DOS\MOUSE.COM
LH C:\DOS\DOSKEY.COM
rem C:\DOS\MSCDEX.EXE /D:MSCD001 /L:E
CD \USER
echo .
echo . jdash 一太郎dash
echo . vz VZエディター
echo . dosshell DOSシェル
echo . tcc Turbo C 2.0 ( tcc xxx.c )
echo . mifes Text Editor Mifes
echo . fd File 管理
echo . jed Text Editor JED
echo .
echo . ATOK8 のカナ漢字変換は「Alt + 半角/全角」キーです。
echo . マウスのキャプチャは「Ctrl + Alt」キーです。
MS-DOS 起動時の画面を以下に示します。
IBM PC-DOSを起動したところ
DOS/V版のソフトウェアとして、たまたま「一太郎dash」と「ATOK8」を持っていたので、実行してみました。
「一太郎dash」起動中の画面
「一太郎dash」を起動したところ
以 上