2026年 3月 11日(水)第2063回例会
2026年 3月 11日(水)第2063回例会
◆会長の時間◆ 会長/𡈽門 明哉君
3月は「水と衛生月間」です。手洗いが感染予防に役立つことを今や子供でも知っています。では感染予防対策のプロである医師にとって手洗いの重要性が常識となったのは何年前でしょうか?
本日は手洗いの重要性を世界で初めて証明した、不遇の医師の話を紹介します。イグナツ・ゼンメルヴァイス(Ignaz Semmelweis)は19世紀半ば、オーストリア、ウィーン総合病院の産科に勤める医師でした。1840年代ですから日本では江戸時代後期、黒船来航(1953年)の数年前に相当するでしょうか。
1. ゼンメルヴァイスが見つけた「死の正体」
ウィーン総合病院の産科はふたつの病棟、第1病棟と第2病棟に分かれていました。医師として勤務していたゼンメルヴァイスは、そこからある奇妙な事実に気づきます。
* 第1病棟(医師と学生が担当): 産後、熱を出して亡くなる母親が非常に多い(死亡率約10〜20%)。
* 第2病棟(助産師が担当): 亡くなる人がずっと少ない(死亡率約3%)。
なぜ、助産師より医師が診る病棟の方が圧倒的に死者が多いのか? 調査の結果、恐ろしい結論に達しました。
医師たちは、呼び出されると急いで解剖室から、そのまま手を洗わずに分娩室へ向かっていました。細菌という概念がまだなかった時代です。医師たちは「死体から細菌等」を素手で母親たちの体に運び、感染させていたのでした。
2. 「手洗い」だけで死者が激減
ゼンメルヴァイスは医師たちに**「塩素水で手を洗うこと」**を義務付けました。すると、死亡率は1%以下にまで激減しました。「ただ手を洗うだけで命が救える」という、人類史上最もシンプルで強力な発見でした。
3. 「ゼンメルヴァイス反射」:拒絶された真実
ゼンメルヴァイスは「救世主」として称えられる……はずでしたが、現実は真逆でした。
「紳士である我々医師が人を殺しているというのか!」と強い反発を受けました。当時はまだ「細菌」の存在が証明される前だったため、ゼンメルヴァイスの主張は非科学的だと片付けられました。
結局、彼は病院を追われ、精神を病んで失意のうちに亡くなります。彼の正しさが証明されたのは、没後20年以上経って、パストゥールやリスターが「細菌学」を確立した後のことでした。医師の間で手洗いの重要性が常識となったのは1880年代後半、すなわち約140年前(明治10年代頃)ではないかと言われています。ゼンメルヴァイスが手洗いの重要性をデータ付きで発表してから常識となるまで実に40年もの期間が必要でした。
現在、新しい知識を既存の価値観で拒絶することを彼の名前にちなんで「ゼンメルヴァイス反射」と呼ぶそうです。どの業界にも起きえることではないでしょうか?
今月は水と衛生月間です。以上です。
◆幹事報告◆ 幹事/義澤 彰君
◆ゲスト・ビジターの紹介◆ (順不同)
◆委員会報告◆
◆外部卓話
◆出席報告◆
■会長 𡈽門 明哉 ■副会長 秋森 三男 ■会長エレクト 廣石 隆太
■幹事 義澤 彰 ■会計 廣石 隆太 ■会場監督 石井 祐子
□例会場 小田急ホテルセンチュリー相模大野8F
□事務局 相模原市南区相模台3-11-8(株)秋森商鋼内Tel.042-748-7624 Fax.042-705-6624
□国際姉妹クラブ 台湾:台北敦化ロータリークラブ
□友好クラブ 伊豆中央ロータリークラブ
𡈽門 明哉 会長
義澤 彰 幹事
〇会長エレクト 廣石 隆太君