【地方公共団体における歯科保健医療業務指針 発出される!】
少々報告が遅くなりましたが、令和6年3月28日付けで厚生労働省から「地方公共団体における歯科保健医療業務指針」が発出されましたのでご紹介させていただきます。都道府県および市町村における歯科保健業務に関しては、これまで「都道府県及び市町村における歯科保健業務指針(平成9年3月3日付健政発第138号厚生労働省健康政策局長通知)」(以下「業務指針」)に基づき運用されてきました。しかし、この業務指針は発出されてから相当時間が経過しているため、内容が現状に合っていない等の問題が指摘されていました。さらに令和3年度の厚労省歯科保健課の事業で新たな業務指針に入れるべき内容について検討されたこと、令和6年度から第二次の基本的事項が開始することの様々な要因が重なって、令和6年度から各自治体で運用できるよう「地方公共団体における歯科保健医療業務指針」という名称に変更され、27年ぶりに全面改正(見直し)が行われました。
主な改正点は以下の3点です。
・歯科保健業務に加えて、歯科医療業務を追加
(都道府県および保健所設置市及び特別区、市町村は除く)
・都道府県及び市町村以外の保健所設置市及び特別区の業務を追加
・平成9年から現在に至るまでの歯科保健医療を取り巻く状況を踏まえた業務を追加
今回発出された「地方公共団体における歯科保健医療業務指針」の具体的な内容については以下のサイトから原文をダウンロードしてご確認下さい。https://www.mhlw.go.jp/content/001267309.pdf
今回見直しが行われた地方公共団体における歯科保健医療業務指針の中で、フッ化物応用に関する文言が出てくるのは、左表及び右表㎜に示す項目になります。まず、都道府県及び保健所における歯科保健医療業務についてですが、地域歯科保健体制の整備の項目の一つに(9)科学的根拠に基づく歯科保健対策の推進が掲げられており、「う蝕予防におけるフッ化物歯面塗布やフッ化物洗口等の歯科保健対策については、高いう蝕予防効果と安全性が十分に確立していることから、普及・推進に取り組むことは大変重要であるが、関係者が地域のう蝕の減少及び健康格差の縮小を図るという共通認識を持つことが重要であるため、関係者の合意を得た上で取り組むこと。」とされています。さらに保健所における歯科保健医療業務の項目の一つに(7)フッ化物応用の推進が掲げられており、保健所は、「管内市町村に対して、う蝕予防におけるフッ化物応用の普及に努めること。フッ化物歯面塗布事業については、未実施の市町村に対し、その効果や意義等について周知を行うとともに、フッ化物洗口事業については、管内の市町村及び教育委員会、保育所、幼稚園、認定こども園、学校を対象に、効果や安全性について研修や情報提供を行い関係者の合意を得た上で支援に努めること。また、フッ化物配合歯磨剤についても、専門学会による見解に基づき、市町村の各種歯科保健事業における歯科保健指導や普及啓発の機会を用いて、住民にその利用を推奨すること。」とされています。
一方、市町村における歯科保健医療業務については、歯科保健事業の実施についての項目において(2)乳幼児期における歯科保健事業および(3)学齢期における歯科保健事業の中にフッ化物応用に関する文言が登場します。最初に(2)乳幼児期における歯科保健事業では乳幼児期におけるフッ化物応用については、高いう蝕予防効果と安全性を踏まえ、フッ化物配合歯磨剤の早期利用の推奨、保健センターや歯科医療機関におけるフッ化物歯面塗布事業の実施に努めること。4歳以降については、地域の実情に応じ、健康格差の縮小等の優れた公衆衛生学的特性を踏まえ、都道府県や保健所の技術支援を受けながら、関係者の合意を得た上で、保育所、幼稚園、認定こども園における集団フッ化物洗口の実施に努めること
(3)学齢期における歯科保健事業では学齢期におけるフッ化物応用については、フッ化物配合歯磨剤の普及に努める他、地域の実情に応じ、健康格差の縮小等の優れた公衆衛生学的特性を踏まえ、都道府県や保健所の技術支援を受けながら、関係者の合意を得た上で学校における集団フッ化物洗口の実施に努めること。
となっており、フッ化物応用に関する文言が多くかつ具体的に記載されていますが、その表現は「・・・に努める。」とされ、努力義務となっているところが少々残念な点ではありますが、平成9年3月3日付健政発の「都道府県及び市町村における歯科保健業務指針」に比較してフッ化物応用に関する具体的な文言が飛躍的に増えている点は大いに評価できます。(報告:広報部 丹下)