【集団フッ化物洗口の高い費用対効果を示した論文が公表されました】
-集団フッ化物洗口にかかる費用を考慮しても⻭科医療費の節減になる可能性-
■背景 日本ではむし歯は昔に比べて減少していますが、他の病気に比べるとむし歯はそもそも有病率が高く、国民全体のむし歯治療にかかる総額は大きなものになっています。学校でのフッ化物洗口(S-FMR)は自治体の公衆衛生学的介入として実施されています。しかし、国民皆保険制度により、比較的低コストで幅広い歯科治療を受けられる日本では、その費用対効果は明らかでありません。本研究の目的は、国民皆保険制度がある日本においても、S-FMR がむし歯治療費の節減と関連しているかどうかを明らかにすることです。さらに、S-FMRの費用便益を推定しました。
■結果 S-FMR カバー率が高い都道府県では、むし歯治療費が低くなりました(Q1:2,378 円、Q2: 2,215 円、Q3:2,217 円、Q4:2,065 円)。線形回帰分析の結果、S-FMRの費用範囲が最も低い都道府県と比較して、適用範囲が最も高い都道府県では、1人あたりのむし歯治療費が 186.0 (95%CI = 96.6、275.4) 円低いことが示されました。さらに、S-FMR の1人あたりの年間費用が 200 円の場合、全ての都道府県の S-FMR の実施率が Q1 から Q4 に変わると、S-FMR によって歯科医療費は9億円節減されることが推計されました(図2)。
■結論 日本の国民皆保険制度は、比較的低コストでほとんどの歯科治療をカバーしていますが、今回の分析結果により、S-FMR は依然として費用対効果の高い公衆衛生介入になり得ることが示されました。
■論文情報 Tadokoro D, Honda K, Kusama T, Takeuchi K, Osaka K, Aida J. School-Based Fluoride Mouth-Rinse Programs and Dental Caries Treatment Expenditure: An Ecological Study of the NDB Open Data Japan. Community Dent Oral Epidemiol. 2024. DOI: https://doi.org/10.1111/cdoe.1302 HYPERLINK "https://doi.org/10.1111/cdoe.13024"4