2021年05月24日 作成
2022年05月09日 追加
2022年5月9日 追加
2022年5月になって突然に「Ubuntu 22.04へのアップグレードの準備ができました」というメッセージが表示されました。Ubuntu MATE 21.10から22.04 LTSへのアップグレードについてを追加しました。
2022年03月29日 追加
100円ショップ「ダイソー」でUSBスピーカーを購入したので、Ubuntu MATEで使ってみました。USBスピーカーといってもUSBからはアンプのための電源を得るのみで、音声は3.5mmジャックを利用するものです。幸いに液晶ディスプレイにイヤフォンジャックがあったので、そこに接続して音声を出力するようにしています。Ubuntu MATEで音声をHDMI出力に設定する方法を追加しました。
2021年11月14日 追加
2021年11月になって突然に「Ubuntu 21.10へのアップグレードの準備ができました」というメッセージが表示されました。Ubuntu MATE 21.04から21.10へのアップグレードについてを追加しました。
2021年10月01日 追加
2021年10月になってもRaspberry Pi用の新しいUbuntu MATEが提供されないので、 20.10 から 21.04 へのアップグレード方法について確認できましたので、追加しました。
Raspberry Pi 4で各種OSがUSB接続のSSDから起動することができるようになったので、Ubuntu MATEを利用してみようと思います。また、Ubuntu MATE 20.10からUSB接続の外部記憶からのブートができるようになっていますので、今回はこれを使用します。
Raspberry PiでUbuntu MATE 20.10を起動しているところ
以下の環境で利用します。
本体:Raspberry Pi 4B 本体(4GByte、USBブート可能に設定)、CPU冷却ファン付きケース
SSD:HDDケースとSSD(240GB)でUSB 3.0接続
LAN:有線LANまたは無線LAN
Raspberry Pi 4 とケース
HDDケース(Salcar製)
SSD(KIOXIA製)
Raspberry Pi で動作するLinuxには各種ありますが、Ubuntu MATEは動作が軽快でメモリの使用量が少ないことが特徴です。そこで以前より使い慣れているUbuntu MATEをSSDから起動してみます。2021年5月現在では、Raspberry Pi用のUbuntu MATE 21.04のバージョンが出ている頃ですが、まだリリースされていないので、Ubuntu MATE 20.10を使用します。
Ubuntu MATEの取得は次のURLから可能です。
1)20.10を選択
2)Direct Downloadを選択
ダウンロードが終了すると次のファイル名になります。
ubuntu-mate-20.10-desktop-arm64+raspi.img.xz
ファイルは圧縮されていますので、7-zipなどで解凍します。解凍後のファイル名は次のようになります。
ubuntu-mate-20.10-desktop-arm64+raspi.img
先ほどダウンロードした「ubuntu-mate-20.10-desktop-arm64+raspi.img」ファイルをSSDに書き込むためには、Raspberry Piのサイトで用意されています「Raspberry Pi Imager」というプログラムを使用します。取得のためのURLは次の通りです。
「Download for Windows」をクリックしてダウンロードします。ファイル名は「imager_1.6.1.exe」になります。
パソコンのUSBポートにHDDケースに入れたSSDを接続して、「imager_1.6.1.exe」をダブルクリックして実行します。
「CHOSE OS」をクリックします。Ubuntu MATEはOSとして選択できませんので、先ほど取得したOSイメージを使用するために、「User custom」を選びます。ファイル選択のウインドウが表示されますので、ファイルとして「ubuntu-mate-20.10-desktop-arm64+raspi.img」を選択します。次に「CHOSE STORAGE」をクリックしてSSDが接続されているデバイスを選択します。その後、「WRITE」をクリックしてOSイメージをSSDに書き込みを行います。
1)Imager起動画面
2)CHOOSE OSをクリックしたところ
3)Use customを選択
4)先ほどダウンロードしたimgファイルを選択
5)CHOOSE STORAGEを選択
6)SSDを選択
7)WRITEをクリック
8)正常終了
書き込みが終了したら取り外し処理を行ってSSDを取り外します。
作成したUSB SSDをRaspberry PiのUSB 3.0ポートに接続して起動してみましたが、起動しませんでした。調べた結果、使用しているHDDケース(Salcar製)に備わっているUASP(USB Attached SCSI Protocol)機能とLinuxカーネルとの相性が悪いことが分かりました。従って、最初はUSB SSDをUSB 2.0ポートに接続して起動します。
最初の起動時には、Ubuntu MATEの初期設定を行う必要があります。メッセージに従って以下の操作をしてください。
(1)表示言語の設定(「日本語」を選択)
(2)キーボードレイアウトの設定(「Japanese」、「Japanese」を選択)
(3)住んでいる場所の設定(「Tokyo」を選択)
(4)ユーザー情報の入力(名前、コンピュータ名、ユーザー名、パスワード)
初期設定が終わるとログイン画面が表示されますので、パスワードを入力してログインします。
ログイン後の画面は次のようになります。
次にSSDがUSB 3.0ポートから起動できない問題を解消します。方法は以下のサイトを参考にさせていただきました。
https://signal-flag-z.blogspot.com/2020/03/raspberry-pi-4usb30ssd.html
MATE端末を起動してlsusbコマンドを実行してUSB SSDのVIDとPIDを確認します。
この情報をもとに、/boot/firmware/cmdline.txtの最初に次のパラメータを追加します。
usb-storage.quirks=152d:0578:u
パラメータ「usb-storage.quirks=152d:0578:u」と次のパラメータ「net.ifname=0」との間に空白1個を挿入してください。
シャットダウンして電源をOFFにしてからUSB SSDをUSB 3.0ポートに接続し直して再度起動してください。正常に起動できると思います。
なお、SSDではなくHDDの場合には、この設定は必要ないようです。
Ubuntu MATEの場合、初期設定である程度は日本語に関する環境が整備されますが、一部に設定やインストールが不十分な部分があります。
かな漢字変換システム(IME)や日本語フォントなどを整備するために、以下の手順で設定します。
「メニュー」→「設定」→「言語サポート」をクリックします。
しばらくすると以下のウインドウが表示されますので、「インストール」をクリックします。日本語かな漢字変換システム(fcitx)や日本語フォント(Notoフォント)が追加されます。
インストールが終わると次の画面になります。「日本語」が一番上にになっていること、「キーボードで使うIMシステム」が「fcitx」になっていることを確認してください。もし、IMシステムが「fcitx」になっていない場合には、ログインし直すか、リブートをしてくささい。変更後の設定が反映されます。
初期設定で日本語に設定した関係で、ホームディレクトリの名前も日本語になってしまっています。このままでは操作しづらいので英語に変換します。MATE端末を起動して、次のコマンドを入力してください。
$ LANG=C xdg-user-dirs-gtk-update
次の画面が表示されますので、「Don't ask me this again」にチェックを入れて、「Update Names」クリックして変更します。
Ubuntu MATEを便利に使うために、いくつかのプログラムをインストールします。
Ubuntu MATEを最新の状態にする
$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade
テキストエディタvim
$ sudo apt install vim
Webブラウザchromium
$ sudo apt install chromium-browser
システムモニター conky
$ sudo apt install conky
$ sudo apt install fonts-ipafont
システム情報表示コマンド neofetch
$ sudo apt install neofetch
パッケージマネージャ synaptic
$ sudo apt install synaptic
RDPクライアント remmina
$ sudo apt install remmina
エミュレータ qemu
$ sudo apt install qemu
22.04LTSのMATE端末の表示がおかしい(行間が間延びする)現象を治すのにtakaoフォントをインストールします。
$ sudo apt install fonts-takao
かな漢字変換システムMOZCのアイコンが画面左上に表示されるのですが、大きいアイコンが表示されて見栄えがよくないので、以下のコマンドを入力してもう少し小さいアイコンに変更します。なお、22.04LTSからは必要なくなりました。自動的に小さなアイコンになります。
$ cd /usr/share/fcitx/mozc/icon
$ sudo rm mozc.png
$ sudo ln -s mozc-hiragana.png mozc.png
icon変更前
icon変更後
Ubuntu MATEの音声出力を液晶ディスプレイのスピーカーに設定する場合の方法です(HDMI出力)。
Ubuntu MATEに「raspi-config」アプリをインストールする
$ sudo apt install raspi-config
そして次のコマンドでraspi-configを実行する
$ sudo raspi-config
以下の画面が表示されますので、カーソル移動キー、TABキー、Enterキーで操作して設定します。
「1 System Option」を選択
「0 HDMI 1」を選択
「S2 Audio」を選択
ここまでUbuntu MATE 20.10の導入について説明してきました。しかし、すでに2021年10月になりましたが、新しいバージョンのRaspberry Pi用のUbuntu MATEは提供されていません。そこで、Ubuntu MATE 20.10からUbuntu MATE 21.04にアップグレードする方法について確認してみましたので、説明します。
アップグレードの手順は以下のように簡単なものになります。
$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade
$ sudo reboot
$ sudo do-release-upgrade
アップグレード前後の neofetch コマンドの結果を以下に示します。
Ubuntu MATE 20.10
Ubuntu MATE 21.04
しかし、アップグレードを行ったところ以下のメッセージが表示されるようになりました。システム起動時またはログイン時にシステムでエラーが発生しているようです。ここで、「キャンセル」をクリックして利用を開始しても、動作におかしなところはないようですので、エラーを無視することにします。
原因については詳細に調べてはいません。毎回ログインするたびに表示されて煩雑なので、対策を調べてみました。根本的な解決方法にはなりませんが、以下のコマンドでメッセージは表示されなくなります。
$ sudo rm /var/crash/*
$ sudo sed -i 's/enable=1/enable=0/g' /etc/default/apport
ここまでUbuntu MATE 20.10の導入、21.04へのアップグレードについて説明してきましたが、2021年11月になり、新しいバージョンのUbuntu 21.10が提供されました。そこで、Ubuntu MATE 21.04からUbuntu MATE 21.10へアップグレードする方法について確認してみました。
ubuntu MATEの場合、アップグレードする方法は特になく、ある日突然に次のような画面が表示されます。
表示された画面に従って「今すぐアップグレードする」をクリックして、順次操作をしていくだけです。アップグレード後のneofetchコマンドの表示は次のようになります。(アップグレード後の端末の表示が変だったので、フォントを「Ubuntu Mono」から「IPAゴシック」に変更しています)
Ubuntu MATE 21.10
上記のメッセージ「Ubuntu xx.xx のアップグレードが利用可能です」が表示されない場合には、メニュー内の「ソフトウェアの更新」をクリックしてみてください。
ここまでUbuntu MATE 21.10などへのアップグレードについて説明してきましたが、2022年4月になり、新しいバージョンのUbuntu 22.04が提供されました。そこで、Ubuntu MATE 21.10からUbuntu MATE 22.04へアップグレードする方法について確認してみました。
ubuntu MATEの場合、アップグレードする方法は特になく、ある日突然に次のような画面が表示されます。
上記のメッセージ「Ubuntu xx.xx のアップグレードが利用可能です」が表示されない場合には、メニュー内の「ソフトウェアの更新」をクリックしてみてください。
表示された画面に従って「今すぐアップグレードする」をクリックして、順次操作をしていくだけです。アップグレード後の画面、neofetchコマンドの表示は次のようになります。
Ubuntu MATE 22.04アップグレード後の画面
Ubuntu MATE 22.04
壁紙を変更したもの
以 上