ストリートビューアプリから、ストリートビューへ投稿可能なパノラマ画像は、
7.5 メガピクセル(4K)以上で、アスペクト比が 2:1
サイズが 75 MB 以下
という制約がありますが、75MB以下でも、大きな画素数の画像は、投稿しても掲載されないようです。
パソコンからgoogleマップに投稿すると、大きな画素数の画像では「サーバーから拒否されました」エラーが表示されるため、googleマップのサーバーの制約と思われます。
ストリートビューアプリから投稿して確認すると、
2018年11月に確認:14142*7071画素(1億画素弱)が最大
2020年1月に確認:17320*8660画素(1.5億画素弱)が最大
ストリートビューの最大画素数の制約が、いつ緩和されたのか、詳細は不明です。
ストリートビューの最大画素数17320*8660のパノラマを撮影する場合、
魚眼レンズによる1段撮影は、撮影もステッチも楽ですが、解像感が不足します。
撮影とステッチに手間と時間がかかりますが、広角レンズによる、多段撮影が必要になります。
APS-Cカメラを使用する場合
レンズ解像度に余裕が無いため、18mm前後の広角レンズを使用した、3段撮影が無難です。
撮影枚数は37枚程度になり、撮影にもステッチにも手間と時間がかかります。
コンパクトな単焦点レンズを使用すれば、撮影機材の小型軽量化が可能です。
撮影ミス防止のためにも、ズームレンズではなく、単焦点レンズを推奨します。
フルサイズカメラを使用する場合
20mm前後の、高解像度の広角レンズを選定することで、2段撮影が可能です。
撮影枚数は18枚程度になり、3段撮影と比較すると、撮影もステッチも楽になります。
カメラが大きく重くなるだけでなく、高解像度のフルサイズレンズは、単焦点レンズでも大きく重くなるため、撮影機材の小型軽量化には妥協が必要になります。
小型軽量化と、手間と時間の、どちらを優先するか、悩ましい所ですが、諧調やダイナミックレンジの点で、フルサイズが有利です。
ファイルサイズ削減(読み込み時間の短縮)を要求される場合、パノラマ画素数が12000*6000程度に制限され、限られた画素数の中での高画質化が必要になります。全周にわたって、合わせ精度を確保し、均一な画質が得られる、対角魚眼レンズによる1周+上下+三脚下(三脚消し画像)の撮影が有利です。
α7+11mmF2.8対角魚眼用 3軸パノラマ雲台 15,000円
5枚*1段+上下+三脚下の8枚撮影、最適ステッチ画素数15422*7711 程度
12000*6000程度のパノラマ作成は、APS-Cカメラ+対角魚眼レンズでも可能ですが、フルサイズの対角魚眼レンズは、より解像度が高く、12000*6000に縮小ステッチすることで、解像感の良いパノラマ画像が得られます。
フルサイズカメラは、ダイナミックレンジが広く、RAWでの1枚撮影から、RAW現像での疑似HDR処理で、豊かな諧調が得られ、大きな明暗差にも対応します。ブラケット撮影を廃止して、撮影とステッチの時間を短縮できます。(窓の外が非常に明るい場合など、露出を変更した追加撮影が必要になる場合もあります。)
室内ではシャッター速度が遅くなるため、リモコンや2秒タイマーと共に、3軸パノラマ雲台の底面撮影機能を使うことで、三脚下(三脚消し)画像のブレ防止と、三脚下の合わせ精度改善が容易になります。
APS-Cミラーレスカメラ、広角単焦点レンズ、三脚があれば、魚眼コンバーター程度の価格の2軸パノラマ雲台を追加することで、小型軽量で高解像度のパノラマ撮影セットになります。
NEX-5R+16mmF2.8用 2軸パノラマ雲台 11,000円
10枚*3段+上下+三脚下+三脚影消しの34枚撮影、最適ステッチ画素数20718*10359 程度
ストリートビュー用として17320*8660にステッチすると、A7R+21mmF3.5と同等の解像感が得られます。
広角レンズを使用すると、高解像度のパノラマ撮影が可能ですが、枚数の多い多段撮影になり、撮影にもパノラマ合成にも手間がかかるため、商用ストリートビュー撮影では、あまり利用されていません。
趣味なら、撮影やパノラマ合成の手間も楽しみながら、グーグルのストリートビュー撮影車や商用撮影業者よりも、高解像度で高精度のパノラマ写真を作成できます。
高価な専用ソフトも不要で、64bitWindowsパソコン用の無料ソフトを利用できます。
CaptureOne(SONY用の無料版)で、RAW現像(疑似HDR処理)
Huginで、パノラマ合成
GIMPで、レタッチ
FSPViewerで、パノラマを確認
スマートフォンのストリートビューアプリで、投稿
高精度の雲台と前処理スクリプトを使うことで、Huginでの多段パノラマ合成も楽になります。
商用撮影では省略されることが多い、三脚下の撮影と合成にも対応できます。
旅行先の、すばらしい風景を高解像度のパノラマで残しておきたい、と思っても、大きく重い撮影機材がネックになります。
専用設計なら、高解像度パノラマ撮影機材も、持ち歩ける程度に小型軽量化が可能です。(コンパクトな単焦点広角レンズを使用すれば、魚眼レンズを使用した、低解像度のパノラマ撮影機材よりも小型軽量です。)
日本各地で、高解像度のパノラマが公開されることを願っています。