レーザースキャニングの先進地ヨーロッパでは、点群からの3DモデリングツールとしてRhinocerosと各種プラグインを用いた環境がデファクトスタンダードとして利用されており、Arena4D for Rhinoの強力な点群表示機能との組み合わせは、大容量の点群データからモデル化までのワークフローを単純化し、CADモデルの生産性を飛躍的に向上させる中核のツールとなります。
Arena4D Data Studioと同様に、点群データに含まれるRGB・反射強度に基づいて、コントラストや明るさを調整、また標高・奥行きなどの距離レンジに応じた段彩表示、更に点群データレベルでの疑似モデル化表示機能など、モデリング作業に応じた多彩なシェーディング機能を備えており、点群データのシェープを際立たせる細やかな表示制御を行うことが可能です。
Arena4D for Rhinoは、大量の点群データから任意エリアの断面形状を簡単に参照するための、スライスという画期的な機能を備えています。 スライスはマルチビューポートの画面毎に表示されるスライダーを移動することにより、断面形状を見たい対象物の点群データを指定の厚さでリアルタイムに抽出して正射投影化、さらにUCSの同期機能を提供する画期的な機能です。 これにより断面化された断面、基準線、方向など点群データの輪郭をトレースすることで、その形状は3D空間にマッピングされますので、2次元図面の感覚で3Dモデリングに求められるオブジェクト要素を的確に捉えることができ、直感的な3Dモデリング作業を可能とします。
点群データのコラボレーションワーク
Arena4D for Rhinoが表示する点群は、Veesus XStream Engineによって制御・描画されており、Rhinoceros標準のデータオブジェクトではないため、Rhinocerosのコマンド機能で取り扱うことはできません。 しかしArena4D for Rhinoでは、指定範囲の点群をRhinoceros標準の点群データオブジェクトに変換する機能を備えており、例えば指定した範囲の点群を他のプラグインツールでメッシュ化処理させたり、外部ファイルとしてエクスポートして他の処理ツールで加工するなど、点群データと各種ツールのコラボレーションワークが可能となっています。
カスタマイズ機能
ベースシステムであるRhinocerosには、各種のカスタマイズ環境(C++用SDK、 VBA、Pyson等)が標準装備されています。 Arena4D for Rhinoが提供する点群データの各種処理機能は、これらのプログラミングオブジェクトとして利用することが可能で、断面形状の入力補助機能、3Dオブジェクト自動生成、また点群データ転送機能や、他プラグインツールとの連携など、各種業務目的に特化した専用機能を組み合わせることで、最小の投資で無限の可能性を秘めたユーザー独自の点群データ処理システムを構築することが可能です。