α7R+21mmF3.5用 2軸パノラマ雲台
価格
税込11,000円(カメラ、レンズ、三脚は含みません)、送料別
撮影
45度ステップ1周8枚*2段(+30度、-30度)+真上+真下+三脚下+三脚影消しの20枚撮影
上下30度の2段撮影のため、水平付近は両方で撮影されます。上30度8枚→下30度8枚の撮影の間に人や車が移動していれば、人や車をマスク処理することで、もう一方の画像が利用され、人や車が写っていないパノラマ画像を作成できます。
空だけの画像は真上だけになるので、3段撮影よりも孤立画像が少なく、パノラマ合成が容易です。また、3段撮影よりも画角の広いレンズを使用するため、三脚下撮影や三脚影消し撮影での撮影ミス(必要な範囲が写っていない)も低減できます。
Hugin(パノラマ合成フリーソフト)上のパノラマ最適画素数は27828*13914程度で、ストリートビュー用(14142*7071)に合成すると、解像感の高いパノラマ写真が得られます。レンズの中心が水平を向かないので、水平付近の解像度では少し不利になりますが、ストリートビュー用のサイズなら問題なさそうです。
取付
三脚への取付は小ネジです。大ネジ用に設計変更も可能です。カメラネジ(脱落防止のEリング付き)が付属します。
大きさ、質量
162mm*71mm*30mm、195g
特徴
ヨー軸(左右回転)とピッチ軸(上下回転)の2軸パノラマ雲台です。2軸ともクリックストップ付で、撮影中に回転軸を固定するネジはありません。カメラが重いため、ピッチ軸(上下回転)のクリックストップにプランジャーを2個使用し、固定力を強化しています。
回転軸は、ステンレス/アルミの滑り軸受と、スラストボールベアリングで構成され、ベアリングに強めの予圧をかけることで、適度な摩擦と高い剛性が得られます。適度な摩擦により取り回しが良く、回してクリックストップで止めて撮影するだけの簡単操作です。20枚を1枚当たり2秒程度で撮影できます。
対応カメラ、対応レンズ専用です。他のカメラやレンズでは使用できません。
対応カメラ:SONY α7R
ダイナミックレンジが広いため、ブラケット撮影なしで、RAWからの疑似HDR現像でパノラマを作成できます。
手振れ補正を内蔵していないので、撮像センサー位置が移動する心配がありません。(撮像センサー位置が異なる画像が混ざると、パノラマ合成での合わせ精度が劣化します。)
対応レンズ:フォクトレンダー COLOR-SKOPAR 21mm F3.5
2段撮影で全周パノラマに対応できる広角レンズです。マニュアルフォーカスで、F値等がExifに記録されるため、パノラマ撮影に向いています。パノラマ撮影では、オートフォーカスよりも、ピンボケの撮影ミスが少ない感じがします。
太陽が入ると、ゴーストやフレアが発生しやすいという弱点がありますが、コントロールポイントの抽出も含めて、パノラマ合成作業が楽なレンズです。
ゴーストの発生例 → https://goo.gl/maps/gCzP3pTmWJKth8M96
撮影サンプル:メリケンパーク(夜景)
夜景パノラマで、光源の光条を出すためF8で撮影。撮影時間短縮のため、ISO400に設定したので、ややノイズが多い感じです。ゴーストやフレアが発生しやすいレンズですが、この程度の光源であれば問題なさそうです。
露光時間が長く手持ち撮影は困難なので、三脚下も三脚で撮影します。底面アダプターが無いため、三脚を大きく移動する必要があり、視点ズレが大きくなります。視点ズレにより、三脚下画像の合わせ精度が劣化しやすいため、三脚下画像でカバーする範囲が小さくなるように、真下画像を180度回した2枚で撮影しています。パノラマ合成時に、三脚下画像へコントロールポイントを追加し、三脚下の石畳もうまく繋がっています。
真上画像にはコントロールポイントが抽出されず、前処理スクリプトで指定した初期位置のままステッチしています。
撮影日時
2019年2月12日 20:35:15~20:38:23 (189秒間で20枚を撮影)
2秒タイマー+露出2秒+長秒時NRのため、撮影時間が長くなっています。
撮影場所
兵庫県神戸市 メリケンパーク
設定
RAW、ISO400、F8、2秒
RAW現像ソフト
Capture One 20 Express for SONY、無料版
レタッチソフト(顔のボカシ処理)
GIMP 2.10.20、無料
パノラマ合成ソフト
Hugin 2019.2.0(2019-12-30)、無料
Hugin用前処理スクリプト(サンプルデータに同梱予定)
そのままでは扱いにくいHuginですが、前処理スクリプト(VBScript)で、Huginプロジェクトファイルの作成、コントロールポイントの抽出、最適化、初期設定を行うことで、Hugin上での操作を削減できます。
20枚の画像の撮影順(名前順)は、真上→上30度で45度ステップ右回り8枚→下30度で45度ステップ右回り8枚→真下→三脚下(三脚消し)→三脚の影消し、に固定です。
[1パノラマ]=[1フォルダ]に画像を分類した後、前処理スクリプトにフォルダをドロップして前処理を実行します。複数のパノラマフォルダの、親フォルダをドロップすれば、まとめてバッチ処理できます。
前処理スクリプトは、カメラとレンズの組み合わせに応じてパラメータ等を最適化していますが、カメラとレンズには個体差があり、最適パラメータを調整する場合など、メモ帳などで編集して利用できます。
ストリートビュー投稿
https://goo.gl/maps/2yJXSzcBdmCNzEaRA
ファイルサイズが大きいため、表示が高解像度になるまでに時間がかかります。
パノラマ画像のダウンロード
pano_A7R_21mm.jpg(14142x7071、36.0MB)
サンプルデータのダウンロード
Data_A7R_21mm.zip(473MB)
RAW現像後にレタッチ(顔のボカシ処理)したjpeg画像20枚と、前処理スクリプトのセットです。
通常、パノラマ合成後に顔やナンバープレートのボカシ処理を行いますが、サンプル公開のため撮影画像にボカシ処理を行っています。
パノラマ合成の詳細は、同梱の「説明.txt」を参照してください。
27828*13914でのステッチも可能です。
Huginパノラマ合成デモ(α7R+21mmF3.5)
サンプルデータを使用した、スクリプトによる前処理と、Huginでのパノラマ合成(水平調整と底面合成を含む)のデモ動画です。
サンプルデータ同梱の「説明.txt」の補足として、Windows画面のキャプチャー動画を作成しました。
広角レンズでも、2段撮影であれば、作業時間を短縮できます。前処理=5分、パノラマ編集作業=5分、ステッチ(合成)=12分程度ですが、動画を編集して、前処理とステッチを早送りしています。