2025年 10月 8日(水)第2049回例会
2025年 10月 8日(水)第2049回例会
◆会長の時間◆ 会長/𡈽門 明哉君
日本における寄付の文化・歴史
10月は地域社会の経済発展月間・米山月間です。本日は日本における寄付の文化・歴史そして地域社会への経済的貢献 についてお話させてください。
キーワード:布施、功徳を積む 、勧進、共助 、フィランソロピー(博愛主義)、義援金、クラウドファンディング 、企業のCSR活動
祈りと共助から始まった日本の寄付
寄付は、仏教の伝来と共に始まりました。例えば奈良時代、行基という僧侶が民衆から布施を集め、橋や用水路などのインフラを整備しました。功徳を積むという宗教的な動機と、社会基盤を整えるという公共的な目的が一体となったものがこの時代の寄付でした。
鎌倉時代以降は、「勧進(かんじん)」という形で、寺社の建立や修復のために民衆から寄付を募りました。現代のクラウドファンディングの原型とも言えるでしょう。
江戸時代に入ると、商人たちが私財を投じて橋を架けたり、地域の祭りを支えました。庶民レベルでの相互扶助の精神が、地域の暮らしを豊かにしました。伊勢神宮への「お蔭参り」で、参拝者に対して施し、もてなしを行ったことも、「お互いさま」の精神を示す日本の文化と言えます。
近代化と組織的な慈善事業の芽生え
明治時代になると、西洋から「フィランソロピー(博愛主義)」の概念が導入され、日本の寄付も近代化します。実業家の渋沢栄一らが中心となり、1908年に全国社会福祉協議会の前身を設立、個人の善意に頼るだけでなく、組織的・計画的に社会課題に取り組む動きが本格化しました。
戦後から現代へ:ボランティア元年と新しい寄付の形
戦争や災害時には「義援金」が広く呼びかけられるようになります。自然災害の多い日本では、被災者を助けたいという共感の輪が、寄付につながりました。
戦後、1947年に始まった「赤い羽根共同募金」は、多くの人々が寄付に触れる機会となりました。阪神・淡路大震災が起きた1995年は「ボランティア元年」と呼ばれ、多くの人々が被災地支援に参加しました。市民が主体的に社会課題の解決に関わる**NPO(民間非営利団体)**の重要性が認識され、多様なNPOの登場によって、寄付の受け皿が広がりました。
2011年の東日本大震災では、その流れがさらに加速。SNSの普及も相まって、個人が共感した活動に直接寄付をする動きが活発化しました。
現在、日本の寄付文化はさらに多様化しています。
ふるさと納税:2008年に始まった制度で、応援したい自治体への寄付を通じて、返礼品を受け取れる仕組みが人気を博し、寄付市場を大きく拡大させました。
クラウドファンディング:2011年頃から本格的に普及し、個人や団体がプロジェクトを立ち上げ、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を募る手法が定着。夢への挑戦や社会的な事業など、様々な目的で活用されています。
企業のCSR活動:企業の社会的責任(CSR)の一環として、組織的な寄付や社会貢献活動が一般化してきています。
欧米とは異なる日本の寄付文化の特徴
共感性の重視:災害支援のように、困っている人々に共感し、「自分も何かしたい」という気持ちが動機となります。
信頼性の希求:「寄付金が本当に役立っているのか」という透明性を重視する傾向が強く、信頼できる団体や活動に寄付が集まりやすいです。
匿名性の好み:自らの善行(ぜんぎょう) をことさらに誇示しないことが美徳とされています。
現代社会において、寄付は、個人が社会とつながり、より良い未来を築くための重要な手段として、その役割を増しています。
以上、会長の時間でした。
買い物で誰かを幸せにする仕組み
CSRの例 大手スーパーにレシートを入れるポストがある。買い物した金額の1%を購買者の選んだ社会福祉団体にスーパーを通じて寄付する仕組み
◆幹事報告◆ 幹事/義澤 彰君
■会長 𡈽門 明哉 ■副会長 秋森 三男 ■会長エレクト 廣石 隆太
■幹事 義澤 彰 ■会計 廣石 隆太 ■会場監督 石井 裕子
□例会場 小田急ホテルセンチュリー相模大野8F
□事務局 相模原市南区相模台3-11-8(株)秋森商鋼内Tel.042-748-7624 Fax.042-705-6624
□国際姉妹クラブ 台湾:台北敦化ロータリークラブ
□友好クラブ 伊豆中央ロータリークラブ
𡈽門 明哉 会長
義澤 彰 幹事
〇会長エレクト 廣石 隆太君