2020年5月
今までは Raspberry Pi 4 で Raspberry Pi OS(旧Raspbian)や Ubuntu Mate などの OS をインストールして利用していましたが、Raspberry Pi のフォーラムで Gentoo Linux の記事があり、意外と評判がよく、レスポンスよく動作するというのでインストールしてみました。
Raspberry Pi 用の Gentoo Linux の特徴は次のようになります。
64bit OSである。
Sakaki さんという人が開発しているらしい。
64bit でありながらメモリ使用量は比較的少ない(起動時、約 450MByte)。
3D 描画がそこそこに速い。
パッケージのアップデート方法が特殊であり、慣れるまで難しい。
ここでは、そのインストールの流れをメモとして残しておきます。
Raspberry Pi 4 用の Gentoo Linux のダウンロード
ダウンロードしたファイルを解凍
micro SDカードへの書き込み
Gentoo Linux の起動、ソフトウェアを最新に
日本語化への設定
(1) キーボードの設定
(2) TIMEZONE の設定
(3) locale の設定
日本語フォントのインストール
日本語かな漢字変換(IME)の導入、設定
(1) fcitx、mozc のインストール
(2) fcitx の設定
(3) mozc の設定
Gentoo Linux の更新
アプリケーションの日本語化
プリンターの設定
Raspberry Piを起動するためのmicro SDカードを作成するまではWindows環境で作業します。
Raspberry Pi 4用のインストールイメージは、次のURLからダウンロードできます。
https://github.com/sakaki-/gentoo-on-rpi-64bit
表示されたページ内の「Raspberry Pi 4B,3B+ 64-bit Full」である「genpi64.img.xz」をクリックしてダウンロードします。2020年6月下旬にgenpi64.imgのバージョンがv1.5.4からv1.6.0に変更になっています。
ダウンロードされたファイルは圧縮されており、次の名前になります。
genpi64.img.xz
ファイルはzip形式で圧縮されており、Windows 境で 7-zip というソフトウェアを使って解凍しています。(7-zipは「https://sevenzip.osdn.jp/」から取得することができます。)
解凍後のファイル名は次のようになります。
genpi64.img
サイズは、約 13GByteになります。
RPi4はmicro SDカードを起動メディアとしているので、解凍後のイメージファイルをmicro SDカードへ書き込む必要があります。ここでは、micro SDカード用のUSBタイプのカードリーダおよびソフトウェア(DD for Windows)を使って作業をします。「DD for Windows」はつぎのURLから取得することができます。新バージョン(R2)もありますが、私は旧バージョンのVer.0.9.9.8を使っています。
https://www.si-linux.co.jp/techinfo/index.php?DD%20for%20Windows
なお、用意するmicro SDカードの容量は16Gbyte以上と記載されていますが、しばらく使っていると32GByteでも容量が逼迫してきます。したがって64GByteのmicro SDカードを利用しています。
microSDカードをセットして「DD for Windows」を起動すると次の画面が表示されます。「ファイル選択」ボタンをクリックして解凍したファイルを指定して、「<< 書込 <<」ボタンをクリックします。
以下の警告メッセージが表示されますが、「はい(Y)」をクリックして操作を続けます。
Gentoo Linuxのイメージファイルを書き込んだmicro SDカードをRPi4に挿入して電源を入れると起動します。最初の起動時には各種のセットアップを行う画面が表示されます。最初に表示される「Welcome...」というダイアログについては「OK」をクリックします。
次の「RPi Configuration」画面では変更の項目はないので、「Cancel」をクリックします。
日本語化への設定には、locale、Timezone、キーボードの設定があります。その後にかな漢字変換(IME:Input Method Editor)の設定を行います。
キーボードの初期設定は英語キーボードになっていますので、日本語キーボードに設定する必要があります。設定方法は、左上の「Application」→「Setting」→「Keyboard」をクリックし、日本語キーボードに設定します。その後、リブートすることによって設定が反映されます。
「+Add」をクリックして「Japanese」を選択して追加し、その後「Japanese」が最上段になるように右側の「↑」をクリックします。
表示されている時間がおかしいので、タイムゾーンを設定します。次のようにしてコマンドを入力します。その後リブートします。
$ sudo echo "Asia/Tokyo" > /etc/timezone
$ sudo emerge --config sys-libs/timezone-data
しばらくは何故かlocaleが正常に設定できなかったのですが、次の方法で正常にlocaleの設定ができました。
$ sudo localedef -i ja_JP -f UTF-8 ja_JP.utf8
$ sudo eselect locale list
$ sudo eselect locale set 7 (以下の画面でja_JP.utf8が番号7なので)
次に/etc/env.d/02localeに「LC_ALL=”ja_JP.utf8”」を追加します。
$ sudo vi /etc/env.d/02locale
「LC_ALL=”ja_JP.utf8”」を追加
$ sudo env-update
$ sudo reboot
Gentoo Linuxではubuntuなどで使われているipaやtakaoフォントはインストールされていません。Gentooでは独自のパッケージ導入方法(emergeコマンド)でインストールします。通常であれば次のコマンドでインストールできますが、ipa-fonts以外のtakao-fonts、ipaexはエラーが出てインストールできません。
$ sudo emerge -v ja-ipafonts
$ sudo emerge -v takao-fonts
$ sudo emerge -v ipaex
エラー対策として、ディレクトリ/etc/portage/package.accept_keywords内にmedia-fontsというファイルを作成し、その中に次の内容を記述して、再度emergeコマンドを実行してください。
media-fonts/ipaex * ~*
media-fonts/takao-fonts * ~*
LibreOfficeを利用するときに必要となるNotoフォントがありますが、ホームディレクトリに.fontsというフォルダを作成して、次のURLからダウンロードしたフォントファイルを格納してください。
https://github.com/googlefonts/noto-cjk
ダウンロードするファイルはNotoSansCJKjp-*.otf (7種類)、NotoSansMonoCJKjp-*.otf(2種類)、NotoSerifCJKjp-*.otf(7種類)になります。
インストールする「かな漢字変換システム」は、使い慣れているfcitx、mozcとします。
通常のemergeコマンドでは日本語フォントと同様にエラーが出てインストールできません。以下の設定をしてからemergeコマンドを実行してください。
ディレクトリ/etc/portage/package.accept_keywords内にapp-i18nというファイルを作成し、その中に次の内容を記述します。
app-i18n/fcitx * ~*
app-i18n/fcitx-configtool * ~*
app-i18n/mozc * ~*
app-i18n/zinnia * ~*
app-i18n/tegaki-zinnia-japanese * ~*
dev-util/gyp * ~*
さらに、ディレクトリ/etc/portage/package.use内にapp-i18nというファイルを作成し、その中に次の内容を記述します。
app-i18n/mozc emacs fcitx4 gui handwriting-tegaki
その後、次のコマンドを実行します。
$ sudo emerge -v fcitx fcitx-configtool
$ sudo emerge -v zinnia tegaki-zinnia-japanese
$ sudo emerge -v mozc
設定方法は、左上の「Application」→「Setting」→「Fcitx Configuration」をクリックし、次の図のように「Keyboard - Japanese」と「Mozc」を設定します。その後、リブートすることによって設定が反映されます。
2020年10月頃に sakaki さんが突然仕事の関係で開発を続けらなくなった、という情報があり、この内容も途中で止まっています。申し訳ありません。