Tibetan Women and Cultural Heritage Preservation in Exile
Amrita Saikia(Woxsen University, India)
◎日時:2026年7月13日(月)18:00~19:30ごろ
◎開催方法:オンライン
◎要旨:
The talk examines how the Tibetan women-in-exile in India defied the rhetoric of vulnerable refugees and engaged in the political act of heritage preservation in exile for cultural continuity, identity-making, and nation-building. Looking at heritage through a gendered lens, the talk explores the ways in which Tibetan women-in-exile have contributed to the preservation, enactment, and reproduction of heritage in exile while negotiating multiple challenges encountered due to their legal status. How do Tibetan women contribute to the preservation of heritage and nation-building in exile? The talk attempts to answer the question by drawing from interviews with Tibetan women and men in exile in India and engaging with existing literature.
*This event is supported by JSPS KAKENHI JP25K00572 (PI: Kuwajima, K.) and
Maritime Asian and Pacific Studies, Toyo University Hub, NIHU Global Area Studies Program.
※本研究会は、科研費(JP25K00572)および人間文化研究機構海域アジア・オセアニア研究(MAPS)東洋大学拠点との共催です。
ソロモン諸島におけるキリバス系移民の経験
――移住と避難に焦点を当てて
藤井 真一(国立民族学博物館)
◎日時:2026年6月22日(月)18:00~19:30ごろ
◎開催方法:対面・オンラインハイフレックス方式
◎対面会場:東洋大学白山キャンパス 8号館中2階 第2会議室
◎要旨:
本報告の目的は次の二つである。第一にソロモン諸島国内に暮らしているマイノリティ集団であるキリバス系移民の移住史を整理すること、第二に彼らキリバス系移民の移動経験を約四半世紀前にソロモン諸島で生じた内戦と関連付けながら考察することである。
1970年以降に実施されたソロモン諸島の人口統計によれば、「メラネシア系」の人びとが圧倒的多数である一方で、「ミクロネシア系」とカテゴライズされる人びとが総人口の約1%を占め続けている。この「ミクロネシア系」として扱われている人びとが、本報告で注目するキリバス系移民である。現在のキリバス共和国とソロモン諸島国の両方がまだイギリスによる支配を受けていた20世紀半ば、人口過密等の理由によりギルバート諸島(現・キリバス共和国)の人びとをソロモン諸島西部へと再定住させる政策がとられた。その後、彼らの一部は首都ホニアラおよびガダルカナル島北岸部に再定住地を求めた。ガダルカナル島北岸部における彼らの居住地は1998年末に勃発した内戦の舞台となったため、彼らは国内避難を余儀なくされた。しかし、ソロモン諸島の内戦に関するこれまでの研究等において、居住地を戦場とされ国内避難を余儀なくされた彼らキリバス系移民の来歴や実態は看過されてきた。
本報告では、文献調査に基づいてソロモン諸島国内のキリバス系移民の移住史を整理するとともに、2025年に実施したインタビューをもとにガダルカナル島北岸部のキリバス系移民の来歴と内戦下の国内避難の概略を示し、マジョリティ集団(ガダルカナル島民、マライタ系住民)の避難行動との異同を考察する。
※本研究会は、人間文化研究機構海域アジア・オセアニア研究(MAPS)東洋大学拠点との共催です。
過疎と仏教
―—東ブータン農村における人口流出と宗教的職能者の関係
石内 良季(名古屋大学)
◎日時:2026年5月18日(月)18:00~19:30ごろ
◎開催方法:対面・オンラインハイフレックス方式
◎対面会場:東洋大学白山キャンパス 2号館3階 第1会議室
◎要旨:
「秘境」や「幸福の国」と称されてきたブータンは、現在では「過疎社会」とも呼びうる状況にある。本報告は、過疎化が著しく進む東ブータン農村における人口流出について、地域の歴史的・宗教的背景がその一因となっている可能性を検討するものである。
近年、ブータン農村では、首都や海外への人口流出が急速に進行している。その結果、人口減少や高齢化に加え、空き家や耕作放棄地の増加、獣害の深刻化、祭礼の衰退など、いわゆる過疎問題が顕在化している。農村人口の割合は、2017年の62.2%から2047年には43.2%まで低下すると予測されており、とりわけ東ブータンでは、人口の純移動率が大幅なマイナス(転出超過)を示し、人口減少と高齢化が急速に進行している。
先行研究では、人口流出の要因として、市場や社会サービスへのアクセスの困難さ、野生動物による被害、気候変動に伴う水不足などの複合的な要因が指摘されている。一方で、仕事や教育の機会、医療、生活の利便性などを求めて、人々が都市部や海外へ移住していることも明らかにされてきた。
報告者はこれまで、人口流出の要因解明や解決策の提示を主目的とするのではなく、過疎化が進む地域の歴史と、そこに暮らす人々が社会・文化の変動に対応しながら、いかに生きようとしているのかに着目して研究を行なってきた。本報告では視点を転じ、宗教的職能者のモビリティに注目することで、ブータン農村における人口流出の要因について新たな観点から考察する。
※本研究会は、人間文化研究機構海域アジア・オセアニア研究(MAPS)東洋大学拠点との共催です。
タイ国チェンマイにおけるタイヤイの若者のアソシエーション活動
―—日常実践を通じた関係性と自己理解の生成
朴 苑善(東洋大学)
◎日時:2026年4月27日(月)18:00~19:30ごろ
◎開催方法:対面・オンラインハイフレックス方式
◎対面会場:東洋大学白山キャンパス 2号館3階 第1会議室
◎要旨:
本発表は、タイ国北部チェンマイにおけるタイヤイの若者のアソシエーション活動に注目し、日常的な実践を通じて関係性の構築と自己理解がいかに生成されるのかを明らかにすることを目的とする。これまでの研究は、儀礼や祭りといった非日常的で象徴性の高い実践を通じた文化の再生産に焦点を当ててきたが、本発表では、言語学習や余暇活動といった日常的な活動に着目する。
フィールド調査に基づき、移住背景や生活経験の異なる若者たちが参加するアソシエーション内部の相互作用を分析することで、そこに相互補完的な関係性が形成されていることを示す。さらに、移民第1.5世代および第2世代の事例を通じて、同世代の他者との対話や交流のなかで、文化的記憶や歴史認識が再解釈され、自己理解が更新されていく過程を明らかにする。
以上の検討を通じて、アソシエーションは文化の一方向的な継承の場ではなく、若者たちが相互に学び合いながら関係性と自己理解を生成していく実践の場として機能していることを論じる。
※本研究会は、人間文化研究機構海域アジア・オセアニア研究(MAPS)東洋大学拠点との共催です。